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地球人カレッジ 3月

2010年03月30日 | 地球人カレッジ
*と き:3月27日(土)19:00~21:00   
*参加人数:16名(ネット中継での参加者含む)
*ところ:吉野川市山川町 さくら診療所デイケア室
*講演者:山田絵美さん(クラウンエイジェンツジャパン プロジェクトマネージャー)
*テーマ:緊急・復興支援の現場から~いつ?どこまで?どうやって?~

特定非営利活動法人ジェン(JEN)の職員として、スリランカ(津波)、パキスタン(地震)、南スーダン(戦後復興)に駐在され、4年以上にわたり緊急支援の最前線でご活躍されていた山田さんに、緊急~復興支援の流れや活動内容、現地の状況について参加型ワークショップを交え、お話いただきました。


1)現地での活動内容について
『心のケアと自立の支援』をモットーとするジェン。

例えばスリランカでは、生活再建支援の一貫として職業訓練(魚網編み、ココナッツロープ作り、野菜栽培)を実施しましたが、
そこにはカウンセリングの要素(ソーシャルワーカーが作業中に被災者に話しかけることで徐々に心が氷解する、共同作業を通じて仲間が出来る)も含まれていたそうです。

また、南スーダンでは、学校を中心とした衛生教育支援を実施。井戸を掘ったり、トイレを建設したり、衛生教育を行ったりするだけでなく、これらの施設を管理するための施設管理委員会を設立し、委員会のメンバーがこれらの施設をきちんとマネジメントできるようトレーニング(例:手押しポンプの修理の仕方)をするそうです。いつまでも外から来た人間がすべてを行っていては、自立に繋がらないからです。
山田さんは活動の醍醐味はそこにある、とおっしゃっていました。

パキスタンでは、主に教育環境改善支援を実施されました。
支援開始当初は、食糧以外の物品(食糧は国連食糧計画(WFP)が配布するため。)を配布しながら、同時に現地のニーズを把握。その上で他団体が実施していないものを実施するそうで、ある特定の分野のみを支援するわけではないようです。「食糧以外の物品(Non-food item)」としては例えば、キッチン用品を配るんだとか。配布された食糧を加工することができるため、喜ばれるそうです。

教育環境改善支援の内容としては、教育用テントの配布、学校再建、簡易トイレの設置、衛生教育などがあるそうですが、
興味深かったのは、教員向けの防災教育が含まれていたこと。
パキスタンでは、地震の原因はアッラーの怒りだと(教科書にも書いてある!)信じられているそうで、地震が起きたのは自分たちが悪いことをしたからだと、特に子供は恐怖心を持ち、萎縮してしまうそうです。また、アッラーの怒りなので、自分たちにできることは何もないと思っているよう。
そこで、地震の発生するメカニズムを伝え、地域消防団を結成し、地震対策についてのトレーニングを行ったりしたそうです。


2)緊急・復興支援についてのワークショップ
まずはウォーミングアップ。
「初めての国へ海外旅行。あなたはまず何をしますか?」との問いに、会場からは、「ガイドブックを買う」「行き先、期間を決める」「ビザを手配する」等々の答えが。
それらをカテゴリー分けすると、「情報収集」「計画(←資金)」「ロジスティック」ということになりました。
そしてこれは、緊急支援についての考え方とあまり変わらないそうです。

それを踏まえた上で、地震が発生した際にどうするのか、を考えていきました。


(1)まず出動するのかしないのか?を、下記の3点を以て判断します。
①情報収集(現地の情報など)
②団体の実施能力(人、お金、経験など)
③他団体の援助状況

メディアの対応(=人々の関心の強さ)がよければ、それは資金力になるので、プラスに働きます。また被災国政府が支援を求めているかどうか、も重要なポイントです。すでに多くの団体が支援に乗り出していれば、支援しない場合もあり得ます。

(2)出動を決めたら、日本国内の本部と派遣チームに分かれ、それぞれで活動するためにどんな情報を集める必要があるのかを考えます。
①まずはステークホルダー(関係者)を挙げてみよう。
②活動するためにはどんな情報が必要だろう。

緊急支援、というとつい派遣チームにばかり目がいってしまうのですが、活動を始めるにあたっては、日本からの根回しが非常に重要だそうです。また、他のNGOやローカルNGOとの横の連携、調整も大事になってくるとか。緊急支援の基本原則は綿密な情報収集とステークホルダーの調整に尽きるそうです。

(3)では、いつ、どこまで実施するのか?
緊急支援といえども、やりすぎてはいけない、自分たちが去ったあと現地の人たちは自立して生きて行けるのか、を考えて活動しなければならない、と山田さんは言います。
一方で、災害が発生の発生から時間が経つにつれ、徐々に人々の関心が薄れてしまい、資金が集まりにくくなると、現地にニーズはあるのに撤退を考えなければならなくなることもあるそうです。また現地の治安状況や、受入国政府の方針に影響を受けることも。人材不足も大きな課題です。

3)わたしたちにできること
知る、行動する、継続する、忘れない、伝える

知る、行動する、伝える、というのはよく言われることですが、忘れない、継続するというのもまさにその通りだと思いました。そしてそれがとても難しいということも。

★講演を視聴する(動画)

文責:事務局(瀬戸口)

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
想い、続ける (ひご)
2010-04-02 21:25:58
忘れない、継続すること・・・緊急・復興支援に携わっていた山田さんだからこそ、強く伝えたいことなのかもしれませんね。
何か素敵なことがあってとてもハッピーな気持ちになる時、「ザンビア(で見てきたこと、感じたこと)を忘れないぞ」と改めて思う、今日この頃です。

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