肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『プロメテウス』、観ました。

2012-09-04 09:55:20 | 映画(は行)

監督:リドリー・スコット
出演:ノオミ・ラパス、マイケル・ファスベンダー、ガイ・ピアース、シャーリーズ・セロン

 『プロメテウス』、映画館で観ました。
2089年、古代遺跡から人類誕生の答えを導き出す重大なヒントを発見した
科学者チームは、宇宙船プロメテウス号に乗り込んである惑星へと向かう。2093年、
惑星に辿り着いた彼らは、人類のあらゆる文明や常識を完全に覆す世界を目の
当たりにする。チームは調査に没頭する中、思いもよらない事態が起きる‥‥。
 観なければ良かった――。凡庸な続編なら、いっそ作らないで欲しかった――。
例えるなら、イチローは紛れもなく“スペシャルワン”だ。いや、少なくとも、
これまではそうだった。しかし、ヤンキースで8番を打ち、一介の守備要員になった
イチローは正直観たくない。レジェンドであるがゆえ(あったがゆえに)に、フランチャイズ
プレイヤーとして、最後まで“孤高”であり続けて欲しかった。
 話を映画に戻そうか。そんな感じで、あの場面がどうこう、この台詞がどうこう、
あらを探せばきりがない。宇宙船プロメテウス号に17人もクルーは要らなかった
とか――、アンドロイドの目的と行動が理解できないとか――、スポンサーである
老人が一芝居(?)を打ってまでも船に乗り込んできた意味が分からないとか――、
全体のストーリーはもとより登場人物の構成に至るまで、巧く整理されてない印象だ。
よって、創造主としての神(宇宙人)と人間、そして同様に人間とそれが作り出した
ロボットにおける主従関係のテーマが消化不良のまま、靄がかかったように
ボヤけている。いや、それ以前に“原点”に戻って考えてみて欲しい。そもそも
『エイリアン』とはどんな映画だったのか――、SFか?、サスペンスか?、ホラーか?、
アクションか?、その問いに関してのオイラの答えは明確だ――、すべてがYESであると
同時に、すべてがNOであると言える。突き詰めていくと、『エイリアン(一作目)』の
根幹にあるのは、明らかに“オンナの強さ”だ。改めて、先のロンドン五輪でまざまざと
見せ付けられた“女子力”を例に挙げるまでもなく、もう後がなく、追い詰められた時の
オンナは強い。それは、最後に残った大切なものを守ろうとする“愛の力”であり――、
『エイリアン(一作目)』でいえば、最後の最後、猫のちっぽけな命を守ろうとして
生まれたヒロインの《母性》において他ならない。あえて極論を承知の上で
言わせてもらうと、『エイリアン』とは“究極の女性映画”なのだ。
 一方、この『プロメテウス』では、そういう“母性の強さ”がはっきり見えてこない。
勿論、そこにはシガニー・ウィーバーという“圧倒的な個性”の欠落というハンデも
あるが、やはり全体的にアッサリ感はぬぐえない。だけど、そんな事言ったって、
そろそろシガニー・ウィバーもお歳もお歳だし卒業だよ、仕方ないじゃん、ってか(笑)。
あの、国民的アイドルグループと同じように、シガニー・ウィーバーも「『エイリアン』は
わたしの青春のすべてでしたーーッ(号泣)」って言ったかどうかはしらないが、
やっぱり『エイリアン』のセンターには、シガニー・ウィーバーが収まらないと始まらない。
結局、『エイリアン』とは似て非なるもの――、それが『プロメテウス』だと思った方が
良さそうだ。


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