徳永写真美術研究所 運営日誌

本運営日誌は徳永写真美術研究所にておこなわれる活動の記録集です。https://tokunaga-photo.com

新しい試みに向けて

2023年12月26日 | TIPA展

2023年が終わろうとする現在
徳永写真美術研究所(TIPA)の
運営者である私の頭の中は
アレやコレや・・・

2008年
研究所を立ち上げた際に思った
目標地点に足を掛けた状態です。

これまでに出会った皆さんと共に
研究熱が沸点に達したと感じた1年前
下のプロジェクトを立ち上げました。



プロジェクトの開催地は
大阪府立江之子島文化芸術創造センター
通称:エノコ(enoco)

大阪の鶴橋に拠点を置く私たちには
ふさわしい場所と考え
エノコの4階、3スペースにて
開催する事にしました。

会期は2024年3月20日~24日

先ほど
プロジェクトページを作りました。



昨年12月にメンバーにお声掛けして
年明け早々に企画書をエノコに提出し
4月に開催決定。



5月に決起集会と称した
ミーティング&懇親BBQ



メンバーの顔合わせを経て・・・



9月には1度目の現地視察・・・



図面で見るより大きなスペースと
感じたメンバーも・・・

各自、展示スペースを確認して
具体的な展示プランを練ること3ケ月



12月の会場視察では
展示のシミュレーションや
細々とした施設確認をしたり・・・

現在は
印刷物の準備を進める段階です。

TIPAは希望に満ちた緊張感のなか
新年を迎えようとしています。

2024年もよろしくお願いいたします。


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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて
表現の研究活動をおこなっています。 

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最近の活動:古典印画技法制作環境の進化

2023年08月28日 | 活動レポート

前回のブログ記事末尾
「未だ地味に進化を続けています。」

続きを記します。

近年のTIPA活動において
古典印画技法の種類を増やしました。



当初は
手軽にできる
サイアノタイププリントのみでしたが
サイアノの親戚的技法
ヴァンダイク・ブラウンプリント
を加え、その後は
ソルティッドペーパープリント
アルビューメンプリント
プラチナプリントと増やしました。

特筆すべき点は、TIPAでは
古典写真技法でなく古典印画技法とし
写真に限らず、光による印画と認識し
幅広く表現活動に携わる皆さんにも
活用いただいています。


今春の地味な進化としては・・・
露光機の刷新です。

蛍光灯からLEDに変えました!



波長が適するLEDの照明器具を
手あたり次第に購入し
照射角度と
基本となる露光時間
そして携帯性を考慮して
ベストな環境を整えました。



その結果
露光時間が半分に短縮!

プライベートレッスンにて定期的に
アルビューメンプリント(鶏卵紙)

取り組む方は作業効率が倍増!

この進化を遂げるのに
3ケ月間を要しましたが
大きな一歩だと感じています。



10月から
プラチナプリント講座が始まるため
昨年に作成したサンプル写真の
マッティングと額入れしました。



写る人物はTIPA代表者です。



現在
2階の講義室壁面に展示中。



10/1スタート
3回完結のプラチナプリント講座
参加受付中です。

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大阪・鶴橋にて
表現の研究活動をおこなっています。 

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TIPA活動15年:研究所開設時を振り返る。since2008

2023年08月16日 | 活動レポート

徳永写真美術研究所(以下、TIPA)です。
久しぶりの更新となりました。

近年
TIPA活動については
SNSにて活動報告するようになり

フェイスブック

インスタグラム

本ブログの位置づけを見失いました。

休眠期間をはさみ
今後は随時の講座報告ではなく
TIPA活動全般にわたる内容を
綴っていこうと思います。

不定期な更新となりますが
時どき覗いていただけると嬉しいです。

更新のご案内は
フェイスブック X(旧ツイッター)にて
お知らせします。

*

・・・という事で
再スタート初回は
TIPA開設時を振り返る内容としました。



TIPAは大阪の鶴橋に位置します。

徳永隆之・好恵の
作品制作場所兼共有アトリエとして
機能する場所を設けようと考え
2007年7月に物件を内覧し
翌月、お盆明けに賃貸契約しました。

実質的には
改装期間を経て2008年秋に活動開始。


上の写真は2007年7月24日に
物件を内覧した時の様子です。
二戸一(ニコイチ)物件の左側。

この物件の現在の様子はコチラ

この数年の間に
鶴橋は外国人旅行者で賑わう街に変貌し
お隣は3年前から民泊となりました。

TIPAは16年を経るなかで
現在では周囲に馴染んで存在しています。

ドアを開けると
急こう配の階段があり
現在はこのような状態です。
玄関から見上げた図


チャームポイントは
階段の色が2色であるところ。

2階から玄関を見下ろした図


現在
2階は講義室としていますが内覧時には
引き戸がある和室感が残る状態でした。


(写る男性は不動産管理会社の人)


物件契約後
セルフリノベーションでの最初の難関は
何重にも貼り重ねられた壁紙剥がし。
壁紙を剥がし終えるのに数か月...。
(涙)


その後
一斗缶のペンキを準備して
天井から床までのペンキ塗り。
順調に作業が進み
日々達成感があった事を記憶しています。


現在の2階・講義室の様子です。
天井と壁は白、床はグレーに塗装。


1階部分は写真暗室として改装。

自分たちで床にPタイルを貼り
壁は18%グレーを意識して塗装しました。


その後
暗室とするための
外光を遮断する壁作りは
大工の友人に依頼しました。


プロの作業がまぶしかったです。


わずか3日で
新たな壁作りと既存壁の撤去が完了。


現在の暗室です。


写真に写っていませんが

フィルムドライヤー
ペーパードライヤー
バライタウォッシャー
ドライマウントプレス機
大型のマットカッター
シルクスクリーンの製版機
銅版画のプレス機
古典印画技法用の露光機

揃えています。
今どき、このようなラインナップを
個人で揃えているところは
他にないであろうと自画自賛。

未だ地味に進化を続けています。


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大阪・鶴橋にて
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諸々が繋がるアートプロジェクト:上町台地と俊徳丸と・・・

2022年10月14日 | 活動レポート

昨日
大阪・上町台地をめぐる現代美術展
<オルタナティブ・ロマン>

会場を巡りました。



上町台地には
あべのハルカスが美しく存在します。
対面には重厚な建築の美術館。

上町台地が今も繁栄を続ける
歴史的文化ゾーンである事が伺えます。



このイベントは名前の通り
「上町台地をめぐる」部分がポイント。

私が通った高校が上町台地にあったので
台地エリアは詳しいはずですが
展示会場は
知っているけれど知らない場所ばかり。

例えば
大阪市立美術館の玄関的存在である
黒田藩の門
子供の頃から何度も通っている門ですが、
門そのものに意識を向けた事がない・・・



実は、この門の中に
私の制作物が1点展示されています。



薄暗く厳かな空間では、
フォトめくり俊徳道」という
フィールドワークを伴う
ワークショップでの制作物が
展示されています。

ワークショップは
9月に四天王寺の本坊で開催されました。



下の写真の3点は
左:ワークショップ主宰者の兼子裕代さん
中央:私
右:TIPAメンバーのYoshikoさん
による制作物です。



このワークショップでは
兼子裕代さんのナビゲートのもと
後藤明生さんが
俊徳丸伝説』を題材に執筆した
しんとく問答』に記される場所を
今回、私たちが撮影して
その写真を再構成しました。



俊徳丸伝説の時代
後藤明生が歩いた時代
私たちが今回歩いた時代

3つの時間軸が交錯する画面となり
仕上がっています。

もう少し私的な解説を加えると・・・



俊徳丸の故郷とされる場所
俊徳丸鏡塚
私の家から徒歩5分の場所にあります。

これまで、自宅の近所に
このような名所がある事を知らず
近鉄・俊徳道駅が
俊徳丸に由来する事も知らず
地元に絡むこれらの事に驚くばかり・・・

加えて、アメリカ在住の旧友と
ワークショップを主宰された兼子さんとは
日常生活において懇意の仲との事。

私にとって
諸々が繋がるアートプロジェクトでした。

会期は10月23日まで。
詳細情報はコチラ

https://uemachiartworks.dcmnt.net/

その他
このプロジェクトでの見どころを・・・

メイン会場となる阪口楼は元料亭であり
建物が素晴らしかったです。
展示作品と共に
建物探訪の楽しみがありました。





最後に・・・
下の写真は大阪市立美術館の
奥にある会場入口です。
会場は
旧住友吉左衛門茶臼山本邸土蔵

人の出入りのない建物のため道がなく
展示会場への通路と分かるように
落ち葉で線引きされているのです!



お立ち寄りの際は
ぜひ
アースワークとして鑑賞ください。

会期中に
強風が吹かない事をお祈りします。

以上。

記:徳永好恵

追記
TIPAは上町台地の中心部から
東に降りたところに位置します。
(台地に乗っていない、ザンネン)

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大阪・鶴橋にて
写真・写真表現・シルクスクリーンetc.
表現の研究活動をおこなっています。 

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TIPA山のアトリエ活動レポート:藍の生葉染

2022年07月29日 | ワークショップ




大阪・鶴橋を拠点として活動する
徳永写真美術研究所ですが
年に数回
主宰者自宅でも活動しています。

今回は毎夏恒例となっている
藍の生葉染会の様子を報告します。



自宅の一角にある藍畑にて
葉を摘むことから始まります。



葉の採集後は葉の洗浄・・・



染液作りの準備が整うと
染める布の仕込みをおこないます。



模様作りに思案中の図。



染める方法はいろいろ・・・
まるごと青一色に染めるのもヨシ



布をたたんでピンではさんで・・・



布に紐を巻いたり・・・



初体験の方
リピーターの方
染織作家の方
様々な方がそれぞれの目的で
藍の生葉染に取り組みました。



織物作家の方の実験結果



綿糸の前処理を変えた実験です。
微妙な色の違いを確認できました。
この糸で織った布を
後日、見せていただくことになっています。
とても楽しみ!



皆さんが取り組まれた翌日
余った藍の葉で私も1枚染めました。



今年、新たに準備した反物の中から
透け感のある正絹の絽を選び・・・



お抹茶を点てるように作った染液に
布の端を浸けるだけ・・・



染液に浸けた直後は緑色(左)
空気を絡ませながら酸化させ
10分後には青色へと変化します。




更に布を広げて酸化を促します。



仕上げの水洗時に
南国の海を想起させた青は・・・



乾燥すると穏やかな発色となりました。

両端を縫ったら
涼やかなストールの完成。
今年の夏の実用品として活躍しそうです。

記:Yoshie

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