みやしたの気まぐれblog

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今も残る現役国鉄一般形・通勤形・急行形気動車 東日本編

2012-11-08 23:06:07 | 鉄道その他
前回の「今も残る現役国鉄形」シリーズの続きとして、今回は一般形・通勤形気動車です。

一般形・通勤形気動車は車種バリエーションこそ少ないのですが、JR各社に共通して残っている車両もまだまだ多いです。とは言っても、キハ58系がほぼ全滅した現在となっては、ほとんどがキハ40系。キハ40形に至っては、JR旅客全車に国鉄から継承されたという唯一の旅客形式でした(JR貨物を含めた時はDE10形ディーゼル機関車が唯一の形式)。それでも細々と生き残っている車両や、まもなく消えていく車両、リゾート気動車に改造された車両などのバリエーションは非常に豊富ですので、2回に分けて紹介しましょう。まずは、東海圏より東側の東日本編です。

実は記事の準備を始めたのが11/1だったんですけど、仕事が忙しすぎて、すっかり掲載が遅くなってしまいました・・・

まずはキハ30形、キハ37形、キハ38形です。
通勤形気動車として製造されたキハ30形は、元々はキハ35系の中の両運転台車。片運転台のキハ35形については、現状で関東鉄道の休車(キハ350形)が残るのみですのです。

キハ30形。国鉄でも数少ない3扉の通勤形気動車。写真の久留里線の車両は、現在3両が国鉄一般色になっているが、12月から隣のキハE130形へ置きかえられる

久留里線色時代のキハ30形と、キハ37形

キハ37形。キハ40系よりも後に製造された車両で、キハ40系の難点であった大きすぎる車体、鈍重な加速性を改善し、一回り小型のローカル線用気動車として仕上がっている。しかしながら、国鉄の赤字により量産化されることは無く、5両のみで終わった。現在は久留里線に3両が残るのみで、12月からキハE130形へ置きかえられる

キハ38形。国鉄末期に製造された通勤形気動車で、八高線に登場した時は白地に赤帯だったが、現在は久留里線色のみ。7両が製造されただけに終わっており、12月からキハE130形へ置きかえられる

関東鉄道キハ100形。元は国鉄キハ30形で、2両中1両が国鉄首都圏色になっている。八高線、相模線を思い出すなじみ深い車両

関東鉄道キハ100形のもう1両は常総筑波鉄道のリバイバル車

現在は休車中で、おそらくこのまま廃車になるキハ350形。残念ながら、本線で動いている姿はもう見られないのではないか

続いてキハ20系。キハ20系は国鉄一般形気動車の中でも非常に多くの車両が作られた物の1つで、国鉄から継承された車両でも、1エンジン車のキハ20形、2エンジン車のキハ52形、寒冷地向けのキハ21形、キハ22形等がありました。比較的最後までJRに残ったのはキハ52形でしたが、JR線からは大糸線の3両を最後に全廃。現在は大糸線の1両を引き継いだ、いすみ鉄道のキハ52 125と、ひたちなか海浜鉄道のキハ205、水島臨海鉄道のキハ200形が残っていますが、水島臨海鉄道の車両は西日本ですのでまた次回。いすみ鉄道の物も、移籍後にまだ撮っていないので、大糸線の写真で失礼します。なお、同型車という括りでは、ひたちなか海浜鉄道には他にもキハ22形(元羽幌炭礦鉄道)1両、キハ2000形(元留萌鉄道)2両、小湊鉄道キハ200形14両があります。

ひたちなか海浜鉄道キハ200形。元国鉄キハ20形で、水島臨海鉄道経由での移籍車両

大糸線時代のキハ52形。写真のキハ52 115は現在津山扇形車庫で保存中。後の国鉄旧塗色(鉄道省色と言うらしい)の車両が、いすみ鉄道へ移籍したキハ52 125

こちらがキハ52 125である。ただし、移籍時に塗装はキハ52 115と同じ国鉄一般色に塗り替えられた

次は残り少ないキハ58系。ほんの10年前はどこに行っても走っていた、急行形気動車の代名詞。末期はほとんどの車両で、車端部をロングシートに改造されて、普通列車として走っているか、急行列車などの優等列車で走っているものは、車内をグレードアップしていたり、観光列車として改造されたりしていました。現在営業運転しているのは、ジョイフルトレインの「kenji」のみですが、いすみ鉄道でキハ28形が営業運転する予定があるので、JR西日本時代の写真(車番が違いますけど)を掲載しておきましょう。

左側の車両がキハ58系「kenji」。主に盛岡近郊で運用されているが、山田線の沿岸部が東日本大震災で走れなくなり、ぐるっとさんりくトレインの運転もできなくなってしまった。右はキハ40・48形お座敷列車「ふるさと」

JR西日本時代のキハ58系キハ28形。急行列車と言ってこの車両を思い浮かべる人も多いのでは

そしてキハ40系です。キハ40系は、両運転台がキハ40形。片運転台でデッキなし両開き扉がキハ47形、デッキ付きの片開き扉がキハ48形です。バリエーションとして急行用に製造されたキハ400形、キハ480形もありますが、基本的なデザインは一緒です。先に述べたとおり、総じて鈍重なところがあり、現在残っている車両はエンジン換装を受けている車両が多いです。ただ、非常に丈夫で、設計上の余裕も多く、ジョイフルトレインや特急列車への改造も受けているなど、近年になってバリエーションが増えたという車両でもあります。

JR北海道のキハ40形700番台。最近は更新工事で1700番台などへの改造も多い。元々はオリジナルの100番台からの改造車

JR北海道のキハ40形1700番台国鉄首都圏色。中央にヘッドマークステーがあるのは根室本線向け車両の特徴。右はJR化後の気動車キハ150形

キハ40形1700番台のバーベキューカー牽引用車。塗装が違うだけで内装は一緒。その後、他の車両と同じ塗装になった模様

キハ40形350番台。キハ160形の短命から投入された日高本線用改造車。車内は変わりないが、エンジン出力が高い330PSの物に換装されている

キハ40形400番台。札沼線の末端区間石狩当別ー新十津川向けにキハ40形700番台より再改造された車両。エンジン出力が450psある特急並みのものにエンジン換装している。扉部分がコーポレートカラーの萌黄色になっているのが特徴。2両のみの存在

キハ40形五能線色。キハ40形ばかり4両も連なっているのも珍しい

キハ40形男鹿線色。キハ48形も含め、男鹿線では5両編成を組むこともあり、朝の通学ラッシュ時の長編成が有名だ。車内もロングシート化されている物が多い

キハ40形盛岡色の赤鬼塗装。エンジン換装を受けた車両で、盛岡色の運転台付近を赤く塗っており、赤鬼と呼ばれるようになった

JR東日本のキハ40形国鉄首都圏色。個人的には、キハ40系と言えばこの色だと思う

キハ40形1000番台烏山線色。エンジン換装済みで、車内もロングシート換装済み。先日、蓄電池電車EV-E301系への置き換えが発表された

国鉄一般色風になったJR東海のキハ40形。エンジン換装済み。なんとも塗装が似合わない。ちなみに最初にこの塗装になったのはJR東日本のキハ40形1000番台

JR東日本のキハ47形新潟色。白地に青色、赤色ラインの塗装は初代新潟色で、以前は電車もこの塗装だった

JR東日本のキハ47形新新潟色。白地に赤色となり、電車の2代目新潟色、3代目新潟色とは異なって派手めになっている

キハ47形JR東海色。キハ47形のJR東海所属車の数は少なく、わずか5両のみ。エンジン換装されており、トイレありの5000番台とトイレ無しの6000番台がある

キハ48形1330番台。急行用改造されていたキハ480形を再改造して一般形に戻した車両。札沼線で活躍していたが、電化後はどうなっているのか不明。他の車両より車体色がグレーがかっているのが特徴

キハ48形の盛岡色。八戸線、大湊線、津軽線で運用されるが、運行区間の都合上青い森鉄道とIGRいわて銀河鉄道にも乗り入れている

JR東日本のキハ48形仙台色。石巻線、気仙沼線、只見線等を走行しているが、震災で一部が廃車になっている

JR東海のキハ48形とキハ40形。いずれもエンジン換装されているが、番台区分が細かい。東海色の車両ばかりだったが、近年国鉄一般色風の車両が増えた

キハ40系はジョイフルトレインが豊富です。丈夫な車体に大型であることから、ジョイフルトレインの改造にはちょうどよいのかも知れません。ただし、オリジナルのままではエンジン出力が連続定格出力220PSと不足しているため、ほとんどの場合300PS以上のエンジンに交換されています。

キハ400形500番台のお座敷列車。急行用に改造されたキハ400形を再改造してお座敷列車にしたもの

キハ40・48形お座敷列車「ふるさと」。以前は「漫遊」という愛称で、キロだったが、現在はキハ扱い。団臨用車両。キハ40系改造車では最も古いジョイフルトレイン

キハ48形「クルージングトレイン」。元はキハ48形「リゾートしらかみ」の青池編成。ブナ編成が出る前は、唯一の「リゾートしらかみ」でもあった

キハ48形「ビューコースター風っこ」。JR東日本で最も活動範囲が広いと思われるジョイフルトレイン。JR東日本で唯一のトロッコ車両で、本来は小牛田所属だが、千葉、長野、群馬、茨城、山形、福島、新潟などそこら中で運転されている

キハ48形「き・ら・き・らみちのく」。現在は塗装変更されて、「リゾートうみねこ」になっている。元々は、2002年の東北新幹線八戸延伸時に、大湊線、津軽線への観光列車として改造されたもの

キハ48形「うみねこ」。外装は塗装変更のみで、内装はリクライニングシートへ換装。2002年の東北新幹線八戸延伸後、八戸線で使用されていたが、「きらきらみちのく」から転じた「リゾートみちのく」登場後は運用不明

キハ48形「リゾートしらかみ」ブナ編成。橅(木へんに無)が常用漢字でなく、表示できないことが多いというブログ泣かせの車両。「リゾートしらかみ」の好評を受け、第二編成として登場した。登場時は3両編成だったが、元青池編成の中間車を組み込んだ4両編成に変更された

キハ48形「リゾートしらかみ」くまげら編成。「リゾートしらかみ」の好評を受け、第三編成として登場した。中間車1両は元青池編成。もう1両は東北新幹線新青森延伸時に合わせて追加改造された

キハ48形「リゾートみのり」。キハ40系改造のJR東日本ジョイフルトレインとしては最後発。車体形状は「き・ら・き・らみちのく」をベースにしている

会津鉄道のAT-400形。元はキハ40形で、キハ40形としては唯一の第三セクター等への譲渡車。展望車に改造されており、「風覧望」の愛称がある


最後にキハ54形です。国鉄末期に経営力に難があるとされた本州外の3社に導入された形式の1つで、キハ54形は0番台が四国、500番台が北海道に投入されました。北海道の500番台は急行用に投入された車両もあり転換クロスシート写が存在します。一般車でもセミクロスシートです。ただし四国用の0番台はロングシートでトイレ無しですが。現在は急行が廃止されており、宗谷本線、根室本線、石北本線、釧網本線で運用されています。

キハ54形500番台。シンプルな赤帯1本。釧路の車両はヘッドマークステーが貫通扉に着いている。これは旭川の車両


他にもバリエーションはあるんですが、塗装パターンはだいたい網羅したかな。とりあえず、こんなところで。

<今も残る現役国鉄形シリーズ>
今も残る現役国鉄形客車
今も残る現役国鉄形機関車(SL除く)
今も残る現役国鉄特急形電車・気動車
今も残る現役国鉄一般形・通勤形・急行形気動車 西日本編
今も残る現役国鉄一般形・通勤形・急行形気動車 東日本編
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4 コメント

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やっぱり (ひたちなか海浜鉄道)
2012-11-11 14:34:01
大切にしなければいけませんね。
少しでも長く使えるように。
(吉田)
返信する
Re:やっぱり (みやした)
2012-11-11 16:42:48
>吉田様
キハ20系の残りもずいぶんと少なくなりました。
維持費がたいへんだとは思いますけど、鉄道ファンとしては大切に残して頂けると嬉しいです。
返信する
国鉄型の気動車 (風旅記)
2013-03-30 02:45:02
こんばんは。
国鉄時代の気動車、見ていると落ち着きますね。
今でもキハ40系はあちこちで見られるように感じますが、エンジンは取り替えられている車両が多いようですし、実は完全なオリジナル車は殆ど残っていないのかもしれませんね。
真新しい車両も快適で魅力がありますが、まだまだ国鉄型にも頑張って走り回って欲しいものです。
今後とも、宜しくお願い致します。
風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/
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Re: 国鉄型の気動車 (みやした)
2013-03-30 23:04:52
こんばんは。
キハ40系も徐々に数を減らしていますが、エンジン換装車はまだ残る場所も多いでしょうね。まず消えるのはJR東海になりそうです。

JR東海、JR西日本はエンジン換装を全般に施しましたけど、JR四国は全く換装していませんし、JR北海道とJR東日本、JR九州はエンジン換装していない車両も残っていますね。九州の場合は出力増強改造もありますが。

国鉄分割民営化からすでに四半世紀を超えてしまったので、ほとんどの国鉄車両が寿命を迎えていますし、延命にも限界があるでしょう。
キハ40系は数が多い上に、改造が容易な構造にあらかじめ設計されていたので、当面は生き残るでしょうけど、国鉄形を体験できるのは、あと10年でほとんど終わるだろうなあというのが、私の予想です。
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