はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

桃栗三年

2012-05-28 20:07:47 | マンガ
桃栗三年 (リュウコミックス)
クリエーター情報なし
徳間書店


「桃栗三年」亀井薄雪

 プラモ女子大生・桃瀬みすずと、遅筆な小説家・小栗は、四国の片隅のアパートのお隣さん。シンナー臭いとか煙草臭いとか、顔を合わせれば喧嘩ばかりの2人だが、決して仲が悪いわけではない。みすずの用事でちょっと遠くの古本屋に小栗の車で出かけることになった2人は、それ以来事あるごとに行動を共にするようになり、いつしか気になる関係に……。

 っていうストーリーだと思うじゃん?
 いやまあ大筋としては外してないんだけど、あまりにも進むのが遅すぎる。シリーズものじゃないくせに、終わった段階でぜんぜんくっつく様子がないとか、のんびりしすぎだろ。正確には、みすずのほうは意識し始めてるんだけど、小栗のほうがさっぱりで、この先(あるとしたら)続巻で長々と手順を踏まないとだめっぽい。
 まーでも、お話としてはけっこう好きな部類だった。プラモ女子なんていうものがこの世に存在するのかどうかはさておくとして、みすずのプラモへのこだわりは見ていて微笑ましかった。マスキングテープをはがす時の快感とか、男子でもそんなにわかるやつはいないと思う。僕自身もモデラーではないので、彼女のこだわりはいまいち理解できなかった。けど、積みプラモがあるという言葉でピンときた。そうか、ああいう感じなのか。
 一方の小栗はデビュー作がヒットしたっきり音沙汰がない一発屋系の人なのだけど、この人の小説へのこだわりが見たかったな。資料ばかり集めてて、いまいち情熱が伝わってこなかった。みすずへの感情もさっぱりだし。後半彼の失踪が盛り上がらなかったのも、そのへんに理由があったと思う。
 だるだるした絵のタッチと雰囲気が好きなので、もし続編があるなら見たいかな。次は、みすずの大学生活や小栗単独のプライベートが見たい。
 おすすめは……どうかな。この絵のタッチが好きな人なら大丈夫だと思う。

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