『僕達急行 A列車で行こう』(12)(2012.1.10.東映試写室)
「のぞみ地所」の会社員小町圭(松山ケンイチ)と「コダマ鉄工所」で働く小玉健太(瑛太)は互いに大の鉄道好き。ふとしたきっかけで知り合った2人は、早速意気投合し、鉄道談議に花を咲かせる。鉄道ファンの若者たちの、友情と恋を描いたコメディ映画。
図らずも、森田芳光の遺作となった映画なので、少々思い入れを込めて見てみた。ところが、愛すべき“テツオタ”を描いているはずなのに、何かはぐらかされたような感じがして素直に入り込めなかった。これは森田の映画を見た時に共通する違和感なので、ある意味、彼は最後まで自分の作風を貫き通したといえるのかもしれない。
彼のどこか斜に構えたような視点(照れからくるのか、それとももともとドライなのか)は、野球でいえば変化球。あるいはくせ球。流行には敏感だが、深みがない。同じ東京出身の人間として、自分にも似たようなところがあるからかえって反発を覚えるのかもしれない。
などと、公開時は随分辛口なことを書いていたが、今回久しぶりに見直してみたら、思いのほか面白かった。何が自分を変えたのかというよりも、もともとこの映画が嫌いではなかったのかもしれないと思った。
この映画とは兄弟のような『の・ようなもの の ようなもの』
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