ザ☆シュビドゥヴァーズの日記

中都会の片隅で活動する8~10人組コーラスグループ、ザ☆シュビドゥヴァーズの日常。
あと告知とか色々。

犯罪が起きたとき

2016-09-22 23:44:54 | ヨン様
こんばんは、ヨン様です。


最近はソーシャルメディアの発達により、世の出来事に対してさまざまな人の意見を見聞きすることができるようになりました。
その中でも犯罪に対する人々の声というのは、センシティヴな問題をはらんでいるように思われます。

で、私が個人的に気になっているのは、「加害者を非難する立場」に立つのか、「被害者を非難する立場」に立つのか、という問題です。
たとえば、夜道を一人で歩いていた人が不幸にも傷害事件に遭ってしまったとしましょう。
そんなとき、決まって世間では、「そんな時間に人気のない暗い道を一人で歩いているのが悪い」みたいな意見が出てきて、それに対して「心身ともに傷ついている被害者を批判するなんて許されない!絶対的に悪いのは加害者であって、非難すべきなのは被害者だ!」という反駁が飛び交うのがお約束のようになっています。
最近はコンプライアンスとか倫理の問題なのか知りませんが、後者の意見のほうが主流となっているのかもしれませんが。

私自身は、被害者次第では公然と事件に言及されるのはつらいケースもあるかと思いますので、個別の事件について公共の場で規範を押し付けるような立ち入った言動はしないほうがいいのではないかと考えておりますが、「加害者を非難する立場」にも「被害者を非難する立場」にも、一応の理屈があるのではないかと思います。
例えば傷害事件のような、加害者と被害者の力関係に差があるような場合には世論が被害者の味方に立つことが多いようですが、不注意の置き引き被害くらいだったらどうでしょうか。
「絶対的に悪いのは加害者であって、非難すべきなのは被害者だ!」というような主張も、多少、和らいで、「貴重品をちゃんと携帯しておかないのが悪い」みたいな「被害者を非難する立場」が出てきても、少しありえるような気がしてきます。

この違いからなにが言いたいのかというと、「加害者を非難する立場」と「被害者を非難する立場」は、やや世界の見方がことなっているのではないか、ということです。
「加害者を非難する立場」は、いってしまえば性善説に立っています。
この世に悪人がいてはならない、いるとすればそいつが罰せられるべき、という発想です。
一方「被害者を非難する立場」は、いわば性悪説に立っています。
こちらの場合は、世界のどこかに必ず悪いことを考える奴はいるので、自分の身は自分で守らなければならない、という発想をします。
そして、先ほどの「傷害事件」と「置き引き」の例で差が感じられるとすれば、「傷害事件」のほうは「そんなことをするやつが普通いるはずがないし、その存在自体があってはならないことである」と性善説的に考える人、あるいはそれに近い考えを持っている人が相対的に多いのに対し、「置き引き」のほうは「そういうことを考える奴がいなくもないし、そういうやつが実際にいても仕方がない」と性悪説的に考える人が相対的に多いからではないかと推測できます。
つまり、どのような事件についても、そういった事件を起こすような輩の存在が社会的に前提となって認識されている場合には、「被害者を非難する立場」になりうるし、逆に社会的に前提となって認識されていなければ「加害者を非難する立場」に転じうるのではないでしょうか。

このように考えると、それぞれの立場にもそれなりの理屈があるように思われます。
「加害者を非難する立場」は、社会規範や理想とされる倫理観の目線を我々に教えてくれます。
しかし、実際に何か悪いことを考える人間がいるのは事実なので、それだけでは自分たちの身を守ることはできません。
それに対し「被害者を非難する立場」は、これから被害に遭うかもしれない人たちに対し、どうすれば被害に遭う可能性が低くなるのかを教えてくれます。
実際に、「夜道は一人で歩かない」という呼びかけを見かけることもあります。
ただし、このメッセージは、実際に被害に遭った人にとっては非常にデリケートな問題ともなったりします。
要はその発想自体が間違いというわけではなく、当たり前のような教訓をわざわざ個別の事件の被害者をダシにして述べるのがまずいのです。

昨今の風潮だと、「加害者を非難する立場」に立つことが正義みたいになっておりますが、個別の事件について公で言及するときにはそうならざるをえないのだと思います。
ただ一方で、自衛努力を怠ってはいけないというのも一般論としてありうることでしょう。
みなさまも、夜道を歩く際はお気を付けください。


あんまりそういうつもりはありませんでしたが、気が付けばまじめな話になっていましたね…。
このあいだおっぱいについて話したので、バランスとれたのかな。

それでは!

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