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朝鮮半島の前方後円墳 最新情報

2015年01月11日 | 韓国の遺跡・古墳など
2015年1月8日付けの産経新聞の記事 「朝鮮半島に前方後円墳12基 奈良・橿考研博の学芸員が報告 」を読んだ。
日本と韓国が一つの目標(解決)に向かって話し合うことは非常に大事だが、だいぶ遅かったという感じもする。
産経新聞に書かれた古墳は新徳1号墳(咸平郡)、月桂洞1号墳(光州広域市)、長鼓峯(山)古墳(海南郡)の3つだけで、他の9つについてはわからない。坂靖さんが発表された資料を是非拝見したいものである。

このブログで既にリストアップした前方後円墳および新たに発表された前方後円墳を下記のように整理してみた。16古墳ある。

過去の関連ニュース・情報 
2008.11.22 韓国の前方後円墳 海南龍頭里古墳を発掘調査 6世紀中頃築造
2008年11月21日、朝鮮日報(インターネット版)の記事に、今回の海南・龍頭里古墳の記事が出ていた。
 タイトルは、「海南・龍頭里古墳」 任那日本府 亡霊から抜け出した前方後円墳 13ヶ所中7ヶ所発掘「倭色濃厚だが任那日本府説反証」 である。
 現在まで把握された韓半島の前方後円墳13基中7基が姿を表した・・・と始まり、前方後円墳の性格を簡単に触れた上で、韓国で確実に把握された古墳13基を下記のように整理している。 ◎は調査が行われた古墳 ( )内は調査した機関
 全北高敞郡七岩里古墳
 全南霊光郡月山里月桂古墳.
 潭陽郡古城里古墳(月城山古墳)および声月里古墳(月田古墳)
 咸平長年里長鼓山古墳
 咸平馬山里(杓山)古墳群第1号墳
 ◎咸平礼徳里新徳古墳 (国立光州博物館)
 ◎光州明花洞古墳 (国立光州博物館)
 ◎光州月桂洞1および2号墳 (全南大博物館)
 ◎霊岩郡チャラボン(자라봉)古墳 (韓国精神文化研究院)
 ◎海南方山里長鼓山(峯)古墳 (国立光州博物館)
 ◎海南龍頭里古墳 (国立光州博物館)

2013.2.20 康津・永波里古墳 韓国で14番目の前方後円墳が見つかる
古墳の規模は残存全長が67mで、円形部直径38m、円形部高さ7mである。 6世紀初めに築造か。

2013.10.8 韓国・全南羅州佳興里新興古墳 5世紀半ばの前方後円墳を確認
5世紀半ばの前方後円墳(墳丘長 30m)としている。

④ 大韓民国全南大学人類学科講師 崔榮柱氏の「韓半島の栄山江流域における古墳展開と前方後円形古墳の出現過程」(立命館文學 632, 163-152, 2013-07立命館大学)には、①の13基の古墳以外に光州堯基洞古墳?(全長50m)(注1)が加えられている。
崔氏は、韓国にある前方後円墳を「前方後円形古墳」と呼んでいる。その理由は、前方後円墳がヤマト政権を頂点とした政治体系で、ヤマト政権と地方首長の政治的な支配・従属関係を示したと考えられるのに対して、朝鮮半島の前方後円墳が直ちに日本古墳時代の体制内に編入されることを意味しかねないため、それを配慮して「前方後円形古墳」と呼ぶことにしているとしている。
(注1)光州堯基洞古墳をハングルで表した言葉を探しているが、광주 산정동 지실 고분군が見当たるのみである。日本語訳にすると「光州堯基洞造山古墳」?となる。


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