広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

アフターDC

2014-09-03 20:22:37 | 秋田のいろいろ
最近のJRグループのデスティネーションキャンペーン(DC)では、“本番”の前年に「プレDC」、翌年に「アフターDC」が行われ、足掛け3年に渡ることが多いようだ。
秋田では、今年10月から12月がアフターDC期間。
さらに10月4日から11月3日にかけては、「第29回国民文化祭(国文祭)」が秋田県内各地を会場に行われる。
そのためJR東日本秋田支社と秋田県では、さまざまな観光イベントなどを行うことにしていて、1日に概要が発表された。(臨時列車については8月22日に発表済み)
その中から、気になったものをいくつか。
※いずれも現時点での情報に基づきます。今後、追加で詳細が明らかになるでしょう。
※利用の際は、時刻表や窓口など公式な情報でご確認願います。

●まるまるイコイコ
一昨年昨年には、2種類のフリーきっぷが発売された。
秋田県中央部がフリーエリアの「秋田わくわくパス」(2日間3000円)、秋田県内ほぼ全域+青森県津軽地方がフリーエリアの「秋田・津軽由遊(ゆうゆう)パス」(3日間4600円)で、JR線と私鉄・第3セクター鉄道に乗車できた。秋田新幹線を含む特急などは、料金券を買い足せば乗車可。
特に秋田・津軽由遊パスのほうはかなり割安で、秋田-弘前を往復するだけでも元が取れる、いいきっぷだった。

今年は、消費税が上がったから当然値段は変わるが、名称も変わった。利用可能エリア等は詳細が発表されないので不明。「乗車券タイプ」とは記載があるが、買い足して特急でも利用できるかは分からない。秋田支社さん、早く教えて!
秋田まるまるパス
1日間有効 2800円 利用期間:10月4日~11月3日
「秋田わくわくパス」と一見似ているが、判明した点だけでもいろいろと違う。
有効期間が当日限り、利用できるのはアフターDC期間全部ではなく国文祭期間限定となっている。日帰りで国文祭を訪れる人向けということか。
フリーエリアは明らかになっていないが、国文祭向けならば、秋田県内全域に拡大された可能性がある。「まるまる」という名称もそれを暗示していそう。

秋田・津軽イコイコパス
3日間有効 4800円 利用期間:10月1日~12月31日(発売は12月29日まで)
リリースに「NEW」が付いていないので、「秋田・津軽由遊パス」の踏襲と捉えていいのだろうか。
昨年までの4600円に108/105を掛けると4731円。4800円は少々値上げしすぎな気もするが、昨年まではずいぶんおトクだったからね… (それでも、秋田-弘前往復などで元は取れる)
こちらも現時点ではフリーエリアが不明だが、由遊パス時代は「秋田」県内なのにエリア外で蚊帳の外にされていた、花輪線や北上線の処遇がどうなるか。(盛岡支社管轄だからなのは想像に難くないが、DCの意義からすればおかしい)
なんで名前を変えたのだろう? 「由遊パス」「イコイコパス」どちらにしてもなんだかなぁという…ネーミング。覚えにくく・言いにくく・どっかのローカル私鉄か3セク鉄道のきっぷのようでもあるし…

なお、どちらのきっぷも、珍しいことに利用開始初日=発売初日(まるまるは10月4日、イコイコは1日)となっていて、利用開始初日分は事前の発売がない。普通ならば、9月中には発売を始めるものなのに。
指定席券売機で利用当日でも購入できるとはいえ、窓口や券売機がない(もしくは早朝は閉まっている)駅も少なくない。4日の始発列車で各駅から秋田市での国文祭開会式に向かう人などがいるかもしれないのに…

【26日追記・詳細判明
その後、いつまで経っても、両きっぷの詳細な情報は分からず。しびれを切らして、25日に夜に、本社ホームページから「いくらなんでも遅すぎるよ!」と要望というか催促をした。
すると(という訳かは分からないけど)、翌26日中に、本社ホームページ内の「おトクなきっぷ」に両きっぷが掲載され、やっと詳細が判明。同日現在、秋田支社ホームページには引き続き情報なし。

それによれば、
両きっぷとも、特急券等を買い足せば、乗車券として利用可能。(昨年までと同じ)
エリアは、
「秋田まるまるパス」
奥羽本線・大館~秋田~院内、羽越本線・秋田~象潟、男鹿線全線、五能線・東能代~岩館、田沢湖線・大曲~田沢湖、花輪線・大館~湯瀬温泉、北上線・横手~黒沢、秋田内陸縦貫鉄道全線、由利高原鉄道鳥海山ろく線全線

JR東日本盛岡支社管轄路線も秋田県内は全駅がフリーエリアとなった。
秋田県内にある旅客駅では、奥羽本線・大館より北の白沢、陣場と羽越本線・象潟より南の上浜、小砂川の計4駅だけがフリーエリア外。
これなら、「まるまるパス」の名に偽りなし!

「秋田・津軽イコイコパス」
秋田まるまるパスエリア+奥羽本線・大館~新青森~青森、五能線全線、弘南鉄道全線
(引き続き津軽鉄道は対象外)
昨年までの「由遊パス」に、花輪線、北上線が加わった形。その増えた分で、値上がりしたとも受け取れる。
【27日追記】ただし、秋田県内だけを1泊2日で旅行する場合は、まるまるパス2枚よりもイコイコパスを使ったほうがずっと安く付く。そういう使い方もできて、やはり便利で得なきっぷだ。紅葉の湯瀬温泉なんか良さそう…(以上27日追記)

発売3年目にして、やっと盛岡支社管轄路線もエリアに入ったわけだが、来年以降はどうなるんだろう?
せっかく秋田全域を鉄道旅行できるきっぷが確立されたのに、発売中止はもったいない。常時とはいかなくても、シーズンを区切ってでも継続発売してほしい。

そして、苦言を呈させてもらえば、JRさんにはもっと早く知らせてほしかった。
9月1日の発表にはマスコミは関心を示さなかったので、一般で知る人は少ない。こんなギリギリの告知では、既に正規乗車券や割高になる他のきっぷ類を購入済みの人だっているかもしれない。
イベント告知をするもの結構だし、こんなきっぷがたくさん売れても儲からないのだろうが、仮にも“鉄道会社”だったら鉄道を利用する人のための情報(その1つが乗車券類である)こそ、迅速に正確に知らせてしてほしいものである。(以上追記)


●臨時列車
このシーズン恒例の臨時列車も多く運転されるが、目立つもの。
まず、3年連続で蒸気機関車C61 20が走る。
昨年は「SL秋田こまち号」として秋田-横手での運転だったが、今年は2012年と同じく秋田-東能代の「SLあきた路号」。10月18・19日運転。
後ろにつく客車は、2012年は国鉄末期製造の青い12系客車だったが、2013年は「旧型客車」と称される1950年前後(?)製造の古い客車6両が使用されていた。(土崎の秋田総合車両センターで整備後、所属先の高崎へ戻るところを何度か見かけたが、とてもきれいにされている)
今回も、旧型客車が使われる。
来年以降は、SLが秋田を走ることはそうそうないかもしれないが、ここ3年連続してC61 20だったから、そろそろD51とかほかの蒸気機関車の姿も見てみたいような…
運転時の様子


10月26日には、快速「レトロおおだて号」が秋田-大館で1往復運転。所要時間は約2時間、全席指定。
アフターDCのリリースには「EL+12系客車7両」とあり、比較的新しい12系がなんで「レトロ」なのかピンと来ない。上記の通り、12系は国鉄末期製造だから。
8月の臨時列車のリリースによれば、ただの12系ではなく、12系を「レトロ調大正ロマン」をイメージして改造した「SLばんえつ物語号」用車両。したがって「レトロ“風”車両」ということになる。【4日追記】したがって、SLあきた路号の旧型客車のほうが、むしろ「ほんとうのレトロ車両」。旧型客車も、高崎周辺では「レトロ」の名を冠した臨時列車で走ることがあるので紛らわしい。
7両にはグリーン車、フリースペース・展望車が含まれる。

磐越西線用の観光列車が秋田を走るとは唐突。
実は、ばんえつ物語用の蒸気機関車C57 180が、秋に定期検査を受けることになっている。機関車が使えない間は運休になるので、空いた客車を有効活用するということか。山梨などでも同様の列車が走る。

レトロおおだて号を牽く機関車は、秋田のエース・ED75-777。【4日追記】リリースで「EL」とあるのがこの電気機関車(Electric Locomotive)のこと。
(再掲)
上記の通り、7両のうち1両はグリーン車。グリーン車は1または2人掛けで、他の普通車は(デラックスだけど)4人掛けボックスシート。【4日追記】グリーン車には、グリーン車利用者専用の展望スペースもある。
当然、グリーン車はグリーン料金で発売されるのだろう。となると、秋田-大館は100キロをほんのちょっとだけ越えてしまうので、グリーン料金は1670円。※グリーン料金って、指定席でも自由席でも同額なんだ。知らなかった!(首都圏の自由席グリーン車は料金が特例的に引き下げられている)
ちなみに同区間の特急の普通車なら自由席1340円、指定席1860円。

各駅停車でさえ1時間半強の区間を2時間かけて走る客車快速ではあるが、ブルートレインが走らなくなった今、貴重な客車列車だし、客車独特の静かな走行音、発車時の衝撃(今となっては懐かしい)を味わえるチャンスかも。


ほかには、昨年から運転された、カーペット敷き座敷車「NO.DO.KA」を新潟から借りる快速「秋田の食満喫号」が、10月25日に弘前-象潟(弘前から日帰りできるダイヤ。全席指定)で運転。



●復刻駅弁
「秋田の駅弁の文化、歴史をお客さまに知ってもらい、より愛着を持ってもらいたい」と、秋田県内2業者から1つずつ、昔発売されていた駅弁が再発売される。
どちらも、秋田新幹線車内や駅のNEWDAYSでも発売されるようだ。

1つは、大館駅花善の「鶏樽めし」。1100円。10月1日から来年3月末まで発売。
1970年から1976年に発売されていたそうで、鶏めしの上にホタテの甘露煮などおかずがびっしり載っているようだ。価格としては「特上鶏めし」と同じ。
味だけでなく、おしぼりや箸袋に至るまで、当時のものを再現するとのこと。花善さんでは昨年秋頃、ネット上で当時の「樽」の情報提供を求めていたので、その頃から計画が進んでいたのだろう。
こういう鶏めしがあったとは知らなかった。ちょっと高いけど、食べてみたい。【末尾の追記に詳細あり】※食べた記事

もう1つは、秋田駅関根屋の「稲庭割子」。1000円。10月1日から発売、なくなり次第終了
秋田名物・稲庭うどんを8区画に分けて上に、イクラとかナメコとかさまざまなトッピングをし、さらに舞茸ごはん、エビとシシトウの天ぷらが入る。
たしか日本唯一のうどんの駅弁ということで、駅弁に詳しい人にはけっこう知られていたはず。僕も知っていて、食べたいと思っていたが、夏期限定だったり後に予約制になったりして、機会を逃してしまっていた。それがいつの間にか製造終了になっていたようだ。
今回のリリースには、1986年頃から1995年までの発売とあるが、予約制ではわりと最近まで(少なくとも21世紀になってからも)扱っていたはず。
価格は、昔は800円、予約制の末期は1100円だったようなので、今回は値下げされていて良心的。(何かが省略されているのかもしれないけど)
今回はなくなり次第発売終了とのことだが、なくならないうちは予約は不要なのだろう。これも食べてみたい。※食べた記事


以上、DCの目的地に住む者としても、いろいろと楽しみなことがあるわけです。

【24日追記・鶏樽めし詳報】9月23日付秋田魁新報県北地域面で、鶏樽めし復活が報道された。
記事では花善創業115周年を記念しての販売で、DCはついでのような書きぶり。
花善のホームページにも案内が出ており、新聞記事はインタビュー以外はそこから抜粋したような情報しか書かれていないので、以下、ホームページより。
・発売箇所は、通常の鶏めしを扱っている各駅(周辺各県や仙台・首都圏を含む)やいとく各店、さくら野弘前店など。→日によって未入荷や品切れはあり得る
・大館駅前の花善の販売所では予約販売のみ受付で、前倒しで9月25日から。
・10月から11月までJR東日本が実施する「駅弁味の陣2014」にエントリー。

・花善は11月15日で創業115周年
・鶏樽めしは「当時お客様から大変好評を頂いた商品」ではあるものの「昭和51年頃に容器を作る金型が壊れてしまい、その頃の花善には資金的な余裕もなく、苦渋の選択で販売を取りやめ」た。

・当時の米は「キヨニシキ」を使用していたが、現在は入手困難なので、通常版でも使っている「あきたこまち」を使用→当時はあきたこまちはまだなかったので、普通の鶏めしもキヨニシキだったのかな?
・現在の鶏めしとは違い、甘みが抑えられた素朴な味付け
・「ホタテの甘露煮」は当時と同じ青森県むつ湾産のホタテを使用し、当時を知る勤続47年の従業員が味付けを再現。
・カマボコ「いそあげ」は、秋田市にある「宮城屋蒲鉾店」のもの。現在は廃番になっており、鶏樽めし復刻のためだけに、いそあげも復刻してもらう運びとなった。豆腐を混ぜた魚肉に下味を付けて、海苔を巻い(て揚げ?)たものらしい。
・「なら漬」は自社で漬けていた。今回は、「かたうり」を農家に契約栽培してもらい、当時と同じ製法で製造。
・↑発表後、天候不良でカタウリが不足する恐れが判明。一部を浅舞婦人会(横手市平鹿町)のもの(漬け込みも浅舞側?)で代替することになった。

・容器は、(プラスチック製の)樽は倉庫にあったが、蓋は見つけられなかった。新聞広告で情報を求めたところ、複数の客から提供があり、復刻に成功。
・お手拭は客からの提供で再現。箸袋は、勤続47年の従業員や退職者の記憶で再現。箸は現在の杉間伐材でなく、樺材を使用。

新聞記事によれば、
「計10万個の売り上げを目指す。」

秋田市の宮城屋や(悪天候の影響ではあるものの)横手市の浅舞婦人会など、秋田県内各所が協力して復刻にこぎつけたと言えそうだ。
詳細を知って、ますます鶏樽めしが食べたくなった。
花善さんは、こういうプロモーションも上手。消費税増税の告知を最後にホームページが更新されていない関根屋さんも告知すればいいのに…


【2015年1月18日追記】「駅弁味の陣2014」の結果。
上位3つと、7つの部門賞(「掛け紙」とか味とは無関係のものも)が選ばれ、「鶏樽めし」が見事2位に輝いた。
1位は米沢の牛肉の弁当、3位は超定番の崎陽軒のシウマイ弁当。(得票数は非公表だが、秋田魁新報によれば投票総数は4408)

投票者の大多数であろう首都圏在住者にしてみれば、遠くなじみがなく、知名度もさほどではないであろう、入手もしづらい秋田の駅弁が2位になるとは、大健闘。
徹底的にこだわって復刻したことが好評価につながったようだ。

秋田県からは計5点がエントリーされたが、他の「稲庭割子」など4点(いずれも関根屋)は選外。
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上と下に注意

2014-09-01 23:54:22 | 秋田の季節・風景
今日から9月。
今年の8月は、全国的に暑さよりも、異常なほどの雨の多さが目立った。秋田市では、被害はなかったものの夜中に降る雨が多く、あまり暑くない8月だった。【3日追記】秋田市の8月1か月間の日照時間は、平年の58.6%の113.1時間だった。
いつもの秋田市では、お盆過ぎにやや涼しくなっても、小中学校の夏休みが明けた8月末には、暑さがぶり返すパターンが多い(ような気がする)。今年も、昨日・今日辺りは30度前後まで上がって暑くなったが、例年ほどの暑さではない(ような気がした)。
今のところ稲の作柄は、悪くはないようだが、今後どうだろうか。

※以下、昆虫の話題ですが、虫そのものの写真はありません。
先週の秋田市楢山。空は秋空
今夏はセミの声をあまり聞かなかった(ような気がする)。
一方、大発生しているというのが、マイマイガやチャドクガの毛虫。

先週、秋田市楢山、東部ガス秋田支社前の県道28号線を歩いていると、あることに気付いた。
歩道の路面に、細かい鳥のフンのようなものがたくさん付着している。街路樹のプラタナスの下だけで。
よく見ると、それは毛虫がつぶれて干からびたものだった。さらによく見ると、路上を歩いているのもいる。

上を見上げると、
 葉脈だけになった葉が
食害は木が丸裸になるほどではないが、部分的に葉がなくなっている木もちらほら。

おそらく、アメシロことアメリカシロヒトリの幼虫。
今が被害が出やすいシーズンだけど、毎年、街路樹でこれくらいの被害が出ているのだろうか。

アメシロは毒はないそうだけど、アレルギーの人とかフンの汚れの被害はあるそうだ。何よりも、歩いていて頭の上に落ちたり、踏んづけてしまったりするのは嫌だ。


その後、週末にそれなりに雨が降ったので、路上の死骸は流れてしまった。でも、木に残っている虫はまだ成長し、新たに落ちてくるものもあるだろう。
多くの各市町村では、アメシロが発生した場合、その木の所有者が駆除など対応するように呼びかけており、秋田市も同様。街路樹の場合は、その道路管理者が対応するので、発見したら連絡してくださいとしている自治体も多い。
県道28号線を管理する秋田県では何とも告知していないが、当然、同様だろう。だから県へは連絡させてもらった。【5日追記】前後して、防除作業を実施していたそうだ。
【9日追記】この後、8日頃からは剪定作業(枝を間引くやり方)が行われており、かなり改善されたと考えられる。

差し当たっては、歩く時は上や下にもご注意を。


僕が初めて「アメシロ」の存在を知ったのは、1984年9月だったはず。ちょうど30年前。
この年はアメリカシロヒトリが大発生(広域的なのか、うちの近所だけだったのか不明)し、我が家の庭にもうようよしていた。
9月15日には、じいさんばあさんとともに割り箸でつまんで駆除し、「とんだ敬老の日だったね」と話した記憶がある。スズメも来て食べて駆除してくれた。
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