カゲロウの、ショクジ風景。

この店、で、料理、ガ、食べてみたいナ!
と、その程度、に、思っていただければ・・・。

茶寮 ぎょくえん

2011年08月26日 | 京都
「語り継がれる、幻。」

冷たさ故の、微かな頭痛、それすらも伴わず、
嘘の様にしゃくしゃくと口中で消えて行くそのかき氷は、
意識してみれば、外観からして他の御店のものとは、
少し違う。

意図してそのような形状なのか、
成り行き上の形成なのか、
鉋で削った木屑の様に、
もしくは、鰹の削り節のように、
美化してみれば、はらはらと散る花弁のように、
薄く小さな氷のカーテンは、
ほんの暫くの間だけ、この世に姿を現し、
見る間に融けて、液体と化し、
形もなく、器の下部に、底溜まる。

消えて無くならない、その内に、
その姿を慈しみ、その甘味を、
味わい尽くさなければならない、
だが人は、おおよそ、それに、
間に合わない。

そして、それは勿論、
氷の冷たさに限った話、
それだけではなく、
年内閉店間際の、この御店の存在も、
この京都、木屋町、
先斗町の在り様も、
この、うだる暑さも、
人間の若さも、
今ある平安も、
そして勿論、今ある苦悩も、

在るもの全ては、遠からず、
自分の手の内から消えて行く、
それが必然で、
だが、だからこそ、
そこから得られる全てのものは、
何事にも代え難く、
かけがえがない。

茶寮 ぎょくえん 甘味処 / 三条駅三条京阪駅京都市役所前駅
夜総合点★★★★ 4.0