昨年、火災で全焼した小倉の老舗映画館「昭和館」の女性館長を追ったドキュメンタリー。
劇中に「一度壊してしまったら映画館の再建はとても難しい」という言葉も出てきたが、なくなった同じ地に映画館がよみがえることは珍しく、ほとんどの場合、映画館があった痕跡すら残らない。
であるにもかかわらず、館長も観客もこれほど復活に固執する姿は、ある意味新鮮だった。それを見ながら「地霊」ということが思い浮かんできた。再建が決まったことは喜ばしい。
かつて、映画館をリポートする『違いのわかる映画館』という連載を持っていた。その多くが今はもうない。跡地に再び映画館としてよみがえったのは、新宿「昭和館」→「K's CINEMA ケイズシネマ」、池袋「文芸座」→「新文芸座」ぐらいではないだろうか…。
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