*現在、時価総額9900億円、アジア医療産業市場100兆円のシェア15%?を目指す
三井物産は、2008年にコンシューマーサービス事業本部メディカル・ヘルスケア事業部を新設し、これまで複数の部署で取り組んできた医療・健康関連のビジネスを集約しました。「医薬バリューチェーン」と「ヘルスケアサービスネットワーク」の2分野を事業の柱とし、三井物産ならではの総合力を発揮し、製薬企業や医療機関による良質で効率的な医療・医薬品の提供を支援するサービス、安心・安全なヘルスケアサービスの提供を中心に、日本国内、また、アジアをはじめとする新興諸国において、事業を展開しています。
製造支援(CMO)分野における取り組みとして、2011年7月、メルシャンの医薬・化学品事業子会社を取得し、社名を日本マイクロバイオファーマ(以下:MBJ)に変更しました。医薬品(原薬・中間体)の製造・受託製造・販売、中国での医薬品製造・販売(深圳萬楽薬業有限公司/MBJ出資比率34.2%)を事業の柱とする同社を三井物産の医薬品CMO事業の中核会社と位置付け、MBJの製造技術・ノウハウ・開発力を活用することで三井物産の医薬品CMO事業基盤を強化すると同時に、三井物産の持つグローバルネットワークを利用したMBJ主力製品(制癌剤)の販売、深圳萬楽薬業有限公司への新たな医薬品導入や競争力ある原材料供給を通じて、MBJの企業価値向上を図り、三井物産の医薬品CMO事業の拡大につなげる方針です。
2013年1月には、医薬品中間体・原薬製造受託事業を手掛けるインドのアーチ・ファーマラボズ社(以下:アーチ社)の株式27.29%を追加取得し、既保有持分と合わせ31.96%にしました。アーチ社は、インド国内に複数の製造拠点と開発拠点を保有する有力な医薬品中間体・原薬製造受託メーカーで、欧米の大手先発製薬企業向けCMO事業や新興国向け後発(ジェネリック)原薬の製造・販売を行っており、堅調な事業拡大を続けています。今後、MBJとの技術融合による製造技術の深化・拡充を図るなど、アーチ社との連携を一層強化し、三井物産のCMO事業基盤のさらなる強化を目指します。
病院、ヘルスケア事業
三井物産がアジア最大の病院グループに900億円出資
三井物産はマレーシアの政府系投資会社が保有するアジア最大の病院グループの経営に参画する。約900億円で医療関連の持ち株会社の株式の約3割を取得する。
経営に参画するのはマレーシアの政府系投資会社カザナ・ナショナルが全額出資する医療関連の持ち株会社、インテグレーテッド・ヘルスケア・ホールディングス ( IHH )。三井物産の飯島彰己社長がカザナの会長を務めるマレーシアのナジブ首相と2011年4月7日に同国で会談し、IHHの株式取得で合意する予定だ。
カザナはIHHを通じて2010年8月、アジア最大の病院グループであるシンガポールのパークウェイ・ホールディングス ( PH ) を約2000億円で買収。アジア有数の総合病院であるシンガポールのマウント・エリザベス病院など、PHが中国、インドなどアジア5カ国で展開する16の病院や医療施設を傘下に収めた。
IHHはこのほか、マレーシアの病院グループ大手や医療大学を傘下に持つ。インドの病院・医療大手アポロにも約12%出資。総合病院の運営から新薬開発、医療研究、教育まで手掛ける巨大医療グループとなった。
三井物産はアジアで新薬開発の治験支援や医薬原料の供給事業を展開。グループ会社を通じ給食事業なども手掛けている。IHHに非常勤役員や人員を派遣、新たな医療ビジネスを提案する。
2011年5月に、マレーシアの国策投資会社であるカザナ・ナショナル社が保有するアジア最大の病院持株会社のIHHヘルスケア社(以下:IHH社)の株式のうち30%(2013年1月末現在の出資比率は20.5%)を取得しました。出資額は、約、900億円、
その後、2012年1月にIHH社はトルコ最大規模の民間病院グループであるアジバデム社を買収したほか、同年7月にはシンガポールで33年ぶりとなる333床の新病院を開院するなど、積極的に病院プラットフォームの拡充に努めています。
IHH社は、その傘下にシンガポールの民間病院病床数で50%のシェアを誇るシンガポール最大手およびマレーシア第2位の病院グループのパークウェイ・パンタイ社、さらに、2012年1月に買収したトルコ最大規模の民間病院グループであるアジバデム社を抱えており、グループ全体で約30病院、4,900床超を運営しています。また、インド第2位の病院グループのアポロ病院への出資も行っています。2012年7月には、さらなる成長に向け、マレーシアおよびシンガポール証券取引所に上場し、今後5年間で新たに3,300床増加する計画です。現在の時価総額は、9900億円、三井物産の出資比率は、株式に夜トルコの病院の買収などで20%超に低下はしたが、評価額は、2000億円超である、
三井物産出資のカザナ子会社、トルコの病院買収
三井物産は26日、マレーシアの政府投資会社カザナ・ナショナル傘下のヘルスケア部門持ち株会社で、同社が出資するインテグレーテッド・ヘルスケア・ホールディングス(IHH)が、トルコの民間病院グループ、アジバデムの株式60%を取得すると発表した。
*買収価格は約、500億円
三井物産は、子会社のエムビーケー・ヘルスケア・パートナーズを通じてIHHに30%を出資している。IHHは現金のほか、新株発行によりアジバデムを買収するため、エムビーケーのIHHへの出資比率は26.6%に減少する見通し。
IHHはアジバデムの株式を、アラブ首長国連邦(UAE)の民間投資会社、アブラージ・キャピタルおよび創業者一族のアイドゥンラー家から買収する。アジバデムの残りの株式40%は、アイドゥンラー家が25%、カザナ・ナショナルが15%をそれぞれ所有することになる。
三井物産はこれまで、エムビーケーを通じて医療需要の拡大が見込まれるアジアでの病院ネットワーク事業や病院周辺サービス事業の拡大を進めてきた。IHHのアジバデム買収により、今後は人口増加や高齢化などにより医療需要が拡大する見通しのトルコにおける事業基盤確立を目指す。
アジバデムはトルコ国内で病院14カ所および診療所8カ所を運営する、同国最大の民間病院グループ。今後は病院給食や病院の設計・デザインなどの事業も展開していく計画という。