田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『エッフェル塔~創造者の愛~』

2023-03-07 10:56:27 | 新作映画を見てみた

『エッフェル塔~創造者の愛~』(2023.3.6.オンライン試写)

 ニューヨークの自由の女神像の骨組みを制作して名声を得たギュスターブ・エッフェル(ロマン・デュリス)は、あるパーティの席上で、大臣から3年後の1889年に開催されるパリ万国博覧会のシンボルモニュメント制作のコンクールへの参加を要請される。

 初めは乗り気ではなかったエッフェルだが、友人で記者のレスタック(ピエール・ドゥラドンシャン)の妻アドリエンヌ(エマ・マッキー)から、作品を見てみたいと言われ、パリの真ん中に高さ300メートル、100パーセント鉄製の塔を造ると宣言する。実はアドリエンヌは、エッフェルにとっては忘れられない女性だったのだ。

 エッフェル塔を設計した男を主人公に、塔が完成するまでの苦難の日々と、かつて別れた女性への思いを、創作を交えて描く。監督はマルタン・ブルブロン、音楽はアレクサンドル・デプラが担当。

 エッフェル塔建設のスペクタクルとエッフェルとアドリエンヌとの許されない愛を、回想を交えながら並行して描いていくのだが、どちらも中途半端な感じがしたのは否めない。もっと塔が出来上がっていく様子が見たいのに、そこに挟まれる恋愛模様が邪魔をする。

 例えば、これをハリウッドが描いたら、恋愛はほどほどにして塔建設のスペクタクルを重点的に描くのではないか。そこに過度な悲恋を入れ込むところが、良くも悪くも、いかにもフランス映画という気がした。

 ただ、言葉ではなく目線で語る場面や、「女性を見るように塔を見る」というセリフなどが、フランス映画らしさを感じさせるとも思った。エッフェル塔の形はA、すなわちアドリエンヌを表すという解釈もロマンチックではある。マッキーのグラマーぶりにも驚かされた。


ロマン・デュリス『パパは奮闘中!』トークショー
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/2fb70084802e7db3816bdb13d8412592

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【インタビュー】『Single8』上村侑

2023-03-07 08:01:15 | インタビュー

 1978年、夏。高校生の栗田広志(上村侑)は『スター・ウォーズ』に影響を受け、友人の喜男(福澤希空)と共に宇宙船のミニチュアを作って8ミリカメラで撮影する。そして、文化祭の出し物として、映画製作を提案。思いを寄せる夏美(高石あかり)にヒロイン役を依頼し、喜男や映画マニアの佐々木(桑山隆太)も加えて映画製作に取りかかる。

 小中和哉監督が、自身の青春時代を題材に脚本を書き下ろして監督した青春映画『Single8』が、3月18日から渋谷ユーロスペースほか全国順次公開される。主人公の広志を演じた上村に話を聞いた。

「僕にとっての8ミリ映画は、地元でおいしいご飯屋さんを新しく見つけた感じ」}
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/interview/1374397

『Single8』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/cb79daa145ce567e06db1ec56a2f2642

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする