カゲロウの、ショクジ風景。

この店、で、料理、ガ、食べてみたいナ!
と、その程度、に、思っていただければ・・・。

スマート珈琲店

2011年03月21日 | 京都
「命の次に、大事なもの。」

フレンチ・トースト、かなりの肉厚です、
勿論、お肉で出来ている訳ではありませんが。
中しっとり、外はこんがりと焼き上がり、
たっぷりの甘いシロップをかけて、戴きます。
思いの外、牛乳の風味が効いてますね、
じんわり、じゅわっと、美味しいです。
ホット・ケーキが大評判のこちらの喫茶、
なかなかどうして、フレンチ・トーストも負けてはいません。
スマート珈琲にとって、前者が主役とすれば、後者は脇役、
そういう事なのであれば、主役を喰ってしまいかねない脇役、
それがこのフレンチ・トーストではないでしょうか。

その日、偶然居合わせた、挙動不審なひとりの紳士、
背後の席に居られたので、詳しい所作はわかりませんが、
向かいの席の妻や、隣の席の女の子たちは、
クスクスと笑いつつ、見て見ぬフリをしています。
度々、立ち上がっては厨房に出入し、同行者と冗談を交わしながら、
最後は御勘定を素通り。
しかし再び店内に戻り、「命の次に大事なモン、忘れとった」と、
テーブルに残されていたタバコを手に、いそいそと退出、
満場、客も店員も、含み笑いで、いっぱいです。
察するに、あれは、此処スマート珈琲のオーナーさんなのではないでしょうか。
世が禁煙ブームの最なか、この調子なら、
少なくとも彼の眼の黒いうちは、
こちら、一本筋の通った喫茶店として、
マイノリティである喫煙者の為の、
暫しの憩いの場であり続けることでしょう。

普段、命の次に大事にしているのが、本当にタバコかどうか、
そこのところは、実際、定かではありませんが、
彼のそんなセリフを、昨今の大惨事で思い出し、
実はそんな事も、常に自分に問うておくべきなのかもしれないと、
少々以前の記憶の中での出来事が、
笑い話ながらも、今になって身に沁みた、
そんなような気がした次第です。