775話)ダムも埋まる

 この写真は、大同県徐町郷のものです。夏の雨が、浸食谷をえぐっていくわけですね。地元の人の話では、大小48の浸食谷がある、ということでした。柔らかい土は流されてしまい、固いところだけが残ります。こうなると、なかなか植物が育ちません。植物が育たないために、なおさら土が流されます。悪循環ですね。

 そのむこうに、水面がみえます。あれは冊田ダムです。桑干河をせき止めています。ところがダムの周囲に雨が降ると、ダムに土が流れ込みます。上流からも、土を含んだ水が流れ込みます。いまから10年あまり前には、桑干河の水には1m3あたり、44kgの土が含まれている、といわれていました。最近は、上から流れ込む水はほとんどありません。

 ダムはだんだん埋まってしまいました。1950年代末につくられたこのダム。貯水能力は当時の3分の1に落ちたといいます。土砂で埋まってしまったんですね。でも、もともとこのダムは、下流にある官庁ダムを守るために、大水がでたときはそれを貯め、土が官庁ダムに流れ込むのを止めるのが目的の1つだったそう。だとすると、その目的を果たしてきたともいえるでしょう。
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