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佐賀市・三重津海軍所跡 階段状の木組護岸を確認

2010年06月05日 | Weblog
 世界遺産登録を目指す幕末佐賀藩の海軍基地「三重津海軍所」跡(佐賀市川副・諸富町)の全容解明を進める佐賀市教委は、本年度初回となる発掘調査で船のドック遺構の木組(きぐみ)護岸を確認した。
 調査は佐野記念公園(川副町)で段階的に進めており、今回は5月下旬から実施。幅5・6m、奥行き4m、高さ2mの範囲で新たに木製護岸跡を確認した。護岸は、階段状に3段の構造になっており、縦横に丸太材(杭)や木板を複雑に組み合わせた造りで、砂と粘土を交互に積み重ねた造成土が盛られた。前年度調査で確認したドック遺構と併せて検証すると、海軍所のドック幅は30m前後になり、3段の下に、さらに3段ほどが地中に埋まっているとみている。海軍所でボイラーを取り付けた記録が残る軍艦「電流丸」(全長約50m)などの艦船を修理できる大規模な修船施設であった可能性が高まったとしている。
 調査現場からは多彩な遺物が出土した。「海」「役」の文字やチョウが波間を舞う「灘越蝶文(なだごしちょうもん)」と呼ばれる文様が入った磁器は、1850~60年に海軍所の備品として特注されたと考えられる三重津海軍所だけで使用された特注品(嬉野地方で生産)。過去の調査では、ドックと離れた地点で同規格の磁器が見つかっている。木製の下駄も出土した。また、蒸気船の燃料に使われた可能性のある石炭や、船の部品加工で排出されたとみられる鉄滓も見つかった。
 市教委は6日午前9時半、同10時半、同11時半の計3回、今回発掘調査についての現地の一般公開と説明会を行う。(2010.6.6 3回の見学会には140人が訪れた。)
[参考:佐賀新聞、西日本新聞、読売新聞、朝日新聞、毎日新聞]

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