778話)ヒツジの放牧

 植生を貧弱化させている原因の1つが、家畜の放牧です。多いのはヒツジとヤギですね。その影響が深刻なのは、草の芽がでるかでないかの春先だと思います。一面の冬枯れ色で、青いものはほとんどみられません。ヒツジが前足で地面を引っかいて、草をほじくりだして食べようとしていることさえあります。

 大同では、頭をあげているヒツジをみたことがありません。いつも下をむいて、草をさがしているんですね。ところが、生まれたばかりのこどもは、ちゃんと頭をあげています。でないと、乳を飲むこともできませんよね。四六時中、草をさがしているうちに、骨格まで下向きになるのでしょうか。

 政府は放牧を禁止し、柵飼いを奨励しています。でも、そうなると、ちゃんと牧草を準備しないといけませんね。あるいはトウモロコシの茎葉をエサにする。放牧だったら、そんなめんどうはいりません。どんなに政府が禁止しても、完全にはなくならないのです。でも、以前にくらべ、ずいぶんと減ってきたのは事実です。そのおかげで、全体として潅木や草の緑が再生してきています。

 木を植えて育てる立場からすると、放牧はほんとに困るのです。でも、大同の名物は[シ刷]羊肉で、ヒツジのシャブシャブ。ほんとにおいしいんですね。そのときは放牧の害など、すっかり忘れています。
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