田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『パリタクシー』

2023-03-26 09:58:40 | 新作映画を見てみた

『パリタクシー』(2023.3.25.オンライン試写)

 無愛想で不機嫌なタクシー運転手シャルル(ダニー・ブーン)は、金も休みもなく、免停寸前で、人生最大の危機に陥っていた。

 そんな中シャルルは、老人ホームに入所する92歳のマドレーヌ(リーヌ・ルノー)をパリの反対側まで乗せることになる。ところが、マドレーヌは、次々と寄り道を依頼。そして寄り道をするたびに、マドレーヌの壮絶な過去が明らかになっていく。いつしかシャルルはマドレーヌに親しみを覚え始めるが…。

 監督・脚本は『戦場のアリア』(05)のクリスチャン・カリオン。マドレーヌを演じたルノーはフランスの国民的シャンソン歌手だという。

 「オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート」「アット・ラスト」「ディス・ビター・アース」といったスタンダードの使い方を見ると、なるほど『戦場のアリア』の監督の映画だと思わされた。

 仏頂面のシャルルの表情が、マドレーヌと触れ合ううちに段々と柔和なものに変化していくのが見どころ。パリの名所巡りもできる、いわゆる“ちょっといい話”なのだが、ラストの処理がいささか唐突な感じがしたのが残念だった。

 タクシーの運転手と乗客の交流を描いた映画はたくさんあるが、ジム・ジャームッシュ監督の『ナイト・オン・ザ・プラネット』(91)や濱口竜介監督の『偶然と想像』(21)の挿話が印象深い。

 また、タクシーではないが、車の運転手と乗客の交流の話としては、『ドライビング Miss デイジー』(89)『ドライブ・マイ・カー』(21)が思い出された。


『戦場のアリア』ポール・マッカートニーと映画
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/acf3e7224f4010f399f487c1bca7ab09

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ビデオ通話で西部劇談議『決断の3時10分』

2023-03-25 17:15:54 | 駅馬車の会 西部劇Zoomミーティング

 今回のお題は、デルマー・デイビス監督、グレン・フォード、バン・へフリン主演の『決断の3時10分』(57)

 デイビス監督とフォードのコンビ映画は、ほかにも『去り行く男』(56)『カウボーイ』(58)があるが、どれも一風変わった西部劇という感じがする。そして、『シェーン』(53)の農夫スターレット役もそうだが、へフリンには無骨な開拓民の役がよく似合う。

 フォードの子分にリチャード・ジャッケル、へフリンの妻にレオラ・ダナ、そして酒場女にフェリシャ・ファー(ジャック・レモンの奥さん)。

 また、フランキー・レインが歌う主題歌がオープニングとエンディングに流れるが、これは『真昼の決闘』(52)『OK牧場の決斗』(57)と同じパターン。列車の到着が重要な鍵を握るところは『ガンヒルの決斗』(59)が、この映画をまねたか。

 そんなこの映画は、後に『3時10分、決断のとき』(07)としてリメークされた。

『決断の3時10分』『3時10分、決断のとき』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/85144b58904929188d67f496b94f3696

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「帰ってきたウルトラマン」郷秀樹=団次朗

2023-03-25 09:56:22 | テレビ

 「帰ってきたウルトラマン」が放送されたのは、1971年4月から72年の3月とある。「ウルトラマン」「ウルトラセブン」との違いは、自分が小学校の高学年になっていたことだ(サブキャラの次郎を演じた川口英樹は同い年)。

 だから、「そろそろ怪獣物は卒業しなくちゃ」何て思って、ちょっと斜に構えて見ていたのだ(嫌なガキだ)。

 すぎやまこういち作曲の主題歌や冬木透の音楽にワクワクさせられたものの、中身は結構暗くシビアな話が多かった。団次朗が演じた防衛チームMAT隊員の郷秀樹(=ウルトラマン)も悩み多き若者で、私生活も含めた彼の成長物語がドラマの核であった。

 「ウルトラマン」のハヤタ(黒部進)とも、「ウルトラセブン」のモロボシダン(森次晃嗣)とも違う、発展途上の郷秀樹というキャラクターは、団次朗によく似合っていた。見た目のカッコ良さと悩む姿のギャップが魅力的だった。

 で、このドラマには、ウルトラセブンや初代ウルトラマンが出てくる回があって、後に確立される“ウルトラ兄弟”という設定の萌芽が見られる。

 当時は、子ども心にも何だか妙な感じがしたが、今となっては「これはアベンジャーズみたいなものだったのか」などと思ったりもする。

 それにしても、自分が見ていたヒーローを演じた人が亡くなっていくのは、時の流れとはいえやはり寂しいものがある。

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【ほぼ週刊映画コラム】『ロストケア』

2023-03-24 07:01:21 | ほぼ週刊映画コラム

共同通信エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は
これは「殺人」ではなく「救い」なのか。介護に関する問題を提起した社会派ミステリー『ロストケア』

詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1378531


【インタビュー】『ロストケア』松山ケンイチ&長澤まさみ
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/11b9fbc65cafebcea2094c82c9c61ed4

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「BSシネマ」『星のない男』

2023-03-24 06:30:45 | ブラウン管の映画館

『星のない男』(55)

カークが、バンジョー片手に歌を披露し、曲芸まがいのガンプレーまで見せる
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/8e2907957f698229e8f81b56f1e875e0

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「午後のロードショー」『シノーラ』

2023-03-23 06:22:52 | ブラウン管の映画館

『シノーラ』(72)

「BSシネマ」
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/87e61f8ba3195a59d4ab381561c13cea



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世界中の“野球小僧”が集まったWBC

2023-03-22 22:25:01 | 名画と野球のコラボ

 最後の大谷翔平とマイク・トラウトの対決はまるで漫画か映画のようだった。

 WBCの熱い闘いを見ながら、ある歌のことを思い出した。それは、『歌う野球小僧』(51)の主題歌としてヒットした「野球小僧」(作詞:佐伯孝夫・作曲:佐々木俊一・歌:灰田勝彦)というオールドソング。歌詞のモデルは戦死した不滅の大投手・沢村栄治だという説もあるが、2番の歌詞は大谷そのものだ。
 
 今回のWBCは、大谷をはじめ、世界中の“野球小僧”が集まったような感じがして、見ていて本当に楽しかった。

♪野球小僧に 逢ったかい 男らしくて 純情で 燃える憧れ グランドで  じっと見てたよ 背番号 僕のようだね 君のよう オオ マイ・ボーイ  朗らかな 朗らかな 野球小僧♪

♪野球小僧は 腕自慢 凄いピッチャーで バッターで 街の空地じゃ 売れた顔  運がよければ ルーキーに 僕のようだね 君のよう オオ マイ・ボーイ  朗らかな 朗らかな 野球小僧♪

♪野球小僧が 何故くさる 泣くな野球の 神様も たまにゃ三振 エラーもする  ゲーム捨てるな 頑張ろう 僕のようだね 君のよう オオ マイ・ボーイ  朗らかな 朗らかな 野球小僧♪

 灰田はハワイ出身の日系2世で大の野球好き。立教大学の後輩である長嶋茂雄とも交流があった。思えば、長嶋さんも典型的な野球小僧だった気がする。
https://www.youtube.com/watch?v=LSzc-cBfD1U

伊武雅刀も歌っている
https://www.youtube.com/watch?v=cStP2CmiaUc

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SCREEN(スクリーン) 2023年5月号「ワーナー・ブラザース 100周年大特集」

2023-03-22 16:58:51 | SCREEN スクリーン

 『SCREEN(スクリーン)』 2023年5月号に、「ワーナー・ブラザース 100周年大特集」「名作と共に100年!ワーナー・ブラザースの足跡を振り返る」掲載。表紙は「マンダロリアン」 &「スター・ウォーズ」ドラマの世界

https://screenonline.jp/_ct/17617717

https://screenonline.jp/_ct/17617757

https://www.amazon.co.jp/dp/B0BXQ17P2M/ref=sr

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「BSシネマ」『若草物語』(94)

2023-03-22 06:27:41 | ブラウン管の映画館

『若草物語』(94)

何度も映画化された『若草物語』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/cb39f974c318b0382570ba19dcc5f404 

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【インタビュー】『ロストケア』松山ケンイチ&長澤まさみ

2023-03-21 09:01:23 | インタビュー

 ある民家で老人と介護士の死体が発見された。捜査線上に浮かんだのは死んだ介護士と同じ訪問介護センターに勤める斯波宗典。彼は献身的な介護士として介護家族に慕われる心優しい青年だった。検事の大友秀美は、斯波が務める訪問介護センターで老人の死亡率が異常に高いことを突き止める。大友は真実を明らかにするべく斯波と対峙する。

 葉真中顕の日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作を前田哲監督が映画化した『ロストケア』が、3月24日から全国公開される。本作で、介護士の斯波を演じた松山ケンイチと検事の大友を演じた長澤まさみに話を聞いた。

松山ケンイチ&長澤まさみ、42人を殺した介護士とそれを裁く検事役で初共演
「男女でも、言論での殴り合いが本気でできるんだなと思った」

https://tvfan.kyodo.co.jp/?p=1374419&preview=true

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