はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

あたらしい朝(1)

2008-09-16 21:41:01 | マンガ
あたらしい朝 1 (1) (アフタヌーンKC)
黒田 硫黄
講談社

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「あたらしい朝(1)」黒田硫黄

 希望の朝、新しい朝、その言葉に繋がるのは輝かしい未来のイメージだ。実際にどうなろうと、状況がどうあれ、明日になれば何かが変わる。変わってくれる。そう夢想する人は多い。僕だってもちろんその1人。
 本書の主人公は2人の青年マックスとエリック。女を騙して小銭を稼ぐケチなチンピラだったが、ある夜、道端で拾った札束満載のバッグがもとで、人生の方向が捻じ曲がっていく。
 謎の鞄が実は街の有力者の裏金だったことを知った2人は、マックスの意中のパン屋の女・ベルタと3人で鞄を秘密の場所に埋め、自分達は列強諸国へ侵略中のドイツ軍へ入隊する。
 最初は戦況を楽観視し、2年も経てば戻れると皮算用していた2人だが、ドイツの快進撃とともに雲行きは怪しくなっていくのであった……。

 1930年代のドイツ軍を舞台にした戦記物……などになるわけはむろんない。はず。おそらく冒険物になるんじゃないだろうか。
 冒頭の掴みはありきたりでうまくない。1巻の舞台がほぼ船の上だったことも手伝って、閉塞感ばかりでストレスが溜まる展開が多かったのも減点。
 ともあれ黒田硫黄一流のリアルな描写が当時の状況を臨場感たっぷりに描いているので、それだけでも十分に楽しめるはずだ。ファンにとってもひさしぶりの単行本。ここは当然「買い」でしょう。

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