みやしたの気まぐれblog

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今も残る現役国鉄型気動車 西日本編 2017年版

2017-12-20 23:51:05 | 鉄道その他
12月に入ってからいろいろ忙しく、だいぶ間が空いてしまいましたが、2017年版現役国鉄型シリーズの4回目は西日本の気動車編です。
範囲としてはJR西日本、四国、九州およびその周辺私鉄/第三セクターとなります。

西日本地域の気動車も残っているのはキハ40系と、国鉄末期に製造されたグループが中心ですが、5年前に比べてもあまり廃車の進行は早くなく、この5年間で大きな変化があったのは水島臨海鉄道くらいですね。
一方で主に九州ではキハ40系改造のB&S列車が増加を続け、西日本でも近年増えてきました。四国はキハ32形、キハ40系、キハ54形、キハ185系の改造車が増えました。
緩やかに廃車が進んでいる物の、この5年で一気に国鉄型気動車が姿を消したJR東海、だいぶ減少したJR東日本に比べれば、西日本地域は変化が少ないですね。
住んでいるのが関東という都合上、どうしても観光列車はカバーし切れていないのですが、手持ちの範囲で紹介していきたいと思います。

キハ30形
国鉄が1961年から製造した通勤型気動車キハ35系。3扉ロングシートの構造で、外吊り式扉の構造が特徴。キハ35形が片運転台、キハ30形が両運転台。全国の平坦路線で投入されたが、電化の進展や老朽化で徐々に姿を減らしていき、最後にJRで残ったのは久留里線であった。その久留里線で運用されていた最後の車両のうち2両が水島臨海鉄道に譲渡された。ただし、1両は部品取り用になっているようで、稼働しているのはキハ30 100のみとなっている。


水島臨海鉄道キハ30 100。久留里線末期に塗り替えられた国鉄標準色のまま活躍しており、キハ38形とユニットを組む。非冷房車で、平日のラッシュ時以外は運用が無く、写真のように三菱自工前駅奥の車庫で寝ている。


キハ37形
国鉄が1983年に製造した気動車。5両だけが先行量産車として製造されたが、量産されることは無かった。国鉄で初めて直噴式ディーゼルエンジンを採用し、台車など一部は廃車発生品を利用した。ロングシートの車内となっている。JR西日本に引き継がれた2両はすでに廃車されたが、JR東日本に引き継がれた3両は久留里線で長く活躍。久留里線へのキハE130形100番台導入に伴い余剰となったところを、3両とも水島臨海鉄道に譲渡された。水島臨海鉄道では、2両がキハ37形同士、1両がキハ30形またはキハ38形と組み合わせて運行されている。


水島臨海鉄道色のキハ37形2両編成。平日朝夕のラッシュ時のみ運行される。


まん中やや左奥にいるのが、キハ37形のもう1両。国鉄一般色に塗装されているが、国鉄時代およびJR時代にこの塗装になったことは無い。キハ37形が3両しか存在しない上に片運転台のため、この車両はキハ30形やキハ38形とユニットを組むことになる


キハ38形
八高線の老朽化したキハ35系の一部置き換え用に7両だけ登場した通勤型気動車。キハ37形をベースにしているが、エンジンは若干変更されている。登場時から冷房車。八高線の電化およびキハ110系化に伴い久留里線へ転属。久留里線でキハE130形100番台によって置き換えられた後は、1両だけが水島臨海鉄道へ転出した。他に1両は千葉県のポッポの丘に保存。残る5両はミャンマーへ渡っていった。


水島臨海鉄道のキハ38形。国鉄・JR時代とは異なり、国鉄一般色に塗られている。なお、国鉄時代は白色に赤帯の塗装だった。


キハ66系
1974年から筑豊地区の輸送改善のために投入された気動車。キハ66形とキハ67形の2両で1ユニットを組む。当時は新幹線0系くらいしか国鉄で採用例がなかった転換クロスシートを採用し、キハ181系の大出力エンジンを改良して出力を落とし、普通/快速列車で2両編成15本が投入された。その後、長崎本線/大村線/佐世保線へ転属し、現在は主に長崎〜佐世保の普通列車、快速列車と、長崎本線長与周りの普通列車で運用されている。


シーサイドライナー色のキハ66系。この塗装が現在の基本塗装。


国鉄急行色のキハ66系。他にハウステンボス色もある。


キハ40系
昭和50年代から国鉄が製造した一般形気動車。キハ66系の後に登場しているのだが、大型の車体でありながらエンジンが定格220PSと非力で、客室内はそれまでのキハ20系に比べて改善されたものの重量も増加。非力で重量増ということで、鈍重な気動車の典型とも言える。一方で車体の構造には設計上の余裕もあり、エンジン換装して現在も第一線で活躍している路線は多い。また、ジョイフルトレインへの改造も非常に多く、一般形から特急形へ昇格した車両もいる。両運転台がキハ40形、片運転台の両開き扉がキハ47形、片運転台の片開き扉がキハ48形となっている。


JR西日本のキハ40形。写真は岩徳線向けの車両だが、JR西日本ではキハ40系が非電化区間の主力の1つであるため、多くの地域で姿を見ることができる。




JR西日本のキハ47形。JR西日本のキハ40系は体質改善工事を受けているため、側面窓がオリジナルと異なっている。JR化後は、高岡地域色、加古川線色、姫新線色、岡山地域色、広島地域色など複数の塗装があったのだが、塗装統一化により元々米子支社だけが貫いていた国鉄首都圏色を全地域で実施することとなった。


JR西日本キハ41形。キハ47形を両運転台化改造した車両。主に、山陰本線の豊岡〜香住と、播但線寺前〜和田山で運行されている。




JR四国のキハ40・47形。JR四国ではキハ40系のエンジン交換などの延命処置はほぼ行っておらず、徳島地域に1500形気動車を徐々に投入していくことで、キハ40系の淘汰を少しずつ進めている。現在は、徳島地域、松山地域にわずかな車両が残るのみで、徳島の2両が国鉄首都圏色となっている




JR九州色のキハ40形、キハ47形、140形、147形。JR九州ではキハ40系の改造車が多く、エンジン換装またはエンジン改良を施している車両が多く、一部がキハ140形、キハ147形になっているほか、大半が3500以上の大きな車両番号に改番されている。


アクアライナー色のキハ47系。かつてアクアライナーとはキハ58系改造のジョイフルトレインであったが、そちらはだいぶ前に廃車済み。現在、香椎線運行のキハ47形が主にこの塗装となっている。


日南線カラーのキハ40形。日南線で運用される車両の一部がこの塗装となっている。





高岡地域で運行される忍者ハットリくんラッピング車。忍者ハットリくんの原作者藤子不二雄A氏は氷見出身である




主に境線で運行される鬼太郎ラッピング車。ゲゲゲの鬼太郎の原作者、水木しげる氏は境港出身である


吉備線で運行される桃太郎ラッピング車。2両で異なるイメージのデザインになっている。


JR東日本の烏山線で運行されていたキハ40形1000番台のうち1両(烏山線色)が、錦川鉄道に譲渡された。車内をレトロ調に改装の上、観光列車として使用されているようである。写真は烏山線運行当時のもの



JR四国のキロ47形「伊予灘ものがたり」。休車されていたキハ47形2両を改造した、JR四国では唯一のキハ40系改造観光列車。グリーン車となっているが、メインは車内での食事を楽しむこと。松山〜伊予大洲〜八幡浜を下灘経由で走っている


JR西日本のキハ47形7000番台「瀬戸内マリンビュー」。呉線向けの観光列車で、JR西日本では初めてのキハ40系改造観光列車となった。1両が指定席用でソファーのシートとなっているが、もう1両は一般車である。


JR西日本のキハ47形7000番台「みすゞ潮彩」。2007年に改造されて登場したが、2017年に「○○のはなし」に再改造された。再改造後の写真はまだ撮っていない。


JR西日本のキハ48形「花嫁のれん」。2015年にキハ48形2両を改造して登場した特急形列車。車内はきらびやかな料亭風に改造されている。

この他に、JR西日本にはキハ40形「ベル・モンターニュ・エ・メール(べるもんた)」があるのだが、あいにく撮影できていない。


JR九州のキハ47・140・147形「はやとの風」。九州新幹線の新八代〜鹿児島中央開業に伴って肥薩線吉松〜鹿児島本線鹿児島中央の間で運行を開始したキハ40系系列改造車。キハ40系初の特急列車であるが、2018年春ダイヤ改正で土日のみの運行に削減されることが決まっている。なお、キハ140形は元々最初に「はやとの風」になった車両の1つだが、現在は主に「指宿のたまてばこ」で運用されており、「はやとの風」とは共通予備車となっている



JR九州のキハ47・140形「いさぶろう」「しんぺい」。元々肥薩線人吉〜吉松には、キハ31形を簡易お座敷車とした「いさぶろう」「しんぺい」が運行されていたが、九州新幹線の暫定開業に合わせてキハ140形1両が改造投入され、好評につきキハ47形が2両増備された。2017年春からは車内設備を変えないまま(快速レベルの座席のまま)、熊本〜人吉は特急扱いの運行となった。



JR九州のキハ47・140形「指宿のたまてばこ」。九州新幹線全線開通に伴い、指宿枕崎線の観光列車として投入された。キハ140形は元々最初に「はやとの風」になった車両の1つだが、現在は主に「指宿のたまてばこ」で運用されており、「はやとの風」とは共通予備車となっている。



JR九州のキハ47形「かわせみ・やませみ」。熊本〜人吉向けに2017年に投入された観光列車。人吉側が濃い青色に塗られた「かわせみ」、熊本側が濃い緑色に塗られた「やませみ」になっている。撮り鉄的にはかなり日光の反射が激しく、撮りづらい列車。


JR九州のキロシ47形「或る列車」。主に長崎〜佐世保を走る豪華ツアー列車。普通にはきっぷが買えないツアー用列車である。車内ではスイーツが提供される。博多発着(博多〜佐世保/長崎は特急指定席)で1人25,000円以上というかなり高額なツアー料金となっているので、未だ乗る気がしない。


キハ31形
国鉄末期に九州用に投入されたステンレス車体の両運転台気動車。車内は0系廃車発生品を利用した転換クロスシート(一部は新造)だが、トイレはない。熊本、唐津、大分地域に投入されたが、一部が鹿児島に移ったり、1両がくま川鉄道に譲渡されたり(廃車済み)もした。現在は主に熊本地域で三角線運用に入る。筑豊地域では若松線、後藤寺線および原田線にも入っていたが、BEC819系電車の投入で若松線から撤収し、現在は定期運用を持たない予備車となっている。また、これにより2017年に大量に廃車も発生した。


キハ31形。現在はほぼ三角線専用形式だが、かつては九州内の様々な路線で運行された。トイレなしがネックとなり、より古いキハ40形よりも先に廃車が進行しつつある。


キハ32形
国鉄末期に四国用に投入された小型気動車。16m級の両運転台、ロングシート、トイレなしという、短距離の第三セクター向け気動車並みの設備となっている。それにもかかわらず、平気で2時間以上走りっぱなしの運用に入るのが恐ろしい。新潟鐡工所製は前照灯が丸型で予土線や予讃線、内子線で運用される。富士重工製は前照灯が角形で、土讃線で運用される。近年は予土線向けの車両2両が改造を受け、「海洋堂ホビートレイン」と「鉄道ホビートレイン」となっている。JR化後はトロッコ列車としてキクハ32形が登場。車体長からキハ32形一族に組み込まれているが、クが意味する通りエンジンのない制御車で、キハ185系とセットで運用されている。


富士重工製のキハ32形。富士重工製の車両は主に土讃線で運用されているが、土讃線でトイレなしのまま長距離運用される地雷車両でもある


新潟鐡工所製のキハ32形。前照灯が違う以外は、おおむね富士重工製と同じだが、運用範囲が予讃線松山〜宇和島と、予土線となっている。やはりトイレが無いのに長距離運用する地雷車両である


キハ32形「海洋堂ホビートレイン」。現在の塗装は三代目で、「かっぱうようよ号」と名付けられている。車内は一部展示スペース。



キハ32形「鉄道ホビートレイン」。JR史上最大の魔改造列車として、広く注目を集めた。車内は一部展示スペース。また、0系の転換クロスシートもボックス化して設置されている



キクハ32形。JR化後の登場。最初に登場した501が好評で、2両目の502を投入。502はのちに「アンパンマントロッコ」へ改造され、現在は2代目デザインとなっている。一方の501は汎用的に使われているが、2017年9月に「志国高知 幕末維新号」にラッピングされた

キハ54形
国鉄末期に四国用に投入された大型気動車。四国用は0番台、北海道用は500番台となっている。急行用であった500番台と比べ、普通列車用の0番台は車内がロングシートのデッキなしで、トイレもついていない。主に土讃線、予土線、予讃線/内子線の非電化区間で運行されている。1両が「しまんトロッコ」の指定運用車となり、専用に塗装されているが、車内はほぼ元のままである。


キハ54形の一般車。車体前面にアンパンマンのキャラクターシールを貼り付けている車両が多い。トイレ無しで長距離運用する地雷車両である


「しまんトロッコ」用のキハ54形。塗装変更された以外はほぼ元のままで、間合い運用で予讃線を走っていることもある


キハ183系1000番台(JR化後の製造)
キハ183系は北海道の特急用に製造された車両であるが、JR九州が新規に観光用の気動車を製造するに際して、キハ183系500番台と同じエンジンを採用したという経緯から、キハ183系1000番台として登場した4両編成1本のみの存在。この車両は数奇な運命をたどっており、当初は485系併結性能を持った「オランダ村特急」として登場。その後、「ゆふいんの森」の第2編成となり、続いて大村線向け特急「シーボルト」となったが、早々に撤退。「ゆふDX」として久大本線に戻ったものの、こちらも撤退して、現在は豊肥本線向け「あそぼーい!」となっている。


キハ183系1000番台「あそぼーい!」。熊本駅で撮影したものだが、この当時すでに熊本の震災後で、豊肥本線不通状態で鹿児島本線運用となっていたが、所属が熊本のため熊本まで回送されていた


キハ185系
四国向けに製造された特急型気動車。国鉄初のステンレス製特急型車両となった。キハ181系に比べて編成自由度が高く、2両ないし3両で編成を組んで、6両程度まで連結することもできるが、現在はほぼ3両編成以下での運行。JR化後も製造されたが、JR四国は後継に2000系特急型気動車を製造した為、余剰が発生。余剰となった車両はJR九州へ売却されたため、現在四国と九州で姿を見ることができる。四国、九州とも近年は観光用改造車が出てきている。


国鉄色(微妙に異なるらしいのだが)のキハ185系。キクハ32形が緑色ということで、牽引車には国鉄色の車両が優先的に充当されていた


四国色のキハ185系。コーポレートカラーである水色で塗られている


剣山色と呼称される塗装のキハ185系。実際のところは、特急「剣山」「むろと」「うずしお」のいずれにも運用されている


キロハ186形「ゆうゆうアンパンマンカー」。最近塗装が変わったのだが、リニューアル後の姿を撮影できていないので、リニューアル前の写真。半室はプレイルーム、半室は指定席のアンパンマンシートになっている


「アンパンマントロッコ」牽引専用のキロ185形。「アンパンマントロッコ」のリニューアル時に牽引車だったキハ185系が車内改造の上でグリーン車に格上げされ、専用塗装を施された


キロ185系「四国まんなか先年ものがたり」。2017年から運行を開始した四国2つ目の観光専門列車で、全車グリーン車扱いの特急。「伊予灘ものがたり」と同じく、車内での食事と沿線風景を楽しむことを目的とした観光列車で、土讃線多度津〜大歩危を往復している


キハ185系3100番台。余剰になったキハ185系を普通列車格下げした車両で、リクライニングシートは固定化されている。一部は再度特急列車運用に戻されたので、現在は7両のみの存在。元々トイレなしの車両からの改造だったので、トイレはない。予讃線/内子線の松山〜宇和島で運用されている。


JR九州のキハ185系「ゆふ」用車両。前面の車体下部に補助前照灯が増設されているが、車内は大幅な改造を受けていないらしい。乗ってないのでどうもわからない。


JR九州のキハ185系「九州横断特急」用車両。車内をリニューアルしており、床や荷物棚、肘掛などに木材を使用している。


JR九州のキハ185系「A列車で行こう」。専用に改造されており、車内には車販カウンターもある。

この他に、JR四国では、臨時団体列車用の「アイランドエクスプレス四国II」に改造された車両も存在する。


東日本に比べると車種が多彩な西日本。四国でのキハ40系こそ減少していますけど、西日本と九州では当面安泰と言える数が残っており、そろそろ置き換えがされそうなのはキハ66系あたりでしょうか。少数派形式がほとんど消えてしまって、大量製造の形式が残っているので、まだまだ国鉄型気動車を見なくなるのは先のことに思える西日本地域です。


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