irisについては、当初混声アンサンブルのつもりでした。
しかし、大々的に募集要項を作ってみたものの、
全然人が集まらない(苦笑)。
今回irisに参加して下さった方の、
「じゃあ女声合唱にすれば?」という一言で、
女声に変更しました(笑)。
今回のアンコンについては、
僕が自分で振る機会を求めて、参加することにしていたので、
団員にはアンサンブルを楽しんでほしかったけど、
なるべく自分のやりたいようにやろうと最初から考えていました。
選曲をもう一度書いておくと、
Tempo verr' ancor(アルカデルト)
谷茶前節(沖縄県民謡、編:瑞慶覧直子)
Salve regina(コチャール)
何が楽しかったって、
自分の振りたい曲を選べること。
このために出たといっても過言ではない(笑)。
下振りしかしていない人間にとっては、
自分で曲を選ぶというのは、非常にうらやましい。
まあ、これについては、いろいろ考えることもあったので
(下振りは勉強にはなるけど、いつまでも下振りばっかじゃ良くないと)、
また、おいおい。
で、アンサンブルなら、ルネサンスを入れたいと。
でも女声でとなると途端に難しくなる。
で、以前全日本の課題曲になり、良い曲で知っていたアルカデルトを選択。
で、他にも候補は挙がったのですが、
制限時間7分という壁が立ちふさがる。
で、ルネサンスを外せば、他の選択肢もあったのですが、
これを外せなかったので、他に候補になっていた
ブラームスのモテットや、ジャズアレンジの曲は断念。
何度も聴いていて振りたかったコチャールの名曲を入れ、
「日本語も」と思い、短くてインパクトのある谷茶前節も入れる。
7分の中に3曲も、しかも違うタイプの曲を。
選曲の段階で、もうやり切ったと(笑)。渾身でした。
曲順は、コチャールと谷茶前節がどっちも最後になる。
でも、敢えて女声合唱の王道をラストにしました。
谷茶前節は、2曲の間でアクセントにしました。
メンバーは最終的に10名。
団体は4団体から集まってもらいました。
いろいろな団体から期間限定で集まるのは、
新潟ユースもそうですが、僕の好きな形。
刺激を得て、また元の巣に帰ってもらいたいと。
他団体と兼ねていることや、
アンコン自体でも兼ねている人が結構いたこともあり、
練習は全4回。何とかなるだろうと勝手に想像。
しかし、最初の練習では、
ちょっとどうしようかと悩みが増しました。
初めてで歌えていない事もあったのですが、
何より聴き合う余裕がない。
あと、一番問題だと思ったこと。
「イメージの共有」
これが出来ていなかった。
それぞれの合唱団の、それぞれの価値観の中で普段歌っていて、
おまけに、tek310という指揮者が何を求めるかも当然知らない。
この共有がほとんどなかった。
おまけに、ほとんどの人が女声アンサンブル初経験。
女声のサウンドのイメージも持てず、
正直大丈夫かなと、自分も不安になりました。
しかし、自分の中では、
どういうサウンドにしたいか、明確な方向性はありました。
だから、それをいかに伝えるかということに集中。
年明けの2回目の練習では、
とにかくルネサンスでそれを実践しました。
声量でもっていかず、響きで歌うこと。
各パートでの響きを構築して、そして全体でアンサンブル。
宗教曲でなく世俗曲だったので、
歌いまわしは徹底して軽く。物足りないくらい軽くと。
でも、みんな普段の癖があるので、なかなか徹底できず。
でも、今回は、ここで安易に流れなかった。
とにかく、こういう方向でやるということを不器用ながらに伝える。
2回目の練習で、方向性は少し見い出せました。
しかし、ここで大きな問題が。
タイムオーバー
実は、録音したら、25秒もオーバー(笑)。
原因を考えると、一つ。
実は、今回は、ユートライ勢が半分いたので、
なるべくかぶらないように、また、普段と違うパートも
歌ってほしいと思い、曲ごとにパートを変更。
これがまずかった。
移動に時間がかかる。移動だけで40秒近くかかっていた。
悩む。。。
で、結局、曲のテンポを上げつつ、
1曲目と2曲目を同じ立ち位置で歌うことに。
そして、サウンドの軽さを徹底する。
更に、ついに、時計を購入(笑)。
ストップウオッチのついた安い時計を買って、腕に。
いやー、S水先生とかがよくやっていたんだよな~と妙に興奮(笑)。
で、3回目の練習の録音で、ある程度方向は固まる。
時間が少し出来たので、今度はコチャールを中心に、
曲のメリハリをつける。
引っ張るところを作るため、サクサク行くところとの差をつける。
曲のイメージの共有は何とか間に合った感じ。
でも、結局、10名全員で歌えたのは4回中2回。
皆さんの経験がここで生きた気が。
響きをつかむと、結構スムーズ。
さすが歴戦の猛者たち(笑)。
と言いたいところなのですが、、、
皆さんが総じて苦戦したのが「谷茶前節」。
実は、足踏と手拍子が入る。
そのため、今回は譜面台を使用。
たった1分半の作品だが、
結構聴かせどころもある。
歌うことと動くことがみんな非常にぎこちない(苦笑)。
何度か練習するも、足踏は結構最後まで苦戦。
何とか形にはなったかなというところ。
団体が重なるため、
当日も結局練習もリハーサルも揃わなかったのですが、
ある程度方向が見えていたので、不安はそれほどありませんでした。
本番の演奏は、良かったと思います。
正直言うと、立ち位置がちょっとまずかったかなと。
僕の正面(センター)をもう少し下げれば良かったかなと。
箱が思ったよりも鳴るので、みんな練習の時のイメージを
そのままステージで鳴らせたと思います。
あくまで無理せずということ。力技は不要と。
という意味で、サウンド的には今回結構満足しています。
ただ、今回、女声合唱の老舗であるJuneや新潟フィルも出場。
これだけで正直同じ女声だと、即席団体にとっては不利かなと。
おまけに、結果的にロゼにも負けた(苦笑)。
女声アンサンブルの中での順番が4番手以下だったのは
正直残念だったかなと。
何も言わなかったけど、一応金賞狙っていたので。
聴いた方の感想にもあったように、
金賞の他団体の演奏に比べると、インパクトは薄かったかも。
サウンド的なもの。「キレイだったけど」という感じ。
でも、これは、4回の練習の中では正直限界かなと。
このサウンドを原則崩さず、表現力を上げるには、
正直今回の練習回数では厳しいかなと。
あと、身体から表出する「表現意欲」や「表現への渇望」など。
でも、個人的には、よくまとまったことで満足しています。
ただ、結果的に、一般もその他も、
朝日のコンクールと傾向が似たのはちょっと残念かなと。
でも、irisの演奏に、「金賞をやらないと」と思わせるだけのものが
なかったのも事実だし、銀賞は順当な結果かもしれません。
個人的には、歌い手に恵まれ、
やりたい方向性を明確に提示できたことは、
自分にとっては大きなプラスで、
少しだけ自信にもなりました。
団員も、普段味わえない女声アンサンブルのサウンドを
楽しんでくれていたようなので。
でも、アンコン当日でirisは解散。
みな、普通の女の子に戻りました。
ウソです。普段の合唱団に戻りました(笑)。
解散するって分かっているから、
そこまでの練習で頑張り切る。それがこういう団の魅力。
でも、正直言うと、
今回のアンコンに指揮者として2団体振り、
「継続してサウンドを創っていきたい」
と思ったことは事実。
これは、なんとかしないとなと正直思っています。
やっぱり、指揮者の自分にとって、今何が必要か。
それを感じ取れたアンコンでもありました。
irisの皆さん、ありがとうございました。
10色の色が混ざった、見事な”虹彩”だったと思います。