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はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

この彼女はフィクションです。(2)

2011-08-28 18:23:37 | マンガ
この彼女はフィクションです。(2) (少年マガジンコミックス)
クリエーター情報なし
講談社


「そうか……。これが「恋」か……」

「この彼女はフィクションです。(2)」渡辺静

 ユーリの暗い青春を支えてくれた妄想彼女・ミチルは、妄想だけに、ユーリの自由に設定できた。巨乳で天然で黒髪ロングで超絶美形。ドジっ娘だったり、料理が苦手だったりという短所を差し引いてもあまりあるほどのプラスだらけ。あげくにユーリのことが大好きで、具現化までしちゃうとなれば、妄想主の本望だと思うのだが、どっこいユーリにはすでに同じ部活に想い人がいて、暗い青春からは脱却できそうになっている。もう、ミチルは必要ないのだ。
 が、むしろとんでも設定そのままに具現化してしまったミチルは、自分から心変わりした原因の女を突き止めて排除しようなどという狂気極まる思いを口にする始末。
 ユーリの視線から、同じ部活の中にユーリの想い人がいることに気付いたミチルは、犯人捜しをしようとするのだが、その方法はなんと「皆殺し」だった……!

 ヤンデレ妄想彼女・ミチルが暴れまくる、シリーズ第2巻。前巻も面白かったけど、今回はさらに良かった。
 問題だらけでも、基本的には純粋無垢で、哀れな存在である彼女。ユーリとフーコ先輩は、拒絶するのではなく距離の取り方とコントロールの方法を考えようと、それぞれのやり方で彼女に接する。共有する秘密はさらに2人を接近させ、恋愛方面は否が応にも盛り上がりを見せる。
 フーコ先輩のかわいさは異常。これは異論ないところだと思う。ユーリと接するたびに高まる動悸の理由を知ろうと思うあまり、ついには深夜のユーリ宅訪問まで敢行してしまう彼女。その彼女が、とうとう自分の気持ちを知ってしまうあたりで悶え死んだ。
 最高です。早く続きをお願いします。

BAKUMAN(14)。

2011-08-25 10:39:18 | マンガ
バクマン。 14 (ジャンプコミックス)
クリエーター情報なし
集英社


「BAKUMAN(14)。」原作・大場つぐみ 漫画:小畑健

 蒼樹さんと平丸さんが付き合うというまさかの展開から少したったサイコーとシュージンのもとに、ある知らせが届いた。それは、昔から2人のファンでいてくれていた七峰くんが、驚異の新人としてデビューを飾ったこと。純粋に喜ぶ2人。作品自体も亜城木夢叶を思わせるキワモノで、極めて面白い。
 危機感を抱く2人に会いたいという七峰くんのたっての希望で、直接本人と会ってみると、爽やかで明るい気持ちの良い青年で、とてもじゃないが、あんなキワモノを書く人間には見えない(他人のことはいえない)。疑念を抱く2人の前で、七峰くんは本性を現した。彼は、ネット作家だったのだ。正確には、ネット上で50人のブレインを応募し、ブレインの意見を集約して原稿にする企画者にすぎなかった。
 漫画とは、漫画家が編集者と共に知恵を絞り、全身全霊をこめて描く想像の結晶である、という認識の2人にとって、七峰くんのやり方はとても承認できるものではない。だが、編集部にチクるのも卑怯だ。2人は正々堂々漫画の面白さで勝負することを、七峰くんに宣言する。
 亜城木夢叶対50人。
 先の見えない血戦が、人知れず始まった……。

 毎回毎回想像外の角度から攻めてくる大場つぐみだが、今回はとりわけ面白かった。ゆとり世代全開のいけ好かない七峰くんを、いかにして打ち負かすのか、その過程の推移が良かった。まあ、結果的には2人はなんにもしてないような気もするし、あっさりしすぎのきらいはあるが、終わり方には納得がいった。
 うん、人間って、そういうもんだと思う。
 漫画の作り方に正解なんてない。面白ければそれが正義だし、作り方は表には出てこない。
 でも、それでも、そこには人間性が現れると思うのだ。いみじくも新妻先生が指摘したように、作品には作者の顔が見えてほしい。 

彼女のひとりぐらし(2)

2011-08-17 19:01:47 | マンガ
彼女のひとりぐらし (2) (バーズコミックス デラックス)
クリエーター情報なし
幻冬舎


「彼女のひとりぐらし(2)」玉置勉強

 輿水理香、26歳独身。デザイナーとして会社勤務していたが、在宅で働くようになってから一気に生活のペースが乱れた。もともとそんなに規則正しく清らかに暮らしていたほうではないが、掃除・洗濯・食生活や美容衛生にいたるまで、人間として、女としてのすべてがダメに偏向していく……。
 食っちゃ寝、こたつむり、今の下着は二日半履いてます、戸口で酔い倒れ、あらゆる瞬間に男との生活を妄想、などなど、ダメなキーワードが盛りだくさんの、彼女の明日はどっちだ?

 ダメな女の一人暮らし、2巻目。今回も、前回に増して女性捨ててます。
 つってもね、まー1人暮らしなんてこんなもんだと思うけど。恋人がいるのでもないかぎりは、自分自身を克己させながら生きていくのってなかなか難しいものだし。心当たりがある人も多いのでは? 女性だけにかぎらず。
 ところで今回は、各所に若かりし日の理香ちんのカットが描かれている。バスケ部だったり、中学(?)の制服姿だったり、その爽やかスポーティな少女ぶりが、逆に哀れを思わせるしかけ。ああ、この娘はどうしてこんなに酒乱で暴言と妄想ばっかりな女になってしまったのか、誰しもがそう思うはず。まーそこがこの漫画のいいとこなんだけどね。
 酒好きな女性が好きな僕としては、今回もやっぱり飲酒シーンが良かった。ホットバタードラム? とかいうカクテルがめっちゃうまそうだった。
 あ、そうだ。今回妹さんのまさかのデレがあります。

ゆりキャン(1)

2011-08-08 19:35:31 | マンガ
ゆりキャン 1 (ジェッツコミックス)
クリエーター情報なし
白泉社


「ゆりキャン(1)」原作:原田重光 漫画:瀬口たかひろ

 おお、「ユリア100式」と「オヤマ菊之助」の人がコラボったかあ、と思ったら、「オレたま」でやってたっけ、そういえば。あっちは微妙な出来だったけど、今回はどうかなあと警戒してみたら、これがかなりの上出来だった。
 女の子だらけの名門・白泉女子大学に通うゆりかは、スタイル抜群容姿端麗で、とてもいい感じの女の子なのだけど、なぜか男子には向きもされず、女の子にモテる。でも、本人にはその気がない。しかし父親の会社の経営が破綻し、突如家も明日を生きる糧もなくなった彼女には、そっちに走るしかなかった。女をコマし、食わせてもらうしか。ここに、女スケコマシの伝説が幕を開ける……

 めちゃくちゃ(笑)、もう本当にめちゃくちゃで笑える。ノン気だったゆりかが、今を生きるために女の子にたかり、その代償としてコマしまくり、しまいには周りに「あの人には雄しべがついていて、受粉させられる」とかいわれる始末。その積み重ねが彼女をその道のプロにさせ、「必ず……コマしてみせる!!」の決め台詞とともに毎回違ったターゲットの女の子を堕としていくという……自分で書いててもなにがなんだか、という感じだけど、面白いのはたしか。そこは保証できる。やっぱり、原田重光の作品はツッコミが効いてていいね。

げんしけん(10)二代目の巻

2011-07-31 19:24:22 | マンガ
げんしけん 二代目の壱(10) (アフタヌーンKC)
クリエーター情報なし
講談社


「げんしけん(10)二代目の巻」木尾士目

 おおお、まさかの続編。
 笹原世代が卒業、就職してからの現代視覚文化研究会は新人が獲得できず、その存続を危ぶまれていた。当代を引き継いだ荻上は、なんとかしようと熟慮を重ねた上、自分のもっとも得意とする分野、つまり絵描きで勝負することにした。新歓をかねての公開絵描きで、今回はなんと大量3人もの新人が釣れた。
 リアル男の娘の波戸、屈託のない全開腐女子・吉武、コンプレックスの塊・矢島。三人娘は揃いも揃って腐女子(一部男子)で、部の方向性がずれてきた。
 ものの、それで問題があるかというと、そうでもない。もともとのげんしけん自体、アニ研でも漫研でもない、どっちつかずの同好会だったわけで、方向性は偏るにせよ問題ない。唯一の男子会員朽木君はあんなだし。
 ともあれ、新人獲得に成功したげんしけんは、第二フェーズに移行した。

 んで、今回は新人たちのお話。大学入学したばかりの彼女らが、げんしけんというおかしな人間の集まりにいかに溶け込んでいくかを描いている。
 焦点は波戸君。男の娘の彼女(?)が斑目の部屋で着替えるというシチュエーションをうまいこと利用して、面白おかしく描けている。
 僕自身、大学時代に所属していたTRPGサークルが潰れているので、なんだか気が気ではなかった。あの時自分たちのいた場所がなくなることの辛さ、寂しさは、味わった者にしかわからない。だからこその、荻上さんの努力に乾杯。衆人環視の中で、しかも一般人大多数の完全アウェーでその手の絵を描くなんて、生半可な覚悟じゃできません。僕なんか、新人勧誘のポスター配りすら恥ずかしかったのに。え? そういう絵じゃない? またまたー。 

3月のライオン(6)

2011-07-29 10:44:07 | マンガ
3月のライオン 6 (ジェッツコミックス)
クリエーター情報なし
白泉社


「3月のライオン(6)」羽海野チカ

 大人気将棋漫画第6弾。
 いやあ、待ってた待ってた。楽しみにしていた甲斐のある面白さだった。
 前回のラストから、引き続きひなちゃんのいじめ問題に関して。いじめられていた友達をかばっていたら、その友達が転校してしまって、今度はその標的がひなちゃんになってしまったところから。
 まあ、いきなり大攻勢がかかっているわけでもないのだけど、クラスの中での浮き方や、いわれなき中傷の落書きとか、やばい雰囲気はぷんぷん漂ってきている。ひなちゃんが恐れるのも当然で、それを聞いた零くんの怒りももっとも。ちょっと嬉しい驚きなのは、その激しさ。自分の大事な存在を守ろうという意気込みが、強くてまぶしかった。ずれてる部分はあるけども、自分にできるかぎりまっすぐに向き合おうとする真摯さは素晴らしい。これが恋愛に……はならんだろうね……。
 それと並行して、新人王戦も大詰めになってきていた。ひなちゃんが中退した時の家庭教師の費用のことまで想定して(!)日々の対局に気迫のこもっている零くんと、その情熱を良いほうに解釈している二海堂の2人が、いよいよ準々決勝に進出。これはもしやのライバル対決?
 そこから先はご自分の目で。意外……というわけではなかったのだけども。あ、もう来たのか、とは思った。こりゃあ7巻は激熱だね。

 ところで今回は、零くんの元担任の林田さんの株が大暴騰だった気がするのだけどもどうか。いじめ問題へのスタンスとか、元教え子の境遇への共感とか、かなり熱いものがあった。ひなちゃんの担任がひどい分だけ、良さが光る。僕も、あの頃こういう先生に出会えていたら、人間不信の度が進行しなくて済んだのだろうか……詮無きことを考えます。

のりりん(3)

2011-07-26 14:38:03 | マンガ
のりりん(3) (イブニングKC)
クリエーター情報なし
講談社


「のりりん(3)」鬼頭莫宏

 街乗り(?)自転車漫画第三弾。今回は、いよいよあのいけ好かない等々力との12キロバトル。
 りんママの策略と、昔のモンスターマシンの空力フレーム。「横断歩道は降りて押さなきゃ渡れない」、「信号遵守」などの根本的な道交法のおかげで、なんとかかんとか互角に渡り合っていたのりだが、たかだか一週間漬けの特訓ではそもそもの脚力に大きな隔たりがあって、当然勝てるはずもなく……。
 最後にちょっとしたどんでん返しはあったものの、だいたい予想通りの展開だった。ご都合主義を重ねて無理くり勝たせようとしないところには好感が持てる。
 というか、ここで勝ったらこの漫画終わっちゃうもんね。語りたいところは、この次のパートからでしょ。自転車との付き合い方とか、通しての人と人とのつながりとか。
 あとは、迂闊な発言を繰り返すからももさんが良かった。自分の惚れた男を信じて応援する真摯なまなざしも素敵だった。りんがメインヒロインだと思ってたんだけど……違うのかねえ? まあ、もちろんこっちのほうがストレートで良いのだけども。

エデンの檻(13)

2011-07-23 23:59:51 | マンガ
エデンの檻(13) (少年マガジンコミックス)
クリエーター情報なし
講談社


「エデンの檻(13)」山田恵庸

 スパコンの名残どころか、腐敗しない死体までもが見つかった灯台の頂上。さらに先生の具合までもが思わしくなくなり、さすがの矢頼も焦りを覚える。
 そんな中、仙石パーティーにひさしぶりの合流者が。武藤・社の二人組のおじさん連中だが、こいつらはどうも、錦織という1人の男から逃げ出してきたようで……。

 旧世代の生き物の跳梁跋扈する島サヴァイヴァル13弾。
 さすがにマンネリになってきたせいか、ストーリーの進行に変化あり。島自体の謎の一部と、ラスボスっぽい人間の存在が明らかになった。
 でもなあ……個人的には旧世代の脅威にこそ興味があるわけで、現代の人間の悪意には、さほど引かれるものがない。脅威を出しすぎてマンネリ化したという問題点はたしかにあるんだけどさ……。
 ところで鈴木君、目立ちすぎでしょ。作者どんだけNTR属性なんだよ。

この彼女はフィクションです(1)

2011-07-21 17:44:23 | マンガ
この彼女はフィクションです。(1) (少年マガジンコミックス)
クリエーター情報なし
講談社


「この彼女はフィクションです(1)。」渡辺静

 転校続きで友達も恋人もできなかった葉村裕里は、想像の中の恋人・ミチルの「設定」をノートに描き続ける痛い子になってしまった。黒髪ロングで巨乳で天真爛漫で明るくて、羽村のことをユーリと呼んで慕っていて……。とても正視できない激痛の歴史が、大学ノートに換算して99冊……。
 そんな葉村にも、高校生になって初めて友人が出来、好きな人も出来た。彼女の名は久住風子。現役小説家でみんなの憧れである彼女に少しでも近づくために、彼女の所属している文芸部に唯一の男子部員として入り込んだ。まだまだ恋の花は咲かないが、そろそろ自分の暗部ともおさらばする時が来たのではないか。そう感じた葉村、過去の自分と決別するために、ミチルの絵を、文章を、すべて処分することに決めた。
 スポーツバッグいっぱいに詰め込んだ思い出を携えて葉村が訪れた神社は、偶然にも創作の神様を祀った社で、さらにさらに偶然なことには、そこには憧れの風子先輩もたたずんでいた。
 何気なく会話を重ねるうちに、風子の秘密と傷を知ることになった葉村。ここは自分もと勢い込んで、バッグを広げて見せてみると……。

 妄想彼女が具現化しました、という、とってもありがちなお話。
 と思いながら読んでいたのだけど、途中でそのイメージはがらりと変わった。一番は、葉村のミチルへの想いが終わってしまっていること。もちろん自分の妄想の塊だから、ミチルはかわいくて自分に都合が良い女ではあるのだけど、葉村はもう風子のことが好きで、だから、ミチルにあられもない恰好で抱きつかれればぐらりとしたりはするのだが、それでも本能のままにあらぶったりはしない。女性との接触自体が極めて苦手な草食系だから、二股なんて考えるべくもない。
 それは、ミチルにとってはアイデンティティに関わる重大事項。過去を、つまり自分を捨てて新たな恋に向き合おうとする葉村を振り向かせるために、彼女はとんでもないことを言い出した。
「犯人(好きな人)がいなくなっちゃえば、ユーリはまたわたしのこと好きになってくれますよね(はあと)」
 設定に関する文章が、ミチル誕生のどたばたでなくなってしまっていて、葉村自身は自分がどんな「設定」を決めていたか覚えきれていない(なんせ子供の頃からの幾層もの積み重ねだから)。「設定」していないこと(倫理観とか)はこれからじかに教えなければならない。
 課題が山積みなところで、ミチルは葉村の学校の葉村のクラスへ無理矢理転校してきて、葉村の好きな人を探そうとする。当の風子は一連の騒ぎに立ち会っているので事情は知っているが、風子自身が葉村のことを意識し始めていて、時折いい雰囲気になっちゃうのが危なすぎる。生命の危機的な意味で。
 いやあ、面白かった。妄想彼女ヤンデレ系の、意表をついたいい展開だった。2巻が待ち遠しい。

ひらけ駒! (2)

2011-07-18 02:12:10 | マンガ
ひらけ駒!(2) (モーニングKC)
クリエーター情報なし
講談社


「ひらけ駒! (2)」南Q太
 
 めきめき力を蓄えつつある一人息子の宝に触発され将棋を始めたママさんと、宝の日常を描いたアットホーム将棋漫画第2弾。
 あくまでアットホームなので、駒が光ったり病気で死にそうなライバルがいたりはしない。もちろん、一戦一戦宝は真剣で、楽しく打っているのだが、基本ママ視線なので、細かい勝負の趨勢や執着などは読者にもわからない。そういう肩肘張らなさがこの話のいいところだと思うので、それはそれで良し。
 今回の見どころは、連勝街道を走る宝の初段認可と、ママ初の実戦。動きの少ないこの漫画では、どちらもけっこう大きなイベント。
 しかし、この人たちって父親はいるんかね? ママさんの発言から、いるようなそぶりはあるのだけど、まったくぜんぜん姿を見ないのよね……。将棋会館に来たこともないし……。
 ところで、今回のマイフェイバリットは、ママさんの飲酒シーン。金曜日はワインDayといいながら、チーズ(?)をつまみに酔っぱらってる姿がキュートでした。