カゲロウの、ショクジ風景。

この店、で、料理、ガ、食べてみたいナ!
と、その程度、に、思っていただければ・・・。

イル・ピアーノ

2011年04月17日 | 京都
「・・・容赦なし。」

この店の事を、自分がどう思っているのか、
カゲロウには、よくわからない。
だから、わからないそのままに、とりあえず、筆を進めてみる。

客の心を惹きつける要素を、複数併せ持った店である事、
それは先ず、間違いない。
ある面、ひどく極端に、客に媚びているようにも思えるのだけれど、
ある面では、かなり真っ当に、料理店としてのあるべき姿を体現しているとも言える。

パスタに使われるチーズ、リゾットの風味、それらは非常に独特で、
かなりクセのある味付けなのだが、その手の料理が好みの者にとっては、
ガツンとした無視できないインパクトを持つ事、請け合いで、
当然の事、ファミリー・レストラン的な万人受けを狙う、
悪い意味での八方美人的料理とは、一線を画している。

だが、それにもかかわらず、ランチのセットは、格安の800円である。

ある種の美意識を、きっちりと体現した前菜の盛り付け、
そして見たままに、期待を裏切らない、新鮮で豊富な野菜。
メインは、パスタ、もしくはリゾットで、
前述の通り、大いにインパクトのある、ひと口目なのであるが、
それと引き換えに、後半、当初からのその濃い味付けが、
かなり味覚に響いてくる、そんな思いが募ってくる事は、否めない。

そしてそこが、つまり、印象的な初対面を演出し過ぎていて、
存在として軽薄なように、思えなくもない一因ではある。

パン系統、フォカッチャは2種類付いていて、
片方に、そこそこのオリーブ・オイルが滴らせてあり、
そのどちらもが、無難な食感ではある。
悪くはない・・・悪くはないのであるが、
だがそれならば、抜群に美味しいパンを、ひと種類だけ提供する、
その方が、どこか誠実さ漂うような、そんな気もする。

給仕も非常に的確で、
サーブのタイミングは2階席であっても抜群、
カメラでも付いているのかと思う程。
京都風、町屋造りの店舗は、
しかし、昔ながらの使い回しではなく、新築であるようだ。
清潔で明るい板の間が、眼に眩しいくらいである。
ランチの営業時間も比較的長く、
1400までに入店すれば、よいとの旨。

既存の、それなりである周りの飲食店にとって、
この店の存在、その在り方、これは実際、脅威である。
何もかもが、良いとされるものの、更なる良いとこ取りで、
非の打ちようがないのが、非の打ち処、
そんな気が、しないでもない。

世の中、出来が良過ぎて疎まれる、そんな事もある、
それが例えば、商売敵でもない、いち一般客にすら、
そう思わせる何かが、この店の在り方にはある。

やはりカゲロウには、このお店の正体が掴めない。
それに関し、得心するまでは、何度か訪れてみるしかない・・・。
それを口実に、行かない理由がない、
そこがまた、不可解である。