たけじいの気まぐれブログ

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平岩弓枝著「はやぶさ新八御用帳(四)鬼勘の娘」

2023年04月12日 16時24分58秒 | 読書記

図書館から借りていた 平岩弓枝著「はやぶさ新八御用帳(四)鬼勘の娘」(講談社文庫)を読み終えた。本書は、南町奉行所、内与力隼新八郎が活躍する長編時代小説「はやぶさ新八捕物帳シリーズ」の第4弾目の作品で、表題の「鬼勘の娘」の他、「箱根七湯」「白い殺人鬼」「御老女様の恋文」「お化け女郎」「金唐革の財布」「新堀川慕情」「さいかち坂上の恋人」の連作短編8篇が収録されている。一話完結の短編のせいもあり、読みやすく、一気に読破出来た。


読んでも読んでも、そのそばから忘れてしまう老脳。
読んだことの有る本を、うっかりまた借りてくるような失態を繰り返さないためにも、
その都度、備忘録として、ブログ・カテゴリー「読書記」に 書き留め置くことにしている。


▢主な登場人物
隼新八郎(はやぶさ新八)(内与力)、郁江(新八郎の妻女)
根岸肥前守鎮衛(やすもり)(南町奉行、新八郎の上司)、
宮下覚右衛門(南町奉行所用心)、高木良右衛門(南町奉行所用人)、
お鯉(南町奉行所奥仕え女中、新八郎の心の恋人)
神谷鹿之助(勘定方、新八郎の義兄、幼馴染)、神谷伊十郎(大番組組頭、新八郎の義父)、
大久保源太(定廻り同心)、大竹金吾(同心)、勘兵衛(元岡っ引き、鬼勘)、
お初(勘兵衛の娘、小かん)、お久美(勘兵衛の孫)
松之助(岡っ引き)、藤助(岡っ引き)、熊吉(下っ引き)、利五郎(岡っ引き)、

▢あらすじ
「箱根七湯(はこねしちとう)」
三浦志摩守側用人大須賀金右衛門から、家中の谷口惣太夫が箱根で行方不明になった事件を内密に探索して欲しいと依頼を受けた根岸肥前守は、内与力新八郎にその役目を下知する。即刻、谷口家の奉公人忠助と箱根に向かった新八郎、惣太夫失踪の謎解きを開始するが・・・・、、宗七?、おさよ?、水島清三郎?、
新八郎が絶体絶命のピンチに・・・・、忠助のお陰で命拾いしたが・・、お鯉が泣き・・・、「今後、新八を江戸の外に出すのはやめにしようと思う」と、根岸肥前守が・・・。

「白い殺人鬼」
根岸肥前守の叔母で出家している向島村の貞春院を訪ねた帰りに、布団屋両津屋吉十郎が殺された現場を通り合わせ、定廻り同心大久保源太、岡っ引き松之助と出会う。その後、綿問屋越後屋藤兵衛が殺されたが、いずれも、お高祖頭巾の女が?、目撃され・・・。中島玄内?、中島玄之丞?、今川常朝斎?、
女二人?が、「親の敵、玄之丞、覚悟」、駕籠を襲うが、駕籠は空・・、5~6人の武士に囲まれ・・・、新八郎がとびこみ・・。11年前、佐渡金山で殺害された岡本喜十郎、自害したお栄の事件の真相が明らかになって・・・。

北の島に、きびしい冬が来るまで、岡本春之助お千代が、つかの間でも幸せであって欲しいと思い、新八郎はもう遥かになった二人の旅姿へ、最後の手を大きく振った。

「御老女様の恋文」
根岸肥前守の知人の通夜に香典を届けた新八郎が、帰途、頭巾を被った8人の侍と、縄でぐるぐる巻きの駕籠と遭遇、駕籠が残されたが、中から町家の女房おときが・・・。れっきとした侍が何故?、その、おときが殺された。下手人は?、おときの娘おこま、佐吉、中村歌三郎、吉之助、・・・、「平仄が合わない」・・・、
大久保源太があきれたように付け加えた。「おときという女も凄腕ですよ。煙草入れをねたに御老女様までゆすったんですから・・・」・・・、御老女、瀧田様?、美しい腰元がにこやかに会釈している。新八郎は絶句したまま、慌てて平伏した。

「鬼勘の娘」
元岡っ引きで「鬼勘」と呼ばれていた湯島天神下の勘兵衛の面倒をみているのが孫のお久美だとは知っていた新八郎、お久美は、女のように優しく一膳飯屋を営んでいる長男吉太郎お芳の娘であり、勘兵衛には、清元、踊り等で大名家に奉公している、跳ねっ返りの娘お初がいることを初めて知る。そのお初に、奉公先の青木甲斐守の次男新一郎(6才)が命を狙われているという問題(大名家の内紛?)の相談を持ちかけられたが、「大名家のことに、町方は口出し出来ない」と断る。青木千之丞冬之助(7才)源五郎(10才)奥方・・・・、深入りするお初・・・、、
「もう、お武家奉公はやめにします。お父っぁんの跡を継いで岡っ引きになろうと思うんですけれど」・・、よせよせと新八郎は手を振った。「でしたら、大久保の旦那をくどいて、お手札をいただきますから」・・・「馬鹿、やめろと申すに・・・」

「お化け女郎」
根岸肥前守の言い付けで、百姓地の根岸へ出掛けた内与力新八郎と、同行した勘兵衛(鬼勘)藤助出会い、吉原の女郎屋の寮「分花菱(わけはなびし)」で化け物が出るという話を聞き、その寮へ立ち寄ったが・・・。
お初(小かん)、伏見屋清之助、住吉屋勝太郎がさらわれた・・・」、下っ引きの熊吉が知らせにきた。身代金二千両要求・・・、寮番伍助?、伏見屋清兵衛?、おこと?、捕物の末、江戸を荒らし回った盗賊一味は捕縛されたが・・、「相変わらず、小かん姐さんで張り切っていますよ。親父に殴られた分だけ、手柄を立てて、勘兵衛を見返してやるんだそうで・・・」、困った顔で、大久保源太が御用部屋へ戻って行った。・・・・・「どうも、あいつはいけない。呟いて新八郎は奥へ歩き出した。

「金唐革の財布」
川越の大地主で資産家の十兵衛の隠居後の生き甲斐は、骨董品収集趣味だった。木更津で手に入れた「金唐草の煙草入れ」を、自慢したくて仕方無く、船上で、寄ってきた侍の万谷又蔵に披露してしまうが、それが仕組まれた罠の始まりだとは気が付かなかった。総額数千両の骨董品が騙し取られ・・、しかも十兵衛が水死、事故?、事件?、大名有馬家の下屋敷を利用した巧妙な詐欺事件、金持ちの高齢者を狙った現代の詐欺グループ事件にも重なる。新八郎は、根岸肥前守から、同心大竹金吾と協力して真犯人を逮捕するよう下知される。道具屋権八?、亀井才助?、義弟上総屋進之助は?、
「道楽と申すのは怖しいものじゃな」・・・、着替えをすませ、愛用の銀煙管に煙草をつめながら。肥前守が苦笑した。

「新堀川慕情」
新八郎の妻郁江の実家神谷家の菩提寺、麻布の光林寺の門前で、神谷鹿之助が数人の武士に、「お命頂戴!」と取り囲まれる事件が発生。新八郎が、探索に乗り出すが・・・。品の良い若い侍とは何者?、琴の師匠お涼とは何者?、定廻り同心大久保源太、下っ引き熊吉等に協力させ、謎解きにかかるが・・、そこに鬼勘の娘お初も・・・。家紋の「抱き茗荷」がヒントになり、稲垣家のお家騒動?が浮上。稲垣若狭守定純の妾腹の子、藤五郎定成とは?、
「双方とも、刀を引け。殿様の仰せである・・」「望月群兵衛は、殿様の御前にて切腹した。・・・」。若狭守の奥方は、上州万徳寺で出家療養となり・・・。
事件が収まって以来、お初がせっせと琴を習いにお涼の家へ行ってるという。おきゃんな下町育ちが、なにをいまさら・・・。でも、新八郎は、そのうち、新堀川の冬景色でも眺めがてら、お初の琴を聞きに行ってもいいと思い直すのだった。


「さいかち坂上の恋人」
多忙な南町奉行根岸肥前守鎮衛が、珍しく、居間の縁側で考え深げに夕映えを眺めているところから始まる。旗本の石川八十之助が、賭けで負け、将軍から拝領した家宝の短刀を、妻お道の実家の札差板倉屋仁兵衛に取られ、窮地に陥っているという。新八郎は、肥前守から、問題を解決するよう指示されるのだが・・・。なんでまた?。
肥前守の関わりは、石川家の姑戸美(後後室、先代石川又四郎の妻)だった。元凶は、嫁と姑問題?。

問題は解決されたが、娘時代、お茶の水小町、鈴木小町だった戸美は、60の老女になり、息子や嫁の嫌われ者になって江戸を去った。さいかち坂の上の安生家の隣家、鈴木家の小町娘は、肥前守にとって永遠の恋人のようなものだったのかも知れないと思い、新八郎は自分が対面した気の強い鬼婆のことを、生涯、口にするまいと固く心に決めた。それにしても、女はどこでどうなると、あんなにも変わるものか・・・・・・、新八郎は大きな嘆息を呑み込んだ。

(つづく)


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3 コメント

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ちゃきちゃき (アナザン・スター)
2023-04-12 16:52:45
楽しめる内容に、一気に読めますね。

新八郎のタジタジ振りが、可笑しみを誘います。
江戸時代、女性の方から好きだとも告白等、はしたない世情にすかっとしました。
アナザン・スターさん、こんばんは、 (takezii)
2023-04-12 22:07:17
今のところ、楽しめる時代小説を中心に読んでいる爺さんですが、指折り数える程の作家しか知りませんが、平岩弓枝著作も、気に入ってる方です。
新八郎・・、「かわせみ」の神林東吾同様、女性に好かれるキャラクターですね。美女に心が動き、それを冷やかし半分楽しんでいる根岸肥前守・・・といった図でしょうか。シリーズ物、これからどんな展開になるのか知りませんが、お鯉、お初、気になりますね。
コメントいただき有難うございます。
Unknown (ひろし曾爺1840)
2023-04-13 08:35:47
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