広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

BSジャパンで弘前2連発

2014-09-25 23:43:20 | 津軽のいろいろ
【9月25日追記】この記事は、2014-09-21 23:42:32に初回アップしたものです。
追記する際に投稿日時を25日に更新して、再度アップします。
(以下、横線までが初回アップ分)

あまりおもしろくない番組が多い、最近の地上波テレビ放送。
一方、BS(NHKは置いておいて)の民放各局は、じっくり見られて楽しめる番組がいくつかあって、嫌いではない。
※個人の感想です。人によってはむしろつまらないでしょうし、時間帯によってはテレビショッピングばっかりだったり、CMが長かったりするし…

その1つ、テレビ東京系列のBS7チャンネル「BSジャパン」で、22日・23日の2日続けて、(別々の番組で)弘前のことが放送される。
地上波のテレビ東京だと、「いい旅夢気分(現・にっぽん!いい旅)」などで年に1回くらいは十和田湖とともに取り上げられるけれど、今回は長時間に渡って、弘前とその周辺だけが舞台となる。


22日・月曜は20時から22時まで「聞きこみ!ローカル線 気まぐれ下車の旅」。
芸能人や著名人2名(男女1人ずつ)が、指定された鉄道路線を2日間に渡って旅をして、地元の人から聞き出した情報を元に沿線の「名所」を10か所探して、“登録”する番組。
名所は人から教えてもらった情報でないとならない(案内板で見つけたようなのはダメ)のでコミュニケーション能力と、鉄道乗車は片方向の後戻りできないルールなので、限られた運行本数のローカル線のどの駅で降りるべきか推測して決断することが旅人に求められる。
バス乗り継ぎ旅など最近のテレビ東京系の番組ではおなじみの「取材交渉・宿泊先探しは主演者自らで」のルールも適用。
今年4月から始まった番組で、6月16日放送の第12回では、尾木直樹と中田あすみが秋田内陸縦貫鉄道を旅して、張り切って12か所も名所を登録した。

26回目となる今回は、中原丈雄、にしおかすみこが弘南鉄道を旅する。
弘南線(弘前-黒石)か大鰐線(中央弘前-大鰐)どちらかと思ったら、両方一緒に扱われ、予告では「黒石~弘前~大鰐」とテロップが出る。
弘前駅と中央弘前駅は別物であり、両路線はつながっていない。このように、接続しない複数の路線が一度に取り上げられるのは、番組史上初ではないだろうか。

どちらか片方で10か所探すのは厳しいかもしれないけど、両路線一括で10か所ならむしろ楽そう。1時間に1本は列車があるから、この番組としては本数が多いほうだし。
予告によれば、田んぼアート、りんご風呂(南田温泉?)、かだれ横丁などが出てくる。


23日・火曜日は20時から20時55分まで「空から日本を見てみよう+(plus)」。
2009年から2011年まで地上波のテレビ東京で放送され、地方の系列外局でもわりと放送されていた「空から日本を見てみよう」の続編の番組。
内容は地上波時代とほぼ同じ。雲のキャラクター「くもじい(声・伊武雅刀)」と「くもみ(声・柳原可奈子)」をナビゲーターに、空撮画像で目についたものを地上から見に行くという趣向。

地上波時代はほとんど首都圏が舞台だったが、plusになってからは観光地など地方のほうが多くなって、昨秋には八戸や十和田湖が放映されたようだ。
今回は、「りんご日本一&歴史薫る城下町 青森県弘前」。実際には、弘前から黒石市にかけてのようだけど、この番組としてはけっこう狭い範囲か。
予告では、移築間近の弘前城天守(ヘリコプターよりも高度の低い空撮)のほか、番組独特の比喩で「巨大なこけし!?」「茶色い哺乳瓶!?」「歪んだサザエさんファミリー!?」が出ている。それぞれ、道の駅虹の湖の滑り台(これはほんとうにこけしが付いている)、弘前公園向かいの洋館群の「旧弘前市立図書館」、田んぼアート第2会場。

なお、BSに移ってからも、ごく一部の地上波地方局では購入・放送していて、テレ東系以外ではミヤギテレビとIBC岩手放送がレギュラー放送しているとのこと。IBCはテレ東の番組を買って放送するのが好きなようだが、この番組もわずか17日遅れと早期に放送している。


興味があって、視聴できる環境の方は、ご覧になってはいかがでしょうか。
内容を追記するつもりです。



【25日・視聴後に追記】内容や感想をざっと記録しておきます。
※できるだけ番組全体の流れが分かるように記述しますが、個人的興味による偏り、聞き間違え、見間違えがあるかもしれません。
聞きこみ!ローカル線 気まぐれ下車の旅
期待したほどではなかったかな。
今回に限らず「聞きこんだ人がどんな場所を推薦してくれるか」にかかっている番組なのだが、沿線を知る者からすれば、「あんな場所もあるし、あんな場所も“名所”扱いにしてもいいのに…」と少々歯がゆく見てしまった。

・ロケ日は8月24日・日曜日と25日・月曜日(初日が日曜日でありファッション甲子園が開催されていたことから)
・黒石→弘前・中央弘前→大鰐のルート
・東京に戻る時間を逆算し、大鰐着は翌日17時30分がリミット
・1日目はフリーきっぷ「大黒様きっぷ」を使用。2日目は不明

・黒石駅員から田んぼアート(村役場の第1会場)を教えてもらって、最初の下車駅は田舎館
田舎館駅では、東京から田んぼアートを見に来てタクシーを呼んで待っていた女性2人と会うが、番組のルールはタクシー禁止なので歩いて役場へ。
→第1会場は弘南鉄道でアクセスするには不便で、弘南バスを使うか、田んぼアート駅で降りてシャトルワゴンを使うのが便利なのだが、このことについて村側の周知が足りないと思う。

サークルK前で道を聞いたり、休憩中の農家のおばさんたちとスイカを食べたりして、村役場へ。
日曜なので混雑していて、展望台は50分待ち。見学は中止して、役場前の臨時商店街で時間をつぶした後、見学無料シャトルワゴンで待たなくて見られる第2会場へ移動、見学。
名所1・絶景!田園芸術 田んぼアート
次の下車駅を決めるに当たり、にしおかさんが「(駅名に)『高校』がつく駅は、(駅周辺に)だいたい何もない」と尾上高校前と柏農高校前を候補から外す。→正解かも
列車の待ち時間を使って、道の駅の2人乗り自転車で遊ぶ。

田んぼアート駅から乗車。田舎館→田んぼの1駅は弘南鉄道に乗車しなかったことになるが、この番組では「完乗」しなくても構わないルール。
田んぼアート12時26分発で平賀下車。
駅前のラーメン屋でみそチャーシューの昼食。
名所2・絶品チャーシュー麺!輝龍
アップルランド(南田温泉)で入浴とリンゴを持った観音像見学。
名所3・りんご風呂 アップルランド
平賀16時36分発に乗り、後は下車せず、あっけなく弘前着。弘南線終わり。

この番組では、広角気味に撮影した走行する列車からの前方の映像(いわゆる前面展望)がよく使われる。
弘南鉄道の場合、仕切られた運転台に立ち入らないと撮影できない(広角なので)が、実際にスタッフが運転台に入れてもらって撮影していたようだ。

なぜか自由通路ではなく、昔からある地下道を通って、弘前駅前中央口側へ回る。
駅前の「Live House 山唄」で「石場旅館」を紹介され、向かう。
途中、「姉妹ロリータファッション」でファッション甲子園の応援の帰りだという、女子高校生2人に会う。

石場旅館で宿泊交渉成立。宿のおかみの紹介で屋台村「かだれ横丁」で夕食。店がいろいろあって、いろいろと堪能する。
名所4・多国籍酒場 かだれ横町
※番組ホームページでは「かだれ横町」と表記されているが、「横丁」が正当。
ナレーションでは、「かだれ」について「土地の言葉で『語ろう』という意味」と説明していたが、それだけでは不十分。秋田などでも使うように、方言で「仲間に入る」ことを「かたる(加担る)」と言い、その命令形と掛けている。
名所5・登録有形文化財 石場旅館

2日目。中央弘前9時00分発からスタート。
味のある中央弘前駅舎について、中原さんは「駅に見えないよ。飲み屋だよ」。

弘高下駅手前の寺沢川と土淵川が合流する付近で、川岸にカメラマンが下りて撮影するのを見る。
土淵川は川岸には下りられないと思っていたが、いつの間にか開放された階段ができていたようだ。→今度行った時見てみよう。※この記事の最後の方に画像があります

前日にかだれ横丁で紹介された、駅前の「惣菜さとう」へ行くため、弘前学院大前下車。
しかし、店主が外出するため臨時休業日。
店主がまだいたので、卒業した学生たちが残した色紙など店内を見せてもらう。食べられなかったので登録ならず。

「せっかくだから一回り」と、裏手の「西弘前児童公園」付近へ。特に何もなく9時34分発に乗車。
昨日同様、「○○高校(の駅)はない」と聖愛中高前は飛ばして千年(ちとせ)へ。

弘前学院大前駅で居合わせたおばさんに、千年にバラ園があると教えてもらっていたものの、バラ園はなくなっていた。
調べてみると、駅のすぐそばにあったそうで、元は「中畑バラ園」、2010年4月に「弘前ばら園」となっていた。バラなどの苗を売る店で、奥(裏?)に無料開放のローズガーデンがあったようで、見に訪れる人も少なくなかったようだ。少なくとも2012年には、まだ存在していた。
ストリートビューでは、バラ園跡らしき場所には産直の店みたいなのができていた。
番組では、バラ園がなくなったことは、千年駅近くの店の人に教えてもらったのだが、その産直の店ではないだろうか。

次の列車まで1時間待ちなので、川へ行って、橋の下から列車を撮影したりして、10時38分発に乗車。
津軽大沢駅で降りようと計画していたが、ホームで会った大鰐温泉に行く家族連れにその先の石川駅の大仏公園を勧められ迷う。
車窓のリンゴ畑を見て、津軽大沢下車を決意。
リンゴ農家のおじさんに話を聞くが、リンゴはまだ早く、桃を食べさせてもらう。自家用栽培みたいなものだろうか。
名所6・りんご農家自慢の桃

津軽大沢発11時44分。石川下車。
大仏公園に登って、弘南鉄道を撮影。
名所7・絶景撮影スポット!大仏公園
車内で高校生に道の駅ひろさき・サンフェスタでの昼食を勧められていたので、向かう。
魚コーナー2階で三色丼の昼食。
名所8・絶品 海の幸!サンフェスタ

石川発14時49分、リミットまで2時間半、2つの名所未発掘のまま大鰐まで乗り通す。
駅前の土産屋で聞き込み、
名所9・老舗温泉浴場!若松会館
さらに、
名所10・「大鰐の大日様」大円寺
大円寺
近くの平川沿いで感想などを話し、17時に終了。
大鰐町を流れる平川

他の回では、列車時間が迫って走ったり、交通手段がなくて歩いたり車に乗せてもらったりすることがあるが、今回はなく、わりとのんびりとした旅だったと思うけれど、視聴者としてはおもしろくなかったとも言える。

僕なら、津軽尾上の盛美園、弘高下の最北の五重塔、弘前学院大前の弘前学院外人宣教師館(ここまではメジャーすぎる?)、でなければ、千年辺りのアップルロードの光景、津軽大沢駅のレトロな電気機関車(映像には映っていたがスルーされた)、あるいは、弘前市街のうちわ餅とかそば屋、温泉銭湯なんかを推薦したい。バカヤローカーブでもいいかも?!

【2017年3月1日】2016年春からは、おおむね同じながら「出発! ローカル線聞きこみ発見旅」に番組名変更。
以前取り上げた路線を再度、別の人が旅することもあり、2017年2月27日には、大林素子と金子貴俊が、雪と寒さの中、弘南鉄道両路線を旅した。
今回は大鰐から黒石と逆方向。宿泊は、中央弘前駅下車後、岩木山麓の「アソベの森 いわき荘」。
大鰐線では、聖愛中高前(旧・城南)駅で下車。バレーボールの強豪校として大林さんが知っており、現在の監督が知っている人とのことで下車したものの、学校には立ち寄らず(校門は映った)。校門向かいの食堂の唐揚げを名所登録した。弘前学院大前では、ラッセル車とすれ違って興味を示すも、下車せず、中央弘前へ直行。
弘南線側でも、平賀駅まで下車しなかったので、弘前市内で名所登録されたのは、食堂と宿と弘前駅でのラグノオささきの「気になるリンゴ」(名所としてはシティ弘前の中の土産物屋)の3つ。


空から日本を見てみよう+
記念すべき(plusになってから)「#100」。
考えてみれば、弘前の空撮映像はほとんど見る機会がなかったので、初めて見る空からの弘前だった。
県庁所在地なら、経済指標などを伝えるローカルニュースの背景映像として市街地の空撮が流れたりするけど。
途中の解説や地上の訪問先も興味深いものが多くて、見応えがあった。

冒頭は岩木山山腹の津軽岩木スカイラインから、岩木山を越えて弘前市街が見える映像が圧巻。
リンゴ畑では、今夏のこころ旅で火野正平さんも興味を示した「スピードスプレイヤー」を「果樹専門の農薬散布車」と紹介。
散布される薬剤で虹が出来ており、「農薬の虹」「農薬の霧がクジャクの羽のようじゃ」。

岩木川を越えて、弘前公園へ。
天守閣や曳家工事を予想CGを交えて説明。

現存12天守の1つで、高さは14.4メートルと現存する三重天守の中ででもっとも低い。屋根は寒冷地のため軽量で凍害に強い銅瓦を使用。
などと、初めて知った(知ろうと思えば、情報はあるんでしょうけど)情報もあって、ためになる。
※「現存する三重天守」を「現存する30天守」と勘違いしそうになった。直前に「現存12天守」と言っていたので、なんとか理解できた。

周辺の洋館群を紹介し、弘前城から南へ進む。
禅林街入口の茂森町にある「三味線店 多田工房」、その1本裏道の在府町にあり、ひげじい【26日訂正・くもじい=ひげじいはNHKでした…】が前から知っていたという「弘前こぎん研究所」を紹介。
(再掲)分かりにくいけれど左側が多田工房
西へ少し移動し、寺沢川近く茂森新町の2本の角が生えた建物「田澤刃物製作所」、さらに「津軽塗 剛山工房」。

津軽の伝統的な技が連続して紹介されたが、どれも詳しく見るのはほぼ初めて。
田澤刃物製作所は、リンゴの剪定用はさみを製造していたが、地元で作られていたとは知らなかった。すべて鋼でできており、「虫バネ」を使ったり受刃の形状を工夫して、使いやすくしていた。
津軽塗は、以前にどこかで見たことがあったが、独特の模様が生じる仕組みと、そのための手の込んだ行程がよく分かった。

東へ戻って、弘南鉄道大鰐線起点の中央弘前駅。
「中央弘前駅は、なかなかええ感じの駅舎なんじゃぞ」「昭和レトロ感満載です」。
(再掲)
大鰐線上空を南下。弘前大学文京町地区上空も通過。
Googleの航空写真では雲の下になっている一帯が鮮明に見える。
柴田女子高の円形校舎も見えるが、スルー(学校名はテロップで紹介)。

柴田女子高の南に、「細長い建物」を見つけて下へ。赤い屋根の木造の建物。【2016年3月27日追記・旧陸軍の厩舎だった建物とのこと】
学園町行きのバスが富田大通りから左折して、三中校の敷地を過ぎた所。そういえばこんな建物があった記憶はあるが、何をしているのか分からなかった。
(再掲)写っていないけど、この右側
木工製品「ブナコ」を作る工場だった。
ブナコはブナ材をテープ状にして成形し、食器やインテリアにするもの。「ブナをコイル状にしたもの」という意味だそう。
最近、注目されているらしく、知ってはいたが、こんな所で作られていたとは知らなかった。

大鰐線沿いは寄り道だったようで、弘前公園に戻り、土手町上空を経て、弘前駅から弘南線沿いに黒石へ。
中三弘前店の建物は「岩木山のパワーを引き込むためのデザイン」だそう。
土偶だか土器だかをモチーフにしたとか聞いていたけれど、これは初耳。
(再掲)

JR弘前駅は、「戦前は東北地方で仙台に次ぐ2番目の利用客数を誇っておったとも言われちょる」そうで、これも初耳。
東北地方で仙台の次に百貨店ができた町であり、かつては軍都と学都で栄えた弘前だから、あながち間違いではないかもしれない。

弘南線上空を進むと、水田が広がる。
風が吹いて稲の葉が波打つのが上空からでも見え、美しい。

平川市猿賀の「盛美園」、田舎館村の田んぼアートは(線路沿いだから)サザエさんの第2会場を中心に。
役場の人が、田んぼアートを「津軽のディズニーランド」と表現していた。
※入場料収入は得られるが、宿泊場所が村内にないなど、村全体への波及効果は低いようだ。

黒石市に入り、天然ゴムを使った長靴「Kボッコ」や「こみせ通り」。
黒石市街から、浅瀬石川をさかのぼって進む。

気になったのが、くもじいの「浅瀬石川」の読み方。
「あせ/いしかわ」と読んでいたが、違うと思う。
「あせいしがわ」と一息に読み、川は「がわ」と濁るのが正しいはず。
黒石市には「浅瀬石」という大字もあるそうなので、「あせ/いし」と区切ってはおかしくなる。

青森県最大級という、浅瀬石川ダム(これも「あせ/いしかわダム」と発音)と続く虹の湖の道の駅のこけし滑り台。
さらに山間部に入り、「ランプの宿 青荷温泉」を紹介して、終わり。
次回は津軽半島。

知っているようで知らない場所を知らない角度から見ることができた。
浅瀬石川は少々残念だったけれど、手間をかけた丁寧な番組作りの賜物なのだろう。

【10月5日追記】9月30日放送の津軽半島も見応えがあった。
冒頭は弘前駅上空からスタートし、弘前市内がちょっとだけ映った。板柳町のりんご箱製造工場「青森資材」(赤松材が原料で、年間40万箱を20人で作るそう)、五所川原立佞武多の制作、津軽鉄道と五能線の分岐点にある家(農作業用休憩所)などがおもしろかった。津軽半島の広大な空撮映像も良かった。
コメント (3)
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