1306話)トウモロコシ

渾源県で緑化協力を開始した1992年の秋に、単身で3か月弱、現地の農村を回りました。なにかしないといけないことがあったわけでなく、中国語はニィハオ、シェシェ、ツァイチェン、ツゥスオザイナーリ?の4つしか話せませんでしたから、なにかができたわけでもありません。でも、このときの経験は大きかったと思います。

協力事業をはじめた西留郷で、トウモロコシ(玉米)の収穫を手伝ったりしながら、いろんなことを学びました。まずは栽培している作物について。肥料分と水分に恵まれた低地の畑では、トウモロコシやコーリャンなど、背丈の高い作物が中心になるそう。

トウモロコシは食味は好まれないけど、収穫量が多いので、栽培が可能な畑では優先するそうです。あとになってきいたことですが、農村では「以前はトウモロコシばかり食べていたけど、いまは豊かになったから小米(アワ)になった」のだそう。

都市の人からは、「以前は小米を食べていたけど、いまは豊かになったので白麺(小麦粉)になった」とききました。

ところで昨年、一昨年と、河北の農村でトウモロコシの作付けが徹底していると思います。ほかの作物をみないといっていいほど、トウモロコシばかり。ちゃんとした根拠があるわけではありませんが、アメリカとの対立の深まりが予想されるなか、自給率を高めようとしたのではないでしょうか。
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コメント
 
 
 
夫婦喧嘩は存在しない (浅井洋)
2020-01-08 16:07:45
高見さま

  アメリカとの対立を予想して 自給率の高い 玉米(とうもろこし)の 作付けは 凄いですね
 
 
 
確証はないんですけど。 (高見邦雄)
2020-01-08 17:38:20
確証があるわけではないんですけど、トウモロコシの栽培がすごかったので、日本の専門家たちも同様の感想をもたれたようです。
とにかくいまの中国の変貌は、日本の高度成長に比べても、分野の広がりも、深さも、旧角度ぶりも、ものすごいものがあります。
ザンネンながら、日本のメディアではそのあたりのことがまったく伝わりませんので、自分で体験していただくしかありません。
私にそのような能力が不足しているのが、ほんとにくやしい。
 
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