みやしたの気まぐれblog

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今も残る現役国鉄型気動車 東日本編 2017年版

2017-11-29 13:28:57 | 鉄道その他
2017年版現役国鉄型シリーズの2回目は東日本の気動車編です。

東日本編ということで、前回の電車と同様にJR北海道/東日本/東海とその周辺の私鉄・第三セクターが対象ですが、この5年間でJR東海は国鉄型気動車が絶滅してしまいました。
JR東日本でも廃車が進んでおり、今年度中に置きかえが済んでしまい姿を消す路線も出てきます。
当たり前のようにあった国鉄型気動車も、今や北海道を除けば東日本では風前の灯火なのです。

キハ20系
国鉄が昭和30年代に製造した一般形気動車。10系客車のノウハウを踏まえて、それまでのキハ10系気動車よりも車体を大型化して登場した一般形気動車。
平坦用がキハ20形、寒冷地用がキハ22形で1エンジン車。勾配路線用がキハ52形で2エンジン車となっている。ノスタルジックな外観で鉄道ファンの人気が高く、JRから撤退しても第三セクターで観光用として生き残る姿が見られる。


ひたちなか海浜鉄道キハ205。国鉄から水島臨海鉄道を経て茨城交通へ入線した車両。ひたちなか海浜鉄道となってからも現役で残り、同型車両が次々と引退していく中で、最後の生き残りの1両となった。なお、国鉄時代の車番はキハ20-522でラストナンバーらしい。また、水島臨海鉄道に今年春まで残っていたキハ20形もキハ205だったので、最後に残ったキハ20形はどちらもキハ205だった


いすみ鉄道キハ52形。JR西日本大糸線で運用されていたJR最後のキハ52形3両の内1両をいすみ鉄道が購入し、観光急行列車として走らせている。大糸線時代末期は、黄褐色に青色の旧国鉄色だったが、いすみ鉄道入線時にクリーム色に朱色の国鉄一般色に変更。その後の検査時にアンケートで人気が高かった朱色一色に塗り替えられた。

キハ58系
国鉄の代表的な急行形気動車キハ58系。急行列車の衰退と共に、各地で普通列車、快速列車として運用されてきたが、老朽化により次々と引退。
ジョイフルトレインに改造された車両も少なくなかったが、「Kenji」を除いて全て引退した。
キハ58形が2エンジン車、キハ28形が1エンジン車で、冷房使用のためにはキハ58形はキハ28形かキハ65形から冷房用電力を供給する必要があった。また、北海道用に設計されたキハ56系もあったが、これも全廃されている。


いすみ鉄道キハ28形。JR西日本で最後まで残っていたキハ28形を購入し、キハ52形の僚友として観光急行列車で運行されている。国鉄時代の一時期に千葉地域で運行されていたという縁がある。主にレストラン・キハはこちらの車両で実施されている。


JR東日本のキハ58系「Kenji」。現在JRで唯一稼働しているキハ58系で、主に盛岡を中心とした臨時快速、団体列車として使用されている。元々は「サロンエクスプレスアルカディア」という名前だったが、1両が車両火災を起こして廃車。後に補充改造されて、「Kenji」となった。塗装が2度変更されており、登場時は白色に水色だったが、後に緑色に変更。さらに青色に変更されている


キハ40系
昭和50年代から国鉄が製造した一般形気動車。キハ66系の後に登場しているのだが、大型の車体でありながらエンジンが定格220PSと非力で、客室内はそれまでのキハ20系に比べて改善された物の重量も増加。非力で重量増ということで、鈍重な気動車の典型とも言える。一方で車体の構造には設計上の余裕もあり、エンジン換装して現在も第一線で活躍している路線は多い。また、ジョイフルトレインへの改造も非常に多く、一般形から特急形へ昇格した車両もいる。両運転台がキハ40形、片運転台の両開き扉がキハ47形、片運転台の片開き扉がキハ48形となっている。


JR北海道キハ40形700番台。キハ40系では最初期車にあたる100番台をワンマン化改造した車両で、北海道内の多数の路線で活躍していたが、現在は1700番台への改造が進んで残りわずかとなっている。



JR北海道キハ40形1700番台。キハ40形700番台に延命工事を施した系式で、北海道内のローカル輸送の主力車両。ほとんどの車両がJR北海道の標準塗装(写真上)になっているが、一部根室本線系統に使用される車両に国鉄首都圏色の朱色車両がいる。また、道南いさりび鉄道にも継承されて、塗装変更/車内改造された物も出てきている。


JR北海道キハ40形400番台。札沼線の石狩当別〜新十津川の閑散区間用にキハ40形700番台を改造した車両。写真ではわからないが、他の700番台と異なってドア部分が黄緑色に塗られている。2両のみの存在で、札沼線の一部電化後も残留。しかし、北海道医療大学より先の廃止が取りざたされているため、路線廃止があれば廃車される可能性が高い車両でもある


JR北海道キハ40形350番台。一旦はキハ130形の軽快気動車に置き換えた日高本線で、キハ130形の老朽化が著しく早かったため、再度キハ40形を投入するに際してエンジン換装して性能向上を図ったタイプ。日高本線の鵡川以南が2015年の高波被害・台風被害などで運行不能となり、室蘭本線でも運用されるようになった。



八戸線、津軽線用キハ40系。盛岡色と呼ばれる上の写真の塗装と、一部国鉄首都圏色(下の写真)になった編成がある。どちらの路線も勾配があまり無いので、キハ110系での置きかえがされずにキハ40系で運用されてきたが、老朽化により八戸線にはキハE130系500番台が投入され、2017絵年度中に置き換えられる。津軽線には2020年度に新型電気式気動車GV-E400系が投入予定。


JR東日本五能線用キハ40系。白地に青ラインの塗装で、主に五能線の東能代〜弘前と一部奥羽本線(弘前〜青森)、津軽線で運行されている。2020年度に新型電気式気動車GV-E400系が投入されることが予定されており、それにより全ての五能線用キハ40系が置き換えられる。


JR東日本男鹿線用キハ40系。男鹿線は全列車が奥羽本線秋田へ直通しているという運用特性から、キハ40系の置きかえは蓄電池列車のEV-E801系で行われることになっており、2017年から一部の運用がEV-E801系になっている。また、男鹿線運用のキハ40系は、朝の混雑を踏まえて一部がロングシート車になっている。


JR東日本只見線用キハ40系。元々この塗装は仙台支社の標準塗装であったが、東日本大震災の際に運用路線であった気仙沼線が壊滅し、石巻線も女川再開時に運用がキハ110系に統一されたため、現在では只見線でだけ姿を見ることが出来る。現状、東日本のキハ40系で唯一置きかえの具体的な予定が発表されていない。





JR東日本新潟地域用のキハ40系。新潟地域は寒冷地域にもかかわらず、元々暖地用のキハ47形が多いのが特徴。塗装は1次新潟色(写真上段)、2次新潟色(写真中段上)のどちらかが基本だが、一部が国鉄首都圏色、国鉄急行色風になっている(写真中断下、下段)。磐越西線、羽越本線・白新線、只見線の只見以西で運用されているが、2017年度から順次GV-E400系に置き換えられる予定。


キハ48形「クルージングトレイン」。元「リゾートしらかみ 青池編成」の先頭車2両で構成。HB-E300系の橅(ぶな)編成投入で、後から改造されたキハ48形「元リゾートしらかみ 橅編成」の先頭車2両が転用されるのかと思ったら、まだその話が具体化しているように見えず、いつ廃車になるのかは微妙。車内はリクライニングシート。運転台後は展望スペース


キハ48形「元リゾートしらかみ 橅(ぶな)編成」。写真は運行中の頃の物。HB-E300系の新橅編成が2016年に投入された後の去就の情報があまり聞こえてこない中、現在のクルージングトレインの置き換えに使われるという噂もあったようだが、秋田港のクルーズ船受け入れ用臨時列車として使われることが発表されている


キハ48形「リゾートしらかみ くまげら編成」。キハ40系改造のリゾートしらかみとしては最後に投入された車両と言うことで、まだ置き換え計画も発表されていない。4両中の1両は、元青池編成中間車の転用。JR東日本秋田支社のホームページには、運行日ごとの予定編成が掲載されているので、乗りたい方はそれを見て列車を選ぼう。車内は1両だけ半固室のボックスシート、残るはリクライニングシート。運転台後は展望スペース


キハ48形「ビューコースター風っこ」。JR東日本では唯一のトロッコ車両(側面開放型車両)で、小牛田が本来の拠点ですが、東日本管内の幅広い範囲で運用されています。車体側面の開放部ははめ込み式の窓を付けることで雨天の運転や、寒い時期にもある程度対応しているのも特徴。


キハ48形「リゾートうみねこ」。東北新幹線の八戸延伸に備えて登場した「きらきらみちのく」が前身。「きらきらみちのく」時代は、主に八戸〜大湊〜三厩〜八戸などで運行されていたが、東北新幹線新青森延伸で八戸〜青森が青い森鉄道に移管されることから、八戸線の観光列車へ転用されることとなった。そこへ東日本大震災による八戸線の長期不通が発生。八戸線の区間運休中「リゾートうみねこ」は普通列車で運用され、八戸線全線復旧後も一部指定席の普通列車として運用されている。なお、中間車のみ和風ボックスシートで、先頭車はリクライニングシート。運転台後は展望スペース


キハ48形「リゾートみのり」。主に仙台〜鳴子温泉〜新庄を結んでいる列車で、改造はそれまでに登場したキハ40系改造のリゾート列車を踏襲している。特に、見た目からして「きらきらみちのく」をベースにしていることがわかるが、こちらは全車両リクライニングシートになっている。


キハ40・48形「越乃Shu*Kura」。すでに気動車の改造がキハ110系に移行しつつあった2014年に登場した、現状最後のキハ40系改造ジョイフルトレイン。1両は「びゅう」の旅行商品で、1両は一般販売される指定席。中間車はまるごとラウンジになっている。主に上越妙高〜長岡〜十日町または越後湯沢で運用中。


会津鉄道AT-400形「風覧望」。JR東日本のキハ40 511を改造した車両で、日本宝くじ協会寄贈の宝くじ号。「お座トロ」列車の会津若松側先頭車で、先頭部がハイデッカー展望構造になっており、下の方へ階段を降りて前面展望を楽しむこともできる。車内はリクライニングシートだったが、一部お座敷になった模様。




道南いさりび鉄道のキハ40形1700番台。JR北海道から譲渡されたキハ40形1700番台の9両を徐々に塗装変更して使用している。1793と1799が「ながまれ号」となっており、イベント運行時に車内座席にヘッドレスト、テーブルが設置される。


キハ54形500番台
国鉄末期に北海道の急行列車向けとして投入された気動車。酷寒地ということで、2扉デッキ付きの車内。車端部ロングシートながら、中央はリクライニングシート(回転しない固定式)か転換クロスシートになっている。石北本線、根室本線音別以東、釧網本線、宗谷本線、留萌本線で運用されている。



上がキハ54形500番台の一般色。下が根室本線釧路以東の花咲線区間で主に運用されるルパン三世ラッピング車。この他に2017年1月からは「流氷物語号」のラッピング車両が登場している。


キハ141系(厳密には国鉄車ではない)
JR北海道が余剰になった50系客車の車体を流用し、気動車に改造した物がキハ141系。キハ141形、キハ142形、キハ143形、キサハ144形があったが、札沼線(学園都市線)の電化によって多くが運用を終了。一部の車両が室蘭本線のローカル輸送に転用されたほか、4両がJR東日本に譲渡されて「SL銀河」の客車兼気動車となっている。


室蘭本線苫小牧〜室蘭で運用されるキハ143形。711系電車の老朽化置き換えで投入された物。1日1往復は札幌までの運用も残っている。


JR東日本が「SL銀河」の客車および補助動力の気動車として利用すべく、JR北海道から購入した車両。車内外は大幅に改造されているが、窓は一部が埋められたのを除いておおむねそのままになっている。花巻駅への入線時などでは気動車として運転台を利用して入線してくる。勾配のある釜石線で、C58形の負担軽減目的での気動車運転も行っている。


キハ183系
国鉄末期に北海道のキハ82系特急形気動車を置き換えるべく投入された特急形気動車。初期型0番台は着雪防止を目的とした角張った先頭車形状が特徴で、スラントノーズと呼ばれる。後に製造された500・1500番台からはキハ185系のような貫通扉付の構造となり、JR化後も製造が続いた。0番台は最高時速110km/hだったが、500番台以降は改造で120km/hに対応。さらに130km/h対応車も出てきて主に「北斗」へ投入された。2014年以降の特急列車の故障頻発/車両火災を受けて、近年は老朽化置き換えを進行中。また、ジョイフルトレインとしてJR化後に新造された車両も、「ニセコエクスプレス」がすでに引退した。「旭山動物園号」も本来の運用からは撤退しており、最近は「オホーツク」に連結されている模様。


原型先頭車のキハ183系「オホーツク」。2017年のダイヤ改正前は札幌〜網走を全区間「オホーツク」が運行していたが、ダイヤ改正後は4往復中の3往復が旭川折り返しの「大雪」となった。最高速度が低いことで性能が安定しているのか、後に登場した「北斗」用の車両などの方が老朽化が著しいようで先に廃車されている物もある。今年度で0番台は全車引退予定。



キハ183系後期形。500・1500番台として当初登場。何度も改造し続けているため、改造段階ごとに細かな番台区分が発生している。「北斗」には130km/h対応車が基本的に投入されているが、老朽化に伴い徐々にキハ261系1000番台へ置き換えられている。以前は「サロベツ」「とかち」にも運用があったが、現在は「北斗」および「オホーツク」での運用のみ。


キハ183系5100番台「クリスタルエクスプレス トマム & サホロ」。JR化後の製造。前面展望構造を持つのが特徴だが、2010年に発生した789系1000番台の踏切事故を踏まえ、現在は展望スペースの座席を撤去し進入不可とされ、前面展望は全くの無駄状態になっている。主に富良野方面への臨時特急で使用されている。


キハ183系5200番台「ノースレインボーエクスプレス」。JR化後の製造。ハイデッカー、ダブルデッカー構造を持つリゾート気動車で、130km/h運転にも対応している。主に春から秋は富良野方面、冬場は「流氷特急オホーツクの風」として石北本線方面で運用される。また、最高速度の高さを生かし、キハ261系「スーパー宗谷」の代走に用いられていたこともある。


おまけ

事業用車のマヤ34 2008。北海道で唯一の軌道検測車で国鉄型。自走できないので、キハ40形やキハ141系に挟まれて運行している。


こうしてまとめてみると、特にJR東日本で風前の灯火になってきているのがわかりますね。

2017年版
今も残る現役国鉄型電車 東日本編 2017年版
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今も残る現役国鉄形客車
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