徳永写真美術研究所 運営日誌

本運営日誌は徳永写真美術研究所にておこなわれる活動の記録集です。https://tokunaga-photo.com

■ 写真講座 1日目 写真史レクチャー

2011年04月10日 | 銀塩写真講座


一般的に写真誕生の年とされるのは1839年。
“写真”は比較的新しいメディアに属します。
しかし
写真誕生以前の歴史も重要です。
この日は
紀元前からの史実も含めて
写真史レクチャーをおこないました。



レクチャー用の道具類です。

3種類のカメラオブスクラ

19世紀後半から20世紀初頭に撮影されたポートレイト

その他もろもろ。





ポートレイトからは様々な事柄が読み取れます。
例えば






人物の顔をよく見ると、目が写っていません。
男性の顔には目の位置に2つの点が描かれています。
目のないポートレイトとなった理由は
撮影時間が長いため。
撮影中に何度もまばたきをした結果
目を描写できなかったのです。







ニセフォール・ニエプスによって
初めて画像を定着させる事に成功した画像の
撮影時間は8時間程であったとの事。
写真史上、とても重要な画像ですが
長時間撮影のため
前述の目が写らないレベルではなく
全体がぼんやりとしています。

写真の歴史は
感材研究の歴史と深く関っています。

20世紀に入ってからは
感光性を高めて撮影時間を短縮し
瞬間を捉える事も可能となりました。
現在も引き続き
高感度・高画質の研究が続けられ
いまや
皮膚の肌理までも描写できる時代です。

高度な技術を利用できる環境で
私たちは
何をどのように表現すればよいのでしょうか。

この写真講座では
技術を習得するだけでなく
様々な事を考える場としたいと思います。




記:徳永好恵

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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。
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