※障子の在る風景
或いは※障子の向こうに見える風景
※雪見障子の雅
間仕切りは殆ど障子と襖の田舎の家で育ったので、町に出てきて第二の故郷に安住の地を見い出しても、変わりなく”ふるさと”は恋しいままだし、目を瞑ると、障子のある風景の中に子供の自分がいるのを感じる。
近頃は限界集落から消滅集落へと、地方の在所や村はそんな風に揶揄される現実を歩んでいる。と云うより、為らざるを得ない現実の厳しさと寂しさに翻弄されている。いつの日にか、故郷は無くなる。胸の裡の風景へ里帰りするしか方法が無くなる。
僕は暇を見つけては、僕のicochiの原点である其処へ行脚する。そうしてその有り様の様様の全てを記憶に書いてゆくのだ。帰るべき場所が崩壊するその悲しい現実に備えて。
08/19 21:35 万甫