田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『ダークグラス』

2023-03-27 11:22:29 | 新作映画を見てみた

『ダークグラス』(2023.3.27.オンライン試写)

 伊ローマで娼婦ばかりを狙った猟奇的な連続殺人事件が発生する。4人目のターゲットとなったコールガールのディアナ(イレニア・パストレッリ)は、ある夜、執拗に追いかけられた末に、後ろから車を追突される大事故に遭う。

 一命はとりとめたものの両目の視力を失ったディアナは、同じ事故に巻き込まれて両親を亡くした中国人少年のチンとの間に特別な絆が生まれ、2人は一緒に暮らすことになる。だが、そんな彼女たちを殺人鬼が付け狙う。

 『サスペリア』(77)『フェノミナ』(85)などで知られるイタリアンホラー(ジャッロ)界を代表するダリオ・アルジェントが、10年ぶりに撮った監督作。事故で視力を失ったヒロインがサイコパスな殺人鬼に脅かされる“見えない恐怖”を描く。

 キーワードは、日食、サングラス、鮮血、ナイフ、犬、盲目、娼婦、少年…。アルジェント監督の娘のアーシアも、ディアナを支える歩行訓練士役で出演している。

 アルジェント映画の特徴である、独特の映像美と印象的な音楽で見せるという作りは全く変わっていなかった。ある意味、無類の頑固者。特に今回のアルノー・ルボチーニの音楽は、『サスペリア』のゴブリンをほうふつとさせるものがあった。

 ストーリー的には、『暗くなるまで待って』(67)『グロリア』(80)を足して二で割ったような印象で、往年のアルジェント映画に比べれば、グロい描写も含めて随分緩くなっている気もするが、80を過ぎて、まだこういう映画が撮れるとは喜ばしい限りだ。

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「BSシネマ」『リベンジ・マッチ』

2023-03-27 07:03:35 | ブラウン管の映画館

『リベンジ・マッチ』(13)(2014.4.4.新宿ピカデリー)

スタローンとデ・ニーロのガチンコ対決
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/553250

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『映画の森』「2023年 3月の映画」

2023-03-27 06:52:30 | 映画の森

共同通信社が発行する週刊誌『Kyoudo Weekly』(共同ウイークリー)3月27日号で、『映画の森』と題したコラムページに「2023年3月の映画」として、5本の映画を紹介。独断と偏見による五つ星満点で評価した。

スピルバーグ監督が自らの原風景を描く
『フェイブルマンズ』☆☆☆☆

奇想天外なアクションアドベンチャー
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』☆☆☆

人は笑いで救われることもある
『オットーという男』☆☆☆☆

倒錯やフェティシズムに満ちたミステリー
『メグレと若い女の死』☆☆☆

黒澤明監督の名作をリメーク
『生きる LIVING』☆☆☆☆

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「BSシネマ」『キャスパー』

2023-03-27 06:29:43 | ブラウン管の映画館

『キャスパー』(95)(1995.8.14.渋谷東急2)


 
 古い屋敷を相続した強欲な持ち主から、おばけ退治を依頼されたハーベイ博士(ビル・プルマン)とその娘のキャット(クリスティーナ・リッチ)。屋敷で独りぼっちだった少年おばけのキャスパーは、孤独なキャットと仲良しになろうとするが…。スティーブン・スピルバーグが製作総指揮を務め、人気テレビアニメを映画化したハートフル・ファンタジー。監督はブラッド・シルバーリング。

 去年の『フリントストーン/モダン石器時代』(94)に続いて、またも懐かしきアニメキャラクターの実写版である。そして、確かに『ジュラシック・パーク』(93)で威力を見せつけたCGの発達がなければ、実現不可能な映画だったろう。

 しかも、『フリント・ストーン~』の場合は、単純にアニメの実写化というところで喜んでしまった感があったが、この映画はそれだけでは満足せず、いかにもスピルバーグ印らしく手堅く、かつての『E.T.』(82)『ハリーとヘンダスン一家』(87)にもつながるような、未知の異形体との出会いによって得られる愛や夢や優しさといった、少々気恥ずかしくなるようなテーマとしっかり結びつけていた。

 思えば、わが青春時代は、この映画が描いたような夢や希望よりも、現実の厳しさを描いたニューシネマのような、考えさせられる暗い映画が多かった気がする。

 それ故、気軽に女の子を誘って行けるようなものは少なくて、映画の選択を間違えて随分苦い思いもした。あの頃、こうした映画がもっとあったら…などと思ってしまった。

【今の一言】これは、当時付き合っていた彼女と一緒に見た映画だったので、こんな妙なことを書いたのだろう。

 

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