1308話)コーリャン

低地の恵まれた畑でトウモロコシのつぎに栽培されたのがコーリャン(高粱)。背丈が高く、東北の農村などでは、このなかに遊撃部隊が潜んでいてもわからず、日本軍が苦労したそう。「紅いコーリャン」という映画もありましたねえ。

コーリャン原料の黒っぽい乾麺が大同のスーパーに並んでいました。私が手を伸ばすと、大同事務所の李海静さんが止めました。「まずくてとても食べられないから買っちゃあダメ」。

じゃあ、なににするのでしょう。液体にして食べるのです。そう、白酒(パイジュウ)の主たる原料になります。この写真は量り売りの白酒で、容器を持参して銘柄を指定すると売ってくれます。散酒といいます。


この店の最高度数は紅高粱酒の原酒、70度でしたが、なかには75度、80度といったものまであります。蔚県の観光名所・西古堡に屋外で白酒をかもしている小さな酒屋があり、そこの最高度数が80度でした。試飲して、どうだ?ときかれたので、「ハオホー(好渇)」と答えたら、「おいしいのにどうして買わないんだ」と言われました。

もう10年近くなるでしょうか、大同の農村で急にコーリャンが増えた一年がありました。ちょうどそのころ、ガソリンスタンドでエタノール混入の燃料が売られていました。でも、アッというまに消えてしまったのをみると、食糧との競合が問題になったのでしょう。そしていまは前々回に書いたようにトウモロコシ一色です。
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