1345話)私のこどものころ 共同井戸

 共同井戸

私が中学生のころでしょうか。それまでは各家に井戸があったのですけど、小域の上水道が設けられることになったのです。衛生問題を考えた上からの一律の決定だったんでしょうね。私たちの村落では、大人たちが何度も何度も寄り合いをもち、近所の家の井戸を拡張し、その水をつかうことになりました。

専門の業者もはいったと思いますけど、村の人たちが作業員になったと思います。深さもずいぶん深くし、採取できる地下水量を多くするために、井戸底の面積を広くしたといいます。六畳間くらいの広さがあるかな、と話していました。

消毒薬を規定の最低限に押さえた、と私の父親は話していました。蛇口をひねれば水がでる生活がはじまったのです。水源から私の家までの距離は50mほどですので、冬は温かく、夏は冷たい水温に変わりはありません。たまに実家に帰省して、ああここの水はそのまま飲んでおいしいな、と思います。兄は、「名水百選」とかの水と水脈は同じだからな、とジマンします。

風呂は以前の五右衛門風呂からタイル張りに変わりましたけど、実家に帰っても入ることがありません。近くの町がナントカ創生資金でいくつも温泉を掘りましたので、帰るたびにそこにいきます。
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