「テレビ」と「平和」と「憲法」のblog

元ワイドショープロデューサー仲築間 卓蔵(なかつくま・たくぞう)のブログ

「10大ニュース」の報道の仕方

2006-12-10 16:47:15 | Weblog
年の瀬
メディアは「10大ニュース」の季節です
恒例の流行語大賞なるものも発表されました
大賞は 「イナバウアー」「品格」
トップテンには「ハンカチ王子」「シンジラレナーイ」「メタボリックシンドローム」
などでした

ことしの「10大ニュース」はどんな内容になるのでしょうかね

日本ジャーナリスト会議(JCJ)の機関紙『ジャーナリスト』の場合
例えば昨年を見てみると 「”小泉劇場”に踊るメディア」であり 「強まる改憲の動きに 護憲運動も活発」など 表現のしかたに(当然のことながら)ジャーナリスティっクな「視点」があります

一般のメディアはどうでしょうか
事件や話題の”重大度”だけが評価の基準となっているように思えませんか?
取り上げるとしたら その「10大ニュース」を「どのように伝えたか」という視点に立って 場合によっては「反省をこめて」取り上げたらと思うのですが 残念ながらそうはなっていないですね

さて 今年ですが
「造反」議員の自民党への復党問題が取り上げられるでしょうね
内容は 「刺客」騒動からはじまって 自民党内の混乱 「刺客」と「造反者」の対立の現状の紹介で終わり というところがオチでしょう

郵政民営化に反対した議員の「造反」理由はまちまちですが
民営化の中身は
郵貯・簡保の340兆円を 銀行と生命保険会社に開放することでした
18回に及ぶ日米の定期協議の中で話し合われていたことが 国会論戦で明らかにされていましたね

郵便局の統廃合が指摘されましたが 「不便はかけない」という趣旨の付帯決議で スンナリ法案は通過してしまいました
復党問題を取り上げるなら あのとき「どんな報道だったか」についても触れてほしいのですよ
取り上げる場合の「視点」というのは そういう意味です

いま郵便事業はどうなろうとしているのか
東京新聞『こちら特報部』(12月1日)は 
「復党問題より 今 郵便局は競争激化・戦々恐々」「山村では集配廃止 郵便屋さん懸け橋だったのに」という見出しで
「郵政民営化といって最近話題になるのは 造反議員の自民党復党問題という政局絡みの話ばかりだ。国民そっちのけのばか騒ぎをよそに 郵政民営化は来年10月の実施に向かって突き進んでいる。民営化に伴う利用者の不安は解消されたのか。そして今 郵便局で働く人はどうゆう状況に置かれているのか」
といい
全国1048郵便局で集配業務が廃止されることが明らかになったこと。
郵便物の仕分けを競争させ 標準以下の職員には「訓練道場」と称する日勤教育が待っている。
などの実情を特集しています。

「10大ニュース」として取り上げる場合 ”あのとき言えなかったことを いま(あらためて)言うことができる”という利点があるとおもうのですよ。
話題性だけでなく その背景に迫る追跡がなされれば 読者・視聴者からの拍手喝采は間違いありませんよ。どう思われます?

カネで憲法改悪が買えるような「改憲手続法」 こどもたちが 愛国心度で評価され さらに競争に駆り立てられる教育基本法の改悪 日本を戦争ができる国にするための憲法九条改悪。
まかり間違ってそんなことになったとき 「10大ニュース」なんていってられませんよ。
そうなる前に 言わなきゃ ね。
そんなことを言いたくなる12月10日日曜日です。