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最近、自分の周りでは組織の機能を発揮するために
「優秀な人材を置くから」というフレーズがよく使われる。
確かにキーマンが優秀かどうかで業務の質が決まる面は
大きいし、優秀でない人間を何人置いても意味がないどころか
かえってマイナスになることもあるので、重要な点だとは思う。
思うのだが。。。物事はそんなに簡単ではないとも思うのだ。
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本当に優秀な人材は、その組織だけでなく、労働市場においても
優位な立場にあるというか、要は引っ張りだこになる可能性が高い。
組織として何かミッションを与える時、特にそれが困難なミッションで
あればあるほど、処遇というか本人にとってのインセンティブと
両立する形にしておかなければ、仕組みとしては多分長続きしない。
そして、個人のインセンティブは人によって異なるため、組織が
良かれと思った処遇とは必ずしも一致しないことも多いから厄介だ。
単純に高い給与が欲しい人もいれば、とにかく上のポジションにして
もらいたい人もいる。ワークライフバランスを重視する人もいれば、
勤務地にこだわりを持っていて優先度がそこにある人もいる。
組織はそれを理解して提示できることもあるが、できないことも
多い、というかできないケースの方が多いのではないだろうか。
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そんなことを考えていて、ノースウェスタン大学のMBAプログラムで
使われている(今も使われているのかは不明)教科書を読み返してみた。
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>組織が市場競争の圧力に直面していなくとも、そこで
>働く個人は、組織が提示するインセンティブに反応する。
>非営利組織は、営利企業において一般的な市場連動型の
>インセンティブ(たとえば、自社株の付与や業績連動報酬)を
>提示することはない。それでもインセンティブの提示を
>設定すれば、それは個人の行動に影響を及ぼす。
>非営利組織におけるインセンティブは、長期の経済的報酬
>(例えば、業績に応じた昇進)だったり、称賛、著作物への
>引用、名誉の正式な認知(例として、「月間最優秀職員」)
>のような、社会的な報酬であったりする。
もう6年も前に出た本だけど、細かな論点まで良く書かれている。
これと「組織の経済学」の2冊は、日本にいながらにしてアメリカの
MBAプログラムを体験できる、自分にとってバイブルのような存在だ。
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大部だけど、この2冊はたまに読み返すと本当に勉強になる。
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