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田舎暮らし

堂本印象展

2013-06-20 19:15:08 | Weblog
  
  交響曲                      メトロ
~古典から抽象へ 華麗に変貌重ねた美の巨人!! 堂本印象展が島根県美術館で
4月26日~6月10日(月)まで開催されています。
日本画家堂本印象(1891年~1975年)は京都で生まれ、大正から昭和後期にかけて
帝展・日展を中心に活躍し、昭和31年に文化勲章を受章しています。
画業の前期は様々な古典に影響を受け、仏教画を中心に幅広いモチーフの傑作を発表。
戦後は世相を反映したモダンな風俗画を発表したのち、抽象画の世界に展開、欧米でも高い評価を
得ました。特定なジャンルに拘らず幅広くエネルギッシュな美術活動は日本のピカソと称されています。
特に心に残った作品
◆「華厳」
会場に入ってすぐ目に付いたのは曼荼羅の「華厳」です。
初期の大作、サイズは軸寸が縦4,5m、横4mもあります。
作品の内容は華厳宗の説話に基づいており、主人公の「善財童子」が53人の人生の師に
指導を請いながら修業を積む「菩薩道」を表しているそうです。
四角形のマスは全部で55あり、文殊菩薩が修行の必要性を童子に説く場面、
最後は普賢菩薩が修業を終えた童子を褒めいたわる場面があります。
童子が修業を終えてたどり着いたのは、画面中央に大きく描かれた華厳宗の
本尊毘蘆遮那仏のお膝元です。
仏の周囲には、幾多の観音菩薩を中心に飛天、地蔵菩薩、鳥や像の頭を付けた八部衆も繊細に描かれています。
作者は日本の仏典に親しみ造詣があるそうですが、近代日本画における仏教画としてもモニュメンタルな位置を占めた作品です。
◆木華開耶媛(このはなさくやひめ)
『古事記』『日本書紀』に登場する美しい女神は天照大神の孫である邇邇芸命の妻になった人物。
満開の桜花が咲き誇る野辺にたたずみ、女性らしいしとやかさや身のこなし、桜色の肌に
鮮やかな口紅が官能的です。そして、長い黒髪が純潔さと白い衣が神聖さを醸し出しています。
この作品はどこかで見た気がするのですが中々思い出しません。
昨年発行された「古事記編纂1300年」記念切手の図柄に採用されたのでそう感じたのでしょうか?
「兎春野に遊ぶ」も切手になっています。
◆ 交響曲
「楽譜を私なりに解釈して、絵の中に私の交響曲を表現したい」と制作れたそうです。
情感溢れる墨線、効果的な金色を使用。日本の固有の素材である紙本や顔料の微妙な質感や
色調が交錯し、重なり、結合する線の濃淡が三次元的空間を創り出しています。
◆ 静風自在
法然院にある襖絵12面の内左より8面展示されていましたが、今まで観たことがない感じの抽象画の襖絵です。
色使いが好きです。
智積院の襖絵『婦女喫茶』も展示されていましたが、寺院の襖絵としては前代未聞の奇抜な主題で、
金地の豪華絢爛です。大胆さより、『静風自在』を好みます。
会場では代表作60点を展示され、多彩な印象芸術の魅力を味わいました。
記念講演の「堂本印象の世界」を聴講すればもっと理解できたと後悔しました。
次回のギャラリートークは6月8日(日)午後2時からです。

宍道湖の夕日
   

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