製造元「花善」の創業115周年と秋田アフターデスティネーションキャンペーンの名目で、大館駅の駅弁「鶏樽めし」が、10月から来年3月までの期間限定で復刻。38年ぶりに再発売されている。※この記事後半参照
※他の鶏めしの記事。特上鶏めし(末尾に通常版の写真あり)、わっぱ鶏めし
さっそく、買ってみた。※写真があまり良くないのであしからず。
秋田駅中央改札口横の「NEWDAYS秋田中央口店」に11時30分前に行ってみると、2段積みで10個ほど並んでいた。難なく入手。
※大館から運ぶので早朝は未入荷。夕方だと売り切れる。朝遅くから正午前後までが買い時だろうか。
大々的なPOPなどはなかったようで、駅弁を選ぶ旅行客の皆さんは、特別注目はしていないよう。最近のCG満載の掛け紙の駅弁に比べれば、見かけが地味なのは否定できない。
僕が生まれる前に発売が終わっているので、初対面。
鶏樽めし 1100円
もっと大きいと思っていたけれど、1人前の弁当なんだから相応のサイズか。旅行中に買っても邪魔になるサイズではない。
樽めしの樽
福井の「越前かにめし」なんかと同系統のプラスチック製だけど、若干厚みがあるというか、丈夫かも。
写真では分かりにくいが、側面には「たが」の模様と「鶏樽めし 大舘 花善」の文字が入る。※ここでは「大“舘”」
掛け紙を取って、全容
容器の上、おしぼりの下は、復刻の経緯などが掲載されたしおり。
苦労して探して復元したという、蓋
ただの蓋だけど、復元に至るエピソードを知れば、有り難みを感じてしまう(?)。
といっても、やっぱり載せるだけの単なる蓋。表面がツルツルで盛り上がっていて、本体よりもやや丈夫そうで、穴が4つ空いているのが特徴といえば特徴。
掛け紙の一部。クラフト紙は当時と同じものだそう
掛け紙は、県境の矢立峠などをモチーフにしたようだ。花善の上に「折詰専門の店」というフレーズが付く。
割り箸は、中身も袋も往年を再現したという。そういえば、昔(の樽じゃない通常の鶏めし)はこういう箸袋だったような気もするけれど、袋に「鶏樽めし」とあるので、「樽」専用の箸袋だったようだ。(現在は「CO2を減らそう」とかなんとかいろいろ書かれた箸袋)
つまようじも入っているが、昔からあったのかな? 昭和50年台初頭で楊枝入り割り箸はあっただろうか? なかったとすれば、これは現代向けのサービスととらえるべきでしょう。(現在は、東日本各地の駅弁は楊枝とおしぼりが付くものが多いが、西へ行くと付いていないものが珍しくない気がする)
おてふき
現在は、オレンジ色地に黒文字で「鶏めし HANAZEN」と小さく白抜きでニワトリがデザインされたもののはず(汎用品のこともある?)。
この紺色系に風見鶏のようなニワトリのおてふきにも、見覚えがあるような気がする。
「お弁当」の「弁」の右に点が付いている。
裏面の電話番号は、市外局番が「01864」と5桁。掛紙では「0186」だから、それ以前から使っていたのだろう。以下の番号に「サブ.ロハナゼン」と語呂がついている。こちらは「大“館”駅」。
では中身。
これが鶏樽めしだ!
極端な上げ底や上部空間はなく、良心的な盛り付け。
ご飯の上には卵そぼろがかけられ、その上に各種おかずがほぼすき間なく載っている。
卵そぼろは、花善の鶏めしでは定番。ただし、バリエーションがあり、季節や輸送先によっては悪くなりにくい錦糸玉子に変わったり、昔は白身と黄身それぞれのそぼろが混ざっていたのに、最近は黄色いそぼろだけになったりしていた。
この鶏樽めしでは、昔ながらの白と黄色のそぼろ。
おかずの詳細は公式ページもしくは以前の記事参照
以下、味については個人の感想です。(僕は秋田人にしては、薄味好きを自負しているつもりですが…)
まずは、ご飯。
米の品種はあきたこまちに替えられたが、味付けは現在の通常版と異なる当時のものを再現し、「甘みが抑えられた素朴な味付け」だとか。
たしかにそんな味。
醤油っぽい味が強いけれど、まったく甘くないわけではない。
個人的には懐かしい味というか、昔どこかで食べたような味。
上のおかず。
全体的に濃い味だけど、しょっぱいだけではなく、いい味付けだと思う。
中央は、これも定番の鶏肉の甘辛煮。通常版と同じ味付けのようなことが説明されているが、少し濃厚な気がした。量が通常版よりやや多くてうれしい。
海苔を巻いたかまぼこ「いそべあげ」。
秋田市の「宮城屋蒲鉾店」が製造していたが、廃番になっていたため、鶏樽めしのために復刻してもらったという。
海苔が巻かれているのは半面だけ。中には、刻んだ昆布、人参? などが入っていた。弾力のある歯ごたえ。これも味がしっかり付いていた。もうちょっと大きくてもいいかも。
※味はカマボコ自体に最初から付いているようだ。この記事参照
漬物は、紅生姜と、秋田県産「かたうり」のなら漬。シャキシャキしてさほど酒臭くなかった。
安くはないけれど、丁寧に作られていて、価格相応の価値があると思う。
ご飯の味付けやおかずの内容からすれば、鶏めしシリーズの中でいちばん好きかもしれない。
さて、アフターDC中のもう1つの復刻駅弁である、秋田駅・関根屋の「稲庭割子」。
積極的に宣伝をする花善さんと違って、関根屋さんはホームページは未更新でマスコミ掲載もなし。
鶏樽めしを買った時のNEWDAYSでは、1つだけ置いていた。あまり作っていないのか、それとも製造場所が近いから、小出しにしているのか。
今度はこちらを食べてみたい。→食べました
※他の鶏めしの記事。特上鶏めし(末尾に通常版の写真あり)、わっぱ鶏めし
さっそく、買ってみた。※写真があまり良くないのであしからず。
秋田駅中央改札口横の「NEWDAYS秋田中央口店」に11時30分前に行ってみると、2段積みで10個ほど並んでいた。難なく入手。
※大館から運ぶので早朝は未入荷。夕方だと売り切れる。朝遅くから正午前後までが買い時だろうか。
大々的なPOPなどはなかったようで、駅弁を選ぶ旅行客の皆さんは、特別注目はしていないよう。最近のCG満載の掛け紙の駅弁に比べれば、見かけが地味なのは否定できない。
僕が生まれる前に発売が終わっているので、初対面。
鶏樽めし 1100円
もっと大きいと思っていたけれど、1人前の弁当なんだから相応のサイズか。旅行中に買っても邪魔になるサイズではない。
樽めしの樽
福井の「越前かにめし」なんかと同系統のプラスチック製だけど、若干厚みがあるというか、丈夫かも。
写真では分かりにくいが、側面には「たが」の模様と「鶏樽めし 大舘 花善」の文字が入る。※ここでは「大“舘”」
掛け紙を取って、全容
容器の上、おしぼりの下は、復刻の経緯などが掲載されたしおり。
苦労して探して復元したという、蓋
ただの蓋だけど、復元に至るエピソードを知れば、有り難みを感じてしまう(?)。
といっても、やっぱり載せるだけの単なる蓋。表面がツルツルで盛り上がっていて、本体よりもやや丈夫そうで、穴が4つ空いているのが特徴といえば特徴。
掛け紙の一部。クラフト紙は当時と同じものだそう
掛け紙は、県境の矢立峠などをモチーフにしたようだ。花善の上に「折詰専門の店」というフレーズが付く。
割り箸は、中身も袋も往年を再現したという。そういえば、昔(の樽じゃない通常の鶏めし)はこういう箸袋だったような気もするけれど、袋に「鶏樽めし」とあるので、「樽」専用の箸袋だったようだ。(現在は「CO2を減らそう」とかなんとかいろいろ書かれた箸袋)
つまようじも入っているが、昔からあったのかな? 昭和50年台初頭で楊枝入り割り箸はあっただろうか? なかったとすれば、これは現代向けのサービスととらえるべきでしょう。(現在は、東日本各地の駅弁は楊枝とおしぼりが付くものが多いが、西へ行くと付いていないものが珍しくない気がする)
おてふき
現在は、オレンジ色地に黒文字で「鶏めし HANAZEN」と小さく白抜きでニワトリがデザインされたもののはず(汎用品のこともある?)。
この紺色系に風見鶏のようなニワトリのおてふきにも、見覚えがあるような気がする。
「お弁当」の「弁」の右に点が付いている。
裏面の電話番号は、市外局番が「01864」と5桁。掛紙では「0186」だから、それ以前から使っていたのだろう。以下の番号に「サブ.ロハナゼン」と語呂がついている。こちらは「大“館”駅」。
では中身。
これが鶏樽めしだ!
極端な上げ底や上部空間はなく、良心的な盛り付け。
ご飯の上には卵そぼろがかけられ、その上に各種おかずがほぼすき間なく載っている。
卵そぼろは、花善の鶏めしでは定番。ただし、バリエーションがあり、季節や輸送先によっては悪くなりにくい錦糸玉子に変わったり、昔は白身と黄身それぞれのそぼろが混ざっていたのに、最近は黄色いそぼろだけになったりしていた。
この鶏樽めしでは、昔ながらの白と黄色のそぼろ。
おかずの詳細は公式ページもしくは以前の記事参照
以下、味については個人の感想です。(僕は秋田人にしては、薄味好きを自負しているつもりですが…)
まずは、ご飯。
米の品種はあきたこまちに替えられたが、味付けは現在の通常版と異なる当時のものを再現し、「甘みが抑えられた素朴な味付け」だとか。
たしかにそんな味。
醤油っぽい味が強いけれど、まったく甘くないわけではない。
個人的には懐かしい味というか、昔どこかで食べたような味。
「安喜田寿し」という店が秋田市にあるけれど、昔は、木内だったかほんきん西武だったかに、弁当や惣菜を出店していた。そこでも「とりめし」を製造していて、幼稚園で何かのイベントの時に給食代わりに出たことなどがあったのだけど、その味に近いかもしれない。
あるいは、「おばあさんが作った味付け(炊き込み)ご飯」とか?
ご飯の量は、通常版より少し多いかもしれない。食べ応えは充分。あるいは、「おばあさんが作った味付け(炊き込み)ご飯」とか?
上のおかず。
全体的に濃い味だけど、しょっぱいだけではなく、いい味付けだと思う。
中央は、これも定番の鶏肉の甘辛煮。通常版と同じ味付けのようなことが説明されているが、少し濃厚な気がした。量が通常版よりやや多くてうれしい。
海苔を巻いたかまぼこ「いそべあげ」。
秋田市の「宮城屋蒲鉾店」が製造していたが、廃番になっていたため、鶏樽めしのために復刻してもらったという。
海苔が巻かれているのは半面だけ。中には、刻んだ昆布、人参? などが入っていた。弾力のある歯ごたえ。これも味がしっかり付いていた。もうちょっと大きくてもいいかも。
※味はカマボコ自体に最初から付いているようだ。この記事参照
漬物は、紅生姜と、秋田県産「かたうり」のなら漬。シャキシャキしてさほど酒臭くなかった。
安くはないけれど、丁寧に作られていて、価格相応の価値があると思う。
ご飯の味付けやおかずの内容からすれば、鶏めしシリーズの中でいちばん好きかもしれない。
さて、アフターDC中のもう1つの復刻駅弁である、秋田駅・関根屋の「稲庭割子」。
積極的に宣伝をする花善さんと違って、関根屋さんはホームページは未更新でマスコミ掲載もなし。
鶏樽めしを買った時のNEWDAYSでは、1つだけ置いていた。あまり作っていないのか、それとも製造場所が近いから、小出しにしているのか。
今度はこちらを食べてみたい。→食べました
この内容で、復刻版でこのお値段とは、かなり売り手側は大変だったのではないでしょうか。期間限定だからこそできた取り組みなのでしょうね…。
ぜひ機会があれば一度食べてみたいです。
容器や紅生姜の赤、卵や栗の黄色とか、色合いが暗くならないように配慮しているのかもしれませんね。
容器の形状は、箱型よりも車内では食べやすいかもしれません。昔の列車はテーブルがなかったですから。
今は、遠方の駅弁祭りや輸送駅弁、駅以外で駅弁を買うことも多くなって、本来の駅弁とは違うものになってしまっていますが、そうしないと商売が成り立たないのでしょう。
大館も、駅だけではやっていけないはずで、花善さんががんばっているのが分かります。
個人的には、この味付けも引き続き発売してほしいです。おかずや容器を質素にして、ご飯だけとか…
>Unknownさん
日によって違うのでしょうが、やはり勝負は昼前でしょうか。