肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『ザ・シューター 極大射程』、観ました。

2007-09-30 20:09:28 | 映画(さ行)





監督:アントワーン・フークア
出演:マーク・ウォールバーグ、マイケル・ペーニャ、ダニー・グローバー

 『ザ・シューター 極大射程』、観ました。
元海兵隊の名狙撃手スワガー。軍を退いて暮らしていた彼の元を、退役した
ジョンソン大佐らが訪ねてきた。彼は大統領暗殺の動きがあることをスワガーに
話し、その阻止を手伝って欲しいと告げる。スワガーは大統領の遊説先を
狙撃手としての経験を活かして調査し、唯一と思われる狙撃ポイントを発見。
演説当日も大佐らと共に、現場の見張りに付いた。すると銃声が鳴り響いた…、
撃たれていたのはなぜかスワガー自身だった‥‥。
 あまり気乗りがしないまま、最初の10分観た後でつまんなかったら止めれば
良いさと思って観始めた。しかし、大した盛り上がりもないクセに、結局最後まで
観ちまったゼ(笑)。うーん、今にして思えば、ひきかえすチャンスは幾らでもあった
ハズなのに、それが出来ないオレの優柔不断を悔やむばかりだが(笑)、適当に
楽しめて適度な時間潰しを目的とするのなら、いたって手頃な映画ともいえる。
物語は、国家の巨大組織の中枢にいた者が、ある秘密を持ったことによって、
逆に組織から命を狙われるハメになる‥‥、どことなくマット・デイモン主演の
“ジェイソン・ボーン”シリーズ(『ボーン・アイデンティティー』『ボーン・スプレマシー』)を
連想させるのは、きっと単なる“気のせい”なんかじゃあるまい。間違いなく、2匹目の
ドジョウを狙ったと思われるが(笑)、“ボーン”シリーズと比べて全体的に物足らなく
感じてしまうのは、人物構成や演出面で大きな欠陥があったと言わざるを得ない。
例えば、新米のFBI捜査官ニックを陰ながらサポートするFBI支局長秘書(ローナ・
ミトラ)は、最低限の人物描写も無しに、物語進行の都合だけで“適当に作られた”
印象のキャラクターだし、主人公とヒロインの愛と取ってみても単に“映画的な
ロマンス”を入れたいだけの薄っぺらいものに感じられる。一方、最大の見せ場となる
アクションシーンは、“狙撃”というよりもゲリラ戦や早撃ちの“接近戦”に比重を
置いてしまって、映画の特色を生かし切れていない。個人的には、映画『レニング
ラード』ように、狙撃手同士が遠方から“相手との駆け引き”による攻防戦を
期待していたのだが。
 ところで、本作は“典型的なハリウッド娯楽”としての側面に、“今日のアメリカと
その対外政策”に対する批判を込めたメッセージが特徴的だ。“石油の利権”のために
執行された民族大虐殺や、“愛国心”の名のもとに(主人公の後方でなびく星条旗が
印象的??)陰謀に加担させられる兵士たち‥‥、これらは全て“先のイラク戦争”を
裏側から描いた重要なファクターとなっているのは間違いない。ただ、観ながらオイラが
釈然としないのは、戦争の批判はしてみても、その反省の向こう側にある“改革の
ビジョン”が一向に見えてこない。映画中盤に「腐敗は、人間の根本であって、それは
銃では倒せない」と言っておきながら、結局ラストシーンで主人公は‥‥‥。ここは
ウソでも(?)悪党どもを銃より“法”の上で裁かないと格好つかないと思うんだけどさぁ。



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『天国と地獄』、観ました。

2007-09-25 21:56:53 | 映画(た行)





監督:黒澤明
出演:三船敏郎、山崎努、香川京子、仲代達矢、木村功、三橋達也

 『天国と地獄』、観ました。
見渡しの良い高台に門を構える権藤邸。製靴会社重役である彼の子供と間違えられ、
権藤のお抱え運転手の子供が誘拐された。権藤は悩みに悩んだ末に全財産を
投げ出して3000万円の身代金を払い、子供を救い出す。そして、やがて警察の
捜査線上に、悪魔的な哲学を持つ一人の知能犯の青年が浮かび上がってくる‥‥。
 ジョージ・ルーカスはこの映画を評して“映画史上最強サスペンス”だと言った。
同じくボクは黒澤明監督の『野良犬』を1位に推し、この『天国と地獄』をそれに次ぐ
“(サスペンス史上)№2”の評価を下す。映画は、冒頭の息詰まる密室劇に始まり、
疾走するこだま号での身代金受け渡し、更には地道な捜査の段階を経て、ついに
邪悪な犯人像が浮かび上がってくる映画終盤まで…、その間、糸をピンと張り詰めた
ような“緊張感”は片時も弛(たる)むことなく、怒涛のような展開の“スピード感”は
観る者を圧倒する。また、真夜中の花畑の中から浮かび上がってくるサングラスの
犯人や、焼却場の煙突から立ち上るピンクの煙、ラジオから流れる音楽の使い方と
何の前触れもなく鳴り響く断末魔のベル(電話)の音、そして権藤と犯人がガラス越しで
二重写しになるラストの面会場面など‥‥、黒澤明の演出は、本作でも映像面に
音響面、ありとあらゆる部門で切れまくり、冴えわたり、凄みすら感じさせる一級品だ。
 さて、この映画の“成功”は、冒頭の僅か十数分によって約束され、決定付けられた
といっても過言ではない。…というのは、会社の重役幹部が集まって乗っ取り計画を
議論する中、主人公・権藤という男が何を生き甲斐にして、どんな価値観をもって
生きているのか…、すでにその時点で“権藤の人物像”がほぼ確立されているのだ。
それによると権藤は、勿論、自分の会社を持ちたい野心はあるが、それは質の良い
靴を作るという“夢”を叶えるため。ゆえに頑固な職人気質のきらいがあるが、一方で、
冷酷になりきれない“人間的な優しさ”も併せ持つ。映画中盤から終盤にかけて、
権藤は画面からほとんど姿を消すが、権藤の持つ“人間性”はこの映画を土台から
支える地盤になり、それと対比するように浮かび上がってくる“犯人の陰湿さ”を
一層際立てている。
 そして改めて、この作品が一介のサスペンス映画と異なるのは、単なる犯人捜しの
追跡ゲームに収まらず、この誘拐事件の背景に戦後の高度成長によって生じた
“深刻な格差社会”が浮き彫りとなって見えくる点だ。丘上で見渡すように
聳(そび)え立つ権藤邸の雄大さとは対照的に、一歩丘のふもとに足を踏み入れて
みれば、風も通らぬほどに“密集した貧民街”と、その周囲を流れるドブ川には
“使い捨てられた家電の残骸”が浮かんでいる。そこで目にするものは、華やかな
高度成長の裏側で、腐りかけた“掃きだめの世界”が横たわる。その刹那、ボクは
その格差社会の歪みに“犯人の歪んだ内面”の根幹を垣間見たような気がした。
しかし、考えてみれば、権藤と犯人‥‥、それぞれの人生の明暗は、ほんの些細な
考え方の違いによって生じたのだと思えてくる。権藤は靴作りという“小さくとも
確かな夢”を持ち、犯人は“それ”を持たなかった‥‥、いや、犯人が“医学生”だった
ことを考えれば、むしろ“成功するチャンス”は権藤よりあったはずなのに何故??、
結局、その知識と才能を“成功者への嫉妬”という形でしか表せなかったのが、何とも
皮肉な結末だ。ラストシーン、刑務所の金網越しに対面する権藤と犯人の姿が、
強烈なインパクトとなって観る者の心に迫ってくる。虚勢を張り、まるで自身に
言い聞かせるように、これまでの身の上話をする犯人に、権藤は改まったように
聞き返す。「キミはそんなに不幸だったのかね…?」と。その言葉が、勝者と敗者に
分けた“象徴的な言葉”として、両者の頭上に重たく圧し掛かってくるように感じたのは、
ボクの気のせいだろうか。



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『ブラックブック』、観ました。

2007-09-21 22:49:45 | 映画(は行)





監督:ポール・バーホーベン
出演:カリス・ファン・ハウテン.セバスチャン・コッホ.トム・ホフマン.ミヒル・ホイスマン

 『ブラックブック』、観ました。
ナチス・ドイツ占領下のオランダ。ユダヤ人歌手ラヘルは、ドイツ軍から解放された
南部へ逃げようとするが、何者かの裏切りによって家族をナチスに殺されてしまう。
彼女は復讐のために名をエリスと変え、レジスタンスのスパイとしてドイツ将校
ムンツェに近づいてゆく。しかし、憎むべきはずのムンツェの優しさに触れ、彼を
愛するようになっていく‥‥。
 “純粋な反戦映画”として観るには若干“きめ細かさ”に欠ける。それというのも、
映画は、ユダヤ人ヒロインがスパイとなってナチの内部に潜入し、情報を盗み出そう
とする一方で、彼女が所属するレジスタンス内部にもナチへと情報を横流しする
密告者“X”の存在が明らかになってくる。特に、その終盤に至る過程で、どう考えても
ツジツマが合わない部分と、思わず首をひねってしまう“ご都合主義”がみてとれる。
例えば、物語終盤になっていよいよ登場する“ブラックブック”の真相は、それまでの
展開からしていささか“唐突な印象”すら抱かせるし、ヒロインが“密告者としての
濡れ衣”を着せられるのは、単に“映画的な面白さ”だけを優先したかのように
思えてくる。勿論、糖尿病とチョコレートの意外な関係(?)や盲腸の傷跡など、
至るところに張り巡らされた伏線は、ポール・バーホーベンが“生粋の職人監督”
であることをうかがわせる。ただ、総合的にみて、やはりオイラには“反戦映画”という
枠組み以上に、“スリルとサスペンス”の方の印象が強かったかな。
 では、仮に、これを“反戦映画”とし、歴代の反戦映画の中でどれに一番近いかと
言えば、それは『戦場のピアニスト』だろう。ナチス軍に身を置きながら、敵対する
ヒロインと心通わせていくムンツェ大尉は、『戦場のピアニスト』の終盤で主人公
ピアニストに救いの手を差し延べるドイツ人将校にダブってみえる。また、戦争の
終結と同時に“下克上”が生まれ、今度はオランダ人によるナチス加担者への
リンチが巻き起こるのは、『戦場のピアニスト』でも“テーマの根幹を成す場面”として
印象的に使われている。そして、改めて思うのは、《戦争》は単純にその善悪を
分けられるものではないってこと。ナチの将校でありながらも戦争の現実に辟易し、
無駄な流血を避けようとする者もあれば、逆に、レジスタンスに身を置きながら
勧んでナチの手先となり、仲間を売って私腹を肥やす輩(やから)もいる。まぁ、映画の
出来自体、もろ手をあげて絶賛するほどではないにしても、監督が何に突き動かされ、
この作品を作ろうとしたかは想像できる。と、そんな風に書いてたら、また『戦場の
ピアニスト』
が観たくなってきたなぁ。


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『サンキュー・スモーキング』、観ました。

2007-09-18 19:45:04 | 映画(さ行)





監督: ジェイソン・ライトマン
出演:アーロン・エッカート.マリア・ベロ.キャメロン・ブライト.ケイト・ホームズ

 『サンキュー・スモーキング』、観ました。
タバコ研究アカデミー所属のPRマン、ニック・ネイラーの使命は、得意の話術で
タバコ業界へのバッシングをかわすこと。その巧みな論理のすり替えテクニックから
「情報操作の王」と異名をとる彼の評判はすこぶる悪いが、一人息子のジョーイだけは
そんな父親を尊敬していた。反タバコ法案を掲げる上院議員をやり込め、ハリウッドをも
巻き込むあの手この手の戦略を展開するが、思わぬ落とし穴が待っていた…。
 生まれてこのかた今日まで39年間、オイラは煙草を吸ったことがない。その間、
スティーヴ・マックィーンに憧れ、チャールズ・ブロンソンにも心酔したが(笑)、銀幕の
彼らがどんなにシブく煙草を燻らせようとも、やっぱり煙草には手が伸びなかった。
まぁ、そんな煙草を吸わないオイラをして、この映画に興味を持った訳だが、観れば
当初予想したものとはちと趣が違う。シニカルな笑いをもって闇雲に“煙草批判”を
繰り広げるのではなく、むしろ、ここでの煙草は“大きなテーマを描く上での手段”に
過ぎない。つまり、こうだ。煙草の危険性をどうこう言う前に、辺りをよく見まわして
ごらん!!、世の中には煙草以外にも“見えない危険”がいっぱい溢れてる。アルコールや
銃の脅威はその最たるものとして、それ以外にも、トランクいっぱいに詰め込まれた
ワイロの札束や、白いブラウスの胸元をチラチラさせ、いざ秘密を聞き出そうと
近付いてくる美人ルポライターの罠‥‥(笑)。だけど、考えてみると、それは
一方的に相手が悪く、自分の方に全く非がないかといえば、そうじゃない。最終的に、
その決断をした…、あるいは、その誘惑に負けてしまった自分自身に“責任の
すべて”が圧し掛かってくるのだ。マヨネーズを食べたら太るのは周知の事実だし、
チョコを食べれば虫歯になるのも当たり前。だったら、煙草を吸えば肺がんになる
恐れだって…。自分を演出する手段や一時(いっとき)の安らぎと引き換えにして、
煙草を吸うのは自由だろう。だけど、仮にそれで健康を害したとしても、それは
“自己責任”でしかない。映画終盤、煙草業界に身を置くエコノミストの主人公は、
一見、傍聴会で苦し紛れの弁明と、自分に都合の良い解釈を並べているだけのように
思えるが、果たして本当にそうなのか。彼が息子の前で言いたかったことはひとつ、
「(男なら)自分のした事、言った事に責任を持て」と。むしろ、煙草パッケージに
ドクロマークを、と息巻くフィニスター上院議員こそ、“悪徳政治家の、単なる政治
パフォーマンス”にしか見えないのは、近ごろ日本における政治不信のせい??(笑)、
いや、そんな事よりも、改めて言いたいことは、オイラが煙草を吸わないのは
誰に言われたからでもない。自分のため、家族のため、娘のため、1分だって
1秒だって長生きしたい…、ただそれだけなんだ。



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『ブラッド・ダイヤモンド』、観ました。

2007-09-14 19:31:48 | 映画(は行)





監督:エドワード・ズウィック
出演:レオナルド・ディカプリオ. ジャイモン・フンスー. ジェニファー・コネリー

 『ブラッド・ダイヤモンド』、観ました。
アフリカ・シエラレオネ共和国。反政府軍組織RUFに捕まり、闇ダイヤの採掘場で強制
労働を強いられていたソロモンは、作業中に大粒のピンクダイヤを発見。再び家族と
暮らすために危険を承知でそれを隠すが、直後に政府軍によって捕らえられてしまう。
一方、刑務所で巨大なピンクダイヤの話を耳にしたダイヤ密売人のアーチャーは、
その在り処を聞き出すために、ソロモンを釈放させようと画策する…。
 とりわけレオナルド・ディカプリオは嫌いじゃないし、その役者としての資質もボクは
高く評価をしている。人気だけはなく、真の実力も兼ね備えた“文字通りのスーパー
スター”だと思うのだが、反面“近年の彼”をみていると、スコセッシの大作志向に
付き合わされて(?)、悪い意味で“(年齢の割に)妙に落ち着いてしまった印象”を
抱かせる。ただ、そんな中にあって今作は、彼にとっては珍しいアクションシーンも
ふんだんに取り入れられ、良い意味で再び“若々しさ”を取り戻したかのように見える。
これならば、その方向性に疑問を感じていた彼のファンにとっても満足出来るのでは。
勿論、普段からチャリティーや寄付金などに協力を惜しまぬ彼のこと、単なるエンター
テイメントだけでは終わらせず、強いメッセージ性を併せ持つ内容は、彼がこの作品を
選んだ理由も頷ける。スコセッシの呪縛から解き放たれた(?)ディカプリオの新作は、
久々に見応えのある作品だった。
 さて、これが『ラスト・サムライ』と同じエドワード・ズウィック監督だと知って、
なるほどなと自分自身で納得した。というのは、アメリカ人が“他の異文化”へと
入っていった時に直面する“民族間の壁”と、“その思想の違い”について。が、一方で
一端“現地の人の心”に触れてみれば、その文化や価値観を共有し合うことだって
不可能じゃない。言い換えれば、国籍を超えた部分での“モラル”だとか、“真の
正義”みたいなもの‥‥、『ラスト・サムライ』とこの映画にある“目に見えない
繋がり”を垣間見る。更に、“ある者の死”をもって古い時代に終焉を告げ、“新しい
時代の夜明け”を予感させる結末は、この監督の持つ“美学の表れ”かもしれない。
反面、この両作品の違いに目を転じれば、『ラスト・サムライ』は“日本の武士道”に
対する深いリスペクトが感じられるのだが、この『ブラック・ダイヤモンド』では
アメリカの巨大資本主義社会によって、アフリカの豊かな資源が食されていく現実を
目の当たりにする。そして、その貧困の中から“テロリズム”が生まれ、少年の純粋な
心が蝕(むしば)まれ、結果として、多くの命が奪われていくのは、この映画を観れば、
むしろ必然の事のように(勿論、肯定は出来ないが)思えてくる。しかし、考えてみると、
その元凶となるものは、ダイヤという名の“透きとおった小さな石ころ”と、人間の醜い
“欲のかたまり”に過ぎないのだ。ラストシーン、見慣れたはずのアフリカの大地と
空がこの上なく美しく感じられたのは、きっと主人公が欲望を捨て、その“澄んだ瞳”で
大きな世界を眺めたからではなかろうか。


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『ホリデイ』、観ました。

2007-09-10 22:54:45 | 映画(は行)





監督:ナンシー・メイヤーズ
出演: キャメロン・ディアス, ケイト・ウィンスレット, ジュード・ロウ, ジャック・ブラック

 『ホリデイ』、観ました。
傷ついた心を癒すため、見知らぬ土地に旅立つ事を衝動的に決心したアマンダと
アイリス。ネットを通じて知り合った二人は、ロスとロンドン近郊にあるお互いの
家を2週間だけ交換する事に。新しい土地で彼女たちを待っていたのは、美しい家と
思い掛けない出会いだった‥‥。 
 あとで振り返ってみて“この一本”だったと、後々まで記憶に残るような映画
じゃない。取り立てて印象的なセリフはないし、崇高なテーマ性だって見当たらない。
だけど、恋の予感と胸の高鳴り…、ひたすら“口溶けの良さ”を大切に、ライトな
感覚で見られるラブストーリーに仕上がっている。勿論、ここに何を期待するか
によって違うだろうが、“楽しく観れて、後には何も残らない”と思って観る分なら、
きっとアナタの期待を大きく裏切ることはないはず。それこそ、たまのホリデイ
(休暇)に、家族と、恋人と、友達と、気分転換がてら観るには最適な映画では
ないのかな。
 さて、映画は、ロンドン近郊の片田舎とLAに住む2人のヒロインが、ひょんなこと
から互いの家に移り住み、恋が芽生え、同時進行していくというもの。2つの遠く
離れた場所で始まる恋が、見えない磁力で引き合うように、互いの“心の距離”を
近付けていく。まぁ、物語自体は至極他愛もないもの。ご都合主義もはなはだしく(笑)、
ことが異常に上手く運び過ぎる展開は、そんなワケねぇーだろってツッコミたくなる
場面もしばしば。それでも、キャメロン・ディアス、ケイト・ウィンスレッド、ジャック・
ブラック、ジュード・ロウなど、“個性派・演技派”色とりどりのキャストが花を添え、
単調なストーリーにメリハリを付けている。例えば、ロンドンの“美形”組だけでは
退屈なまま終わるだろうし、LAの“重量級(?)”コンビだけでは“華やかさ”に
欠けちまう。無理に演出や構成でこねくり回すのではなく、言うなれば、“良質素材”を
生かした作りとでもいうのかしら。彼ら4人のオーラを見ているだけで、もう“満腹感”に
満たされるのだ。



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『ハンニバル・ライジング』、観ました。

2007-09-05 21:38:12 | 映画(は行)





監督:ピーター・ウェーバー
出演:ギャスパー・ウリエル、コン・リー、リス・エヴァンス

 『ハンニバル・ライジング』、観ました。
1944年リトアニア。名門家の血を引くハンニバル・レクターは、ドイツ軍の爆撃により
両親を失い、幼い妹とともに山小屋でひっそりと暮らしていた。そこへ、脱走兵の
グルータスらがやって来て、妹を連れ去ってしまう。終戦後、ハンニバルは孤児院へ
送られるが、厳しい制裁から逃れるため、唯一の血の繋がりを頼りに叔父の住む
パリへと逃亡。そこで彼は美しい日本女性レディ・ムラサキとの出会いを果たす‥‥。
 映画の作りに“致命的な欠陥”は見当たらない。スリラーのセオリー通りに進む
展開と、要所で(殺害シーンなど)見せ場を入れた構成は、誰もが安心して観られる
作品には仕上がっていると思う。ただ、どうなんだろう。例えば、1作目の『羊たちの
沈黙』では、狭い牢獄に隔離されながらも、鉄格子を通して尚放たれるハンニバル・
レクターの“鋭い殺気と圧迫感”みたいなもの…。一転、2作目『ハンニバル』では、
血生臭いサイコホラーでありながらも、追う者と追われる者との間に生まれる
“甘味で、奇妙な愛の絆”みたいなもの…(ちなみに、ボクは2作目が一番好きで、
これはサイコ映画の形を借りた“究極のラブストーリー”だと思っている)。しかし、
それが続く3作目と今作では、猟奇的な殺人の異常性を見せるだけで、これといった
特徴のない“並のサスペンス”に成り下がってしまった印象を受ける。勿論、シリーズが
回を重ねる毎に、初代ヒロインのジョディ・フォスターが抜け、ついに本作からは
シリーズの顔だったアンソニー・ホプキンスまで居なくなったせいもあるのだろうが、
作品全体から“近寄りがたいカリスマ”が消えつつあるのが残念だ。
 さて、映画は、今や“現代の怪物”と化したハンニバル・レクターが、それ以前に
何が起こり、如何にしてそうなったのか、その人生を紐解いていく。そして、その
シリーズを象徴する“悪のキャラクター”の若き日に戻って、今に至る経緯を描いた
内容は、先のスターウォーズ最終章『シスの復讐』にダブって見える。勿論、本作では
“ライジング”と、一方、スターウォーズでは“ダークサイドに堕ちる”との、対照的な
表現の違いこそあれ、愛の深さゆえに、それが引き裂かれたとき人格が破壊され、
“絶望”の中から“憎悪”が生まれてくるのは両作品に共通する。ただ、本作が
『シスの逆襲』と比べて見劣りしてしまうのは、憎悪とか復讐心の奥底に眠る“深い
哀しみ”がみてとれないこと。そういう意味からして、『シスの復讐』でアナキン・
スカイウォーカー(のちにダースベイダー)には共感できた人でも、この映画の若き
ハンニバル・レクターには、そうでなかった人がほとんどだったのではあるまいか。
 それから、日本人の側から見て一つ気になったのは、今作で“日本に関連する
事柄”がたびたび登場するのだが、それが特に“日本である必然性”が見当たらない。
それらすべてを西洋の文化に置き換えても十分に成り立つし、むしろ、これまでの
シリーズの経緯を考えれば、何を今さら日本に対してどうこう言われてもね~。
チョット…、いや、これってかなり、話の持っていき方が強引過ぎやしないか(笑)。



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『デジャヴ』、観ました。

2007-09-01 20:00:44 | 映画(た行)





監督: トニー・スコット
出演: デンゼル・ワシントン. ポーラ・パットン. ヴァル・キルマー. ジム・カヴィーゼル. アダム・ゴールドバーグ

 『デジャヴ』、観ました。
多くの犠牲者を出したフェリー爆破事件。捜査官ダグは、手がかりを握る一人の
女性の遺体を見た瞬間、奇妙な感覚にみまわれた―「私は、彼女を知っている…」。
その後、彼は特別捜査班の一員として、政府が極秘に開発した《タイム・ウィンドウ》
と呼ばれる映像装置を見せられる。その正体は、現在時間から“4日と6時間前”の
映像を自由に見ることができる、驚くべき監視システムだった‥‥。
 あたかもトニー・スコットらしい“スタイリッシュな映像美”。ただし、彼にとって
それが災いして、ここ数本の作品では“ビジュアルだけ”が先行し、物語の方が
追っついていかない、いわゆる“鼻に付く”ところがあったのだけど…、大丈夫、
この映画に限っては苦にならない。それというのも、この物語自体が、過去と現実の
混じり合う“摩訶不思議な仮想現実”ともいえる内容。トニー・スコットが駆使する
スローモーションや、切り替えの早いアクロバティック映像が、その幻想的な世界観と
ピタリ、マッチしてしているように感じた。
 さて、本来“デジャヴ”の意味とは、初めての場所なのに以前にも来たことがある…、
あるいは、初対面のはずなのに以前にも会ったことがあるような奇妙な感覚のこと。
となれば当然、観る前は“霊的な内容”を予想したわけだが、気が付きゃ、やれ
“7つの衛星・白雪姫”だの、やれ“ワームホール”だの、やれ“タイムウィンドウ”だの、
どんどんSFチックな展開へと突き進む(笑)。しかも、ついには4日と6時間前の
過去に舞い戻り、事件の起きた未来を変えてしまおうとまで。この際、相次ぐ
ご都合主義には目をつぶり(笑)、“この不思議な娯楽映画”に身を任そう。深く
考えなければ、結構楽しめる。良い意味で、見事に予想を裏切ってくれた作品だった。
 改めて、タイトルの“デジャヴ”は、映画のストーリーであまり大きな意味を持たない。
その言葉のニュアンスに近いものが表れるのは、映画もやっと終わりになってから。
むしろ、この映画で“重要なキーワード”となってくるのは、人のさだめとか、運命
みたいなもの。例えば、時間を大きな河の流れだとすれば、その流れの先にある
“最悪の結末”は、すでに“決められた運命”なのか。つまり、人は何をもってしても、
その“宿命”を変えることは出来ないのかってこと。この映画の面白さは、それらの
テーマを、下手な反戦や小難しい理想論に置き換えることなく、手を変え品を変え、
良質のサスペンス映画として存分に見せてくる点だ。やっぱりトニー・スコットは、
この手の娯楽サスペンスを作らせたら、兄のリドリー・スコットよりも断然上手い。
何てったって“職人監督”だもん。製作のジェリー・ブラッカイマーとのコンビも中々
よろしいようで、もう2,3本くらい、このコンビで新作を作ったら良いのになぁ。



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