野球を素材に「二死満塁」を想定して、日米韓の監督はそれぞれどんな作戦を展開するかという話。
まず日本人の監督ならとりあえず打者に「よくボールを見ていけ」というだろう。
できればみみっちく押し出しで点をとれれば一番いいが、そのためにもウェイティングのサインをだす。
いい球がくるまで打つな、それまでは待てだ。
ツースリーまでねばって最期に勝負というのが順当なところだろう。
日本人は慎重で、じっくり時間をかけて点を取ろうとする。
これが二死でなければスイングもありだ。
しかし二死だと最期まで粘って、投手と打者の息詰まるような駆け引きで勝負をつけることこそ、野球の醍醐味だと思っている。
アメリカ人の監督ならどうするか。
これは間違いなく最初から「打っていけ!」のピッティングのサインを出す。
果敢に打っていってこそ野球の面白みだ。
駆け引きなど必要ない。
したがって打者は初球からガンガン打っていくだろう。
では韓国人の監督はどうするか。
これがこの話の核心だが、正解は監督の支持など関係なしに「三塁走者が勝手にホームスチールを敢行する」である。
話は若干、極端になるのは仕方ない。
監督がホームスチールのサインを出すことも考えられるが、それよりも走者が自分の判断で勝手にホームに突入してこそ韓国人である。
ヒットを打つかどうか分からない打者(他人)などあてにならないし、待っておられない。
それより目の前にあるホーム突入が手っ取り早い。
監督の指示を待つチームプレーより、個人プレーの方が気分がいい。
独自の判断によるアッといわせるスタンドプレー。
大向こうを唸らせ、拍手喝采で一人脚光をあびる。
大胆かつ果敢なホームスチールは男らしい。
個人としての存在感、アピール効果は満点だ。
実際に韓国の野球でホームスチールが多いというわけではない。
ただ、おそらく三塁走者になればみんな虎視眈々、そんな心理じゃないだろうか。
韓国人論としてはそうに違いない。
ホームスチールとは野球におけるテロみたいなものである。
ある種の冗談話ではあるが、必ずしもそうだということではなく、いささか大げさに、面白おかしく語ってみせるもので、ユーモアの一種とも考えられる。