805話)立花吉茂先生の執念がみつけだした森林

 立花吉茂前代表が、緑の地球ネットワークに加わるさいの条件は、「現地に植物園をつくる」というものでした。植物園の英語表記はBotanical Gardenであり、直訳すると植物学園、つまり植物についての研究所なんだ、ということです。私はその場で約束しましたが、実際に動き始めたのは、3~4年もたってからです。

 1998年の春、霊丘の李向東に「立花代表は植物園をつくるのが望みだ。その候補地と周囲の植生調査をはじめてくれ」と頼んだら、その年の7月、李向東は「自然林がみつかった。こんな大きな木がある」といって、一抱え以上のジェスチャーをします。

 私なんかいつも、「信じるのは自分の目だけ!」といっているくらいで、にわかには信じられません。遠いのか?ときくと、「いや、すぐだ。2里ほど」と李向東はいいます。中国の1里は500mですから、2里だと1㎞。それだったら、すぐにでもいけます。

 それからの経緯を書くと、長くなりすぎるので省きます。立花先生のことばで、それを代表しましょう。「近くて遠きは田舎の道」というのだそう。何回かの空振りの末、朝暗いうちに宿をでて、その山のふもとの村で車を止め、4~5時関を歩いてついたのが、この山でした。

 何回かの調査で、この山のことがわかりました。22年ほどまえに伐採されたあと、人がこなくなり、ここまで再生したのです。ナラ、カエデ、シナノキなどで成り立つ落葉広葉樹の森林でした。

 あ、そうです。立花先生のさっきのことばは、対になっています。「遠くて近きは……」、なんでしょう?
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