『キャスパー』(95)(1995.8.14.渋谷東急2)
古い屋敷を相続した強欲な持ち主から、おばけ退治を依頼されたハーベイ博士(ビル・プルマン)とその娘のキャット(クリスティーナ・リッチ)。屋敷で独りぼっちだった少年おばけのキャスパーは、孤独なキャットと仲良しになろうとするが…。スティーブン・スピルバーグが製作総指揮を務め、人気テレビアニメを映画化したハートフル・ファンタジー。監督はブラッド・シルバーリング。
去年の『フリントストーン/モダン石器時代』(94)に続いて、またも懐かしきアニメキャラクターの実写版である。そして、確かに『ジュラシック・パーク』(93)で威力を見せつけたCGの発達がなければ、実現不可能な映画だったろう。
しかも、『フリント・ストーン~』の場合は、単純にアニメの実写化というところで喜んでしまった感があったが、この映画はそれだけでは満足せず、いかにもスピルバーグ印らしく手堅く、かつての『E.T.』(82)や『ハリーとヘンダスン一家』(87)にもつながるような、未知の異形体との出会いによって得られる愛や夢や優しさといった、少々気恥ずかしくなるようなテーマとしっかり結びつけていた。
思えば、わが青春時代は、この映画が描いたような夢や希望よりも、現実の厳しさを描いたニューシネマのような、考えさせられる暗い映画が多かった気がする。
それ故、気軽に女の子を誘って行けるようなものは少なくて、映画の選択を間違えて随分苦い思いもした。あの頃、こうした映画がもっとあったら…などと思ってしまった。
【今の一言】これは、当時付き合っていた彼女と一緒に見た映画だったので、こんな妙なことを書いたのだろう。