DREAM2
4/29に行われた新興格闘技イベントDREAM第2戦。良くも悪くもPRIDE風に進行した8試合の簡易感想。解説は高阪、須藤。
第1試合○青木真也VSJ.Z.カルバン× 判定3-0
青木の後頭部への肘により延期になったカードの再戦。慎重になりすぎて消極的だった前回の反省もあってか、両者序盤から積極的に動いていく……ものの、カルバン、グラウンドを警戒するあまり腰が引けている。打撃の一発一発は迫力あるものの、全体としての圧力に欠ける。
となると流れは青木。カルバンをグラウンドへ、寝技地獄へと引きずりこんでいく。
結果からいうと、青木の完封勝利。1R序盤におんぶがくずれたところへパウンドをもらって危ない場面があったものの、その他は危なげなく、カルバンの持ち味を消して自分のゾーンで戦うことに成功した。欲をいえば2R後半の極まりかけた腕ひしぎで終わらせてほしかったが、強豪カルバン相手に価値ある一勝を上げた。なぜこれが第1試合なのかわからない。
第2試合○金泰泳VSミノワマン× 判定3-0
リアルパッチギ、K-1の裏番長など、ヤンチャな呼び名が多いものの、実態は正道会館の副館長を務める偉いおっさん。ミノワマンに関しちゃ……説明いるか?
1R 打撃を避け、タックル狙いのミノワマン。対する金はタックルを切りつつキック。右ローと左ハイの対角線のコンビネーション。時折ミドルとテンカオ。
一ヶ月の間に10分1Rのスパーを110Rこなしたと自信満々の金は、テイクダウンされても余裕がある。空手家とは思えないほどの巧みなディフェンスで、ミノワマンの攻めを凌いであっさりスタンディングに移行する。
金のスタンド打撃はローがよく走っていて、みるみるうちにミノワマンの足が腫れ上がっていく。
2R ローがきいて突撃力の落ちたミノワマン。それしか勝ち筋がないので無理くりつっこみ続けるが、テンカオをもらい続けて大ダメージ。タックル切られて4点ポジションから膝、というシーンが多くなる。
後半、両者ともスタミナ切れになったが、判定は文句なく金の3-0。
金強い。スタミナさえなんとかなればかなりいい線いくのではないだろうか。
第3試合○ユン・ドンシクVS大山峻護× 判定3-0
日韓柔道家対決。
テイクダウンはユン。下から大山が攻めるも、ユンしっかりとしたボディバランスでポジションをキープし、マウントをとる。
一連の攻めは成就しないが、グラウンドでは常にユンが優勢。なんといってもバランスが良い。パウンド打ってもまったく体勢崩れない。
大山も悪くはない。横向き三角や足関などであわやというチャンスを作るも、ユンに冷静にエスケープされる。
判定はユン。3-0
両者ともコンディションがよく、面白い一戦となった。
第4試合○ゼルグ”弁慶”ガレシックVSマゴメド・スルタンアクメドフ× 一本(腕ひしぎ逆十字固め)
ミルコのスパーリングパートナー対ロシアのサンビストということで、ミルコとヒョードルの代理戦争という流れに無理矢理もっていくのはどうかと思うが、昇り竜同士の興味深い一戦であることは間違いない。
1R ガレシックのパンチラッシュを止めたいスルタンアクメドフ。テイクダウンして上からパウンドを落とそうとするが、ガードポジションからうっかり腕ひしぎをもらい、そのまま極められてしまう。
盛り上げるだけ盛り上げといて実力を出す前に終わったスルタンアクメドフ。次回があれば期待したい。あれば。
第5試合○ホナウド・ジャカレイVSイアン・マーフィー× 1本(チョークスリーパー)
ムンジアル5連覇にアブダビ王者という輝かしい戦歴を引っさげて登場したジャカレイ。ワニを模したパフォーマンスが面白い。
レスリングの全米学生王者イアン・マーフィーは、戦歴もしょぼいが総合も初参戦ということで、ただの金魚だと思われる。
1R 早々にイアン・マーフィーがテイクダウンするものの、グラウンドはジャカレイの領域。体にからみ、腕にからむ、ねちっこい動きでイアン・マーフィーを攻め立てる。腕ひしぎ→アームロック→キーロック→チョーク→パウンドと散々に追い込み、最後はバックマウントからチョークスリーパー。
ワニの住む河に落ちてしまった哀れなイアン・マーフィーは、おいしくいただかれてしまいましたとさ。
第6試合○田村潔司VS船木誠勝× 1RTKO
あさま山荘事件や安保闘争をモチーフにした煽りVは少々センチメンタルに過ぎるか。
日本の総合の走りであるUWFという団体と、それに青春を燃やした2人が今再び相まみえる。当時の映像と、リングに上がって四方に礼をした後じっと船木を見詰めた田村の目が印象的。
1R 秒殺。パウンド勝利。それ以外に説明する言葉を持たない。
決してつまらない試合ではなかった。勝つことだけがすべてではない。戦うことに意味がある。そういう戦いだった。
第7試合○ゲガール・ムサシVSデニス・カーン× 一本(三角締め)
1R 本日最高のサプライズ。冷静に優勢に試合を進めていたデニス・カーン。パウンドを打ち下ろした腕をとられ、瞬時に三角に極められてしまった。
第8試合○桜庭和志VSアンドリュース・ナカハラ× 一本(フェイスロック)
1R 極真王者、日系ブラジル人のナカハラはキックで、桜庭はパンチを打ちながらテイクダウンを狙う。
強いローとブラジリアンキックで攻めるナカハラ。総合の訓練は積んできたのだろうか。まだまだ動きがぎこちない。総合ではない。驚異的なバランス感覚と粘り腰、セオリー無視の動きで再三桜庭のタックルを切るも、とうとう捕まり、極められてしまった。フェイスロックというあり得ない極め技が桜庭らしい。
4/29に行われた新興格闘技イベントDREAM第2戦。良くも悪くもPRIDE風に進行した8試合の簡易感想。解説は高阪、須藤。
第1試合○青木真也VSJ.Z.カルバン× 判定3-0
青木の後頭部への肘により延期になったカードの再戦。慎重になりすぎて消極的だった前回の反省もあってか、両者序盤から積極的に動いていく……ものの、カルバン、グラウンドを警戒するあまり腰が引けている。打撃の一発一発は迫力あるものの、全体としての圧力に欠ける。
となると流れは青木。カルバンをグラウンドへ、寝技地獄へと引きずりこんでいく。
結果からいうと、青木の完封勝利。1R序盤におんぶがくずれたところへパウンドをもらって危ない場面があったものの、その他は危なげなく、カルバンの持ち味を消して自分のゾーンで戦うことに成功した。欲をいえば2R後半の極まりかけた腕ひしぎで終わらせてほしかったが、強豪カルバン相手に価値ある一勝を上げた。なぜこれが第1試合なのかわからない。
第2試合○金泰泳VSミノワマン× 判定3-0
リアルパッチギ、K-1の裏番長など、ヤンチャな呼び名が多いものの、実態は正道会館の副館長を務める偉いおっさん。ミノワマンに関しちゃ……説明いるか?
1R 打撃を避け、タックル狙いのミノワマン。対する金はタックルを切りつつキック。右ローと左ハイの対角線のコンビネーション。時折ミドルとテンカオ。
一ヶ月の間に10分1Rのスパーを110Rこなしたと自信満々の金は、テイクダウンされても余裕がある。空手家とは思えないほどの巧みなディフェンスで、ミノワマンの攻めを凌いであっさりスタンディングに移行する。
金のスタンド打撃はローがよく走っていて、みるみるうちにミノワマンの足が腫れ上がっていく。
2R ローがきいて突撃力の落ちたミノワマン。それしか勝ち筋がないので無理くりつっこみ続けるが、テンカオをもらい続けて大ダメージ。タックル切られて4点ポジションから膝、というシーンが多くなる。
後半、両者ともスタミナ切れになったが、判定は文句なく金の3-0。
金強い。スタミナさえなんとかなればかなりいい線いくのではないだろうか。
第3試合○ユン・ドンシクVS大山峻護× 判定3-0
日韓柔道家対決。
テイクダウンはユン。下から大山が攻めるも、ユンしっかりとしたボディバランスでポジションをキープし、マウントをとる。
一連の攻めは成就しないが、グラウンドでは常にユンが優勢。なんといってもバランスが良い。パウンド打ってもまったく体勢崩れない。
大山も悪くはない。横向き三角や足関などであわやというチャンスを作るも、ユンに冷静にエスケープされる。
判定はユン。3-0
両者ともコンディションがよく、面白い一戦となった。
第4試合○ゼルグ”弁慶”ガレシックVSマゴメド・スルタンアクメドフ× 一本(腕ひしぎ逆十字固め)
ミルコのスパーリングパートナー対ロシアのサンビストということで、ミルコとヒョードルの代理戦争という流れに無理矢理もっていくのはどうかと思うが、昇り竜同士の興味深い一戦であることは間違いない。
1R ガレシックのパンチラッシュを止めたいスルタンアクメドフ。テイクダウンして上からパウンドを落とそうとするが、ガードポジションからうっかり腕ひしぎをもらい、そのまま極められてしまう。
盛り上げるだけ盛り上げといて実力を出す前に終わったスルタンアクメドフ。次回があれば期待したい。あれば。
第5試合○ホナウド・ジャカレイVSイアン・マーフィー× 1本(チョークスリーパー)
ムンジアル5連覇にアブダビ王者という輝かしい戦歴を引っさげて登場したジャカレイ。ワニを模したパフォーマンスが面白い。
レスリングの全米学生王者イアン・マーフィーは、戦歴もしょぼいが総合も初参戦ということで、ただの金魚だと思われる。
1R 早々にイアン・マーフィーがテイクダウンするものの、グラウンドはジャカレイの領域。体にからみ、腕にからむ、ねちっこい動きでイアン・マーフィーを攻め立てる。腕ひしぎ→アームロック→キーロック→チョーク→パウンドと散々に追い込み、最後はバックマウントからチョークスリーパー。
ワニの住む河に落ちてしまった哀れなイアン・マーフィーは、おいしくいただかれてしまいましたとさ。
第6試合○田村潔司VS船木誠勝× 1RTKO
あさま山荘事件や安保闘争をモチーフにした煽りVは少々センチメンタルに過ぎるか。
日本の総合の走りであるUWFという団体と、それに青春を燃やした2人が今再び相まみえる。当時の映像と、リングに上がって四方に礼をした後じっと船木を見詰めた田村の目が印象的。
1R 秒殺。パウンド勝利。それ以外に説明する言葉を持たない。
決してつまらない試合ではなかった。勝つことだけがすべてではない。戦うことに意味がある。そういう戦いだった。
第7試合○ゲガール・ムサシVSデニス・カーン× 一本(三角締め)
1R 本日最高のサプライズ。冷静に優勢に試合を進めていたデニス・カーン。パウンドを打ち下ろした腕をとられ、瞬時に三角に極められてしまった。
第8試合○桜庭和志VSアンドリュース・ナカハラ× 一本(フェイスロック)
1R 極真王者、日系ブラジル人のナカハラはキックで、桜庭はパンチを打ちながらテイクダウンを狙う。
強いローとブラジリアンキックで攻めるナカハラ。総合の訓練は積んできたのだろうか。まだまだ動きがぎこちない。総合ではない。驚異的なバランス感覚と粘り腰、セオリー無視の動きで再三桜庭のタックルを切るも、とうとう捕まり、極められてしまった。フェイスロックというあり得ない極め技が桜庭らしい。
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