カゲロウの、ショクジ風景。

この店、で、料理、ガ、食べてみたいナ!
と、その程度、に、思っていただければ・・・。

バラッカ・デル・ソーレ

2012年11月02日 | 兵庫
「佇む、キッチュ。」

芦屋の埋立地、その突端にあるこの店は、眺望が良いという程でもないけれど、それでも海は程近く、まだ周囲に住宅が密集しているというわけでもない。

少々寂しいくらいの静けさ漂うこの場所に、ちょっと滑稽なくらいにキッチュなその建物がぽつねんとあると、それは正直かなりの違和感を感じさせる風景であり、周りにひと気は全くなく、もしかするとその店内もそうなのかも知れないと思いつつそろりと扉を開けてみると、果たしてその予想は完全に裏切られ、其処には満場の人がざわざわと犇き、むんむんと賑わっている。

人気があり過ぎて客数が店のキャパシティを超えている、そう感じさせられるのはちょっと戴けないのではあるけれど、戴いた料理の出来は予想を上回る美味しさで、其処に人気の上に胡坐をかいたようなぞんざいさ、軽薄さはおよそ窺えない。

ピザは勿論のこと、その他の料理に関してもボリューム充分な上に、その風味に一手間、そして一ひねりを感じさせられる奥行きがあり、食後のオリジナル・ティーのブレンドさえ手抜きのない出色の出来である。

この目立つ建物にこの料理、人気が出ない方がおかしいのではあるけれど、惜しむらくはこの過剰なまでのざわめきと犇きで、出来ることなら席を減らし、従業員を減らし、経営的なバランスをとった上で出資した銀行を黙らせ、一時の人当たりに対する勇気と料理に関する自信を以って、騒がしい小学生年齢以下の入店を断って行く、そうすれば、日々の営業形態にも余裕が出て、さらにこの店の値打ちは上がり、本当の意味でその存在を真っ当に評価されることにつながって行くのではないだろうか。

wiki→キッチュ (Kitsch) とは、「けばけばしさ」「古臭さ」「安っぽさ」を積極的に利用し評価する美意識である。

バラッカ・デル・ソーレイタリアン / 芦屋駅(阪神)打出駅深江駅
昼総合点★★★★ 4.0