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慶州・昌林寺 三層石塔無垢淨塔願記の実物(金銅板)を発見

2012年02月29日 | 韓国の遺跡・古墳など
 大韓仏教曹渓宗傘下・仏教文化財研究所は28日、新羅第46代文聖王(在位839-857)が文聖王17年(唐・大中9乙亥年、855)(注1)に慶州南山・昌林寺に三層石塔を建て、その造成経緯を書いて奉安した金銅板形状の発願文『国王慶膺造無垢浄塔願記』を龍珠寺孝行博物館(京畿華城市松山洞)で発見したと発表した。
 この発願記は、1968年に京畿 華城龍珠寺末寺の霊源寺(利川市)大雄殿を解体した時に基壇から発見され、その後ずっと霊源寺に秘蔵され、昨年龍珠寺孝行博物館に寄託されたものである。
 「慶膺(キョンウン)」は文聖王の諱(いみな)であり無垢浄は統一新羅時代に塔を建てる根拠になった仏教経典の無垢浄光大陀羅尼経(751) (注2)を意味する。 縦22.4cm×横38.2cm、厚さ0.8mmの純銅に鍍金をした判型であり、裏表面に塔を建設することになった背景と起源内容、造塔に関与した人物らを記録した。
 この発願記は、1824年昌林寺三層石塔から無垢浄光大陀羅尼経と共に発見された。 当時金石学の大家・秋史・金正喜(1786-1856)がその字をそのまま模写しておいたことでその実物とわかった。
[参考:聨合ニュース]

(注1) 聨合ニュースでは大中3年としていたが、文聖王17年(855)は唐・大中9年であり、実際にこの発願記を作成した年号は「唐大中九年歲在乙亥」と記している。
(注2) 日本では、聖武天皇の発願により宝亀元年(770)に完成した百万塔の小塔中に納められ、世界でも最も古い印刷物のひとつとしてよく知られる。
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