カゲロウの、ショクジ風景。

この店、で、料理、ガ、食べてみたいナ!
と、その程度、に、思っていただければ・・・。

龍旗信 京都店

2012年09月19日 | 京都
「まだ終わらない、夏。」

その頂に結構な蟹身が鎮座していようといまいと、迂闊にも、注文したサイズが少々小振りであろうと、そんなことには左右されず、この冷麺は評価してもいい、そのくらいに旨い、その塩冷麺であった。

おおよそ韓国冷麺の麺に匹敵するその食感、不味い喩えで何であるが、かなりの細麺ながら噛み応えのあるその麺は、まるで輪ゴムのような強靭さとしなやかさを併せ持つ、ちょっと他のラーメン屋ではお眼にかかることのない、そんな類の食べ物である。

そして時によって、そんな類の特殊な麺だけを、ちょっと気軽に是非いま食べたいと願ったところで、おおよそのところは焼肉屋に駆け込む以外、これまでその方法というのはなかったわけであるけれども、かといって焼肉屋に行って冷麺だけを注文できる程に厚顔な人物像というのも、世の中ちょっと考え難く、実は今時は、神戸にまで行けば韓国冷麺の専門店などという奇特な店舗もなくはないのであるが、それはそれとして、期間限定であるにせよ、この龍旗信の塩冷麺というのは、かなり貴重な存在である。

話は変わって、同じく塩ラーメンの人気店、塩元帥が、同様に京都に支店を展開して直、早速にと訪れてはみたものの、あまりに世間の流行に阿った、味も見た目もどんより濁った風情の、塩ラーメンとは認め難い塩ラーメンを食して以来、この龍旗信も同じ程度のポリシーでしかないのだろうと、行くまでもなく見限っていたのだが、澄んだイメージを見事に表出したこちらの店のスープというのは、予てから心中に描く塩ラーメンまさにそのもので、料理というものに限らず何であったとしても、やはり実際に自分の眼で、舌で、確かめてみるということをしなければ、その実態というのは身を以ってはわからないものなのだという現実を、いつものことながら噛み締めるばかりである。

同じく夏の風物詩とも言い得る麺、気に入っていた風来房の青龍は、8月いっぱいで終了してしまったのではあるけれど、この塩冷麺が終了してしまうにはもう少し間があるということで、苦しかった酷暑もいよいよ終盤と悟り、少し心持ちに余裕が出てきたのであろうか、少々夏の終わりが名残惜しいような、そんな気にさえさせられる、実際これはとても秀逸な冷麺であった。

もしまだという方には、是非ともお勧めしたい、まだ間に合う、そんな一品である。

龍旗信 京都店ラーメン / 河原町駅京都市役所前駅烏丸駅
夜総合点★★★★ 4.0