投資会社ブラックストーン・グループの欧州事業用不動産部門ロジコールの取得に向けた競争で、最有力候補は中国投資(CIC)だと事情に詳しい関係者1人が明らかにした。約120億ユーロ(約1兆5000億円)規模の買収となる。
協議が非公開であることを理由に関係者が匿名で語ったところでは、シンガポールの政府系投資ファンドであるテマセク・ホールディングスやテマセク傘下のメープルツリー・インベストメンツも依然として入札プロセスに参加しているという。このニュースは不動産雑誌エステーツ・ガゼットが29日、先に報じていた。
ブラックストーンは2012年にロジコールを創業。欧州物流施設への投資家や借り手の需要の高まりを背景に、同部門の売却を目指している。インターネット通販の伸びが借り手の需要を押し上げる中、政府系ファンドや年金基金にとって物流関連不動産の魅力は増している。
中国投資は2007年9月29日に公式に運用を開始し、外貨準備2000億ドルを運用する[1][2]。中国では1.4兆ドルの外貨準備を抱えており[3]、中国政府は運用先を探す必要があった。そこで、シンガポールのテマセク・ホールディングスを手本に中国投資有限責任公司が設立された。また子会社に中央匯金投資公司を抱えており、そこを通して中央政府派下のすべての国内中央政府系銀行への投資、回収、ガバナンスも担当している[4]。設立には当時の国務院総理で走出去を掲げていた温家宝の後押しがあったとされる[5]。
2007年6月、30億ドルでブラックストーン・グループの株式約9.37%を取得した[6]。2007年12月には50億ドルでモルガンスタンレーの株式約9.9%を取得している[7]。2010年2月時点での資産運用規模は3000億ドルに膨らんだとみられている[8]。
2012年、中国投資系のファンドとされるOD05オムニバスがトヨタ自動車をはじめとする日本の大企業174~238社の株主となったと各メディアが報じた[9][10][11]。2014年に同ファンドは株主に名を連ねなくなるもBONYT JAなど複数の名義による分散などが推測されている[