広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

地図上のホテル

2021-06-14 23:17:50 | 秋田の地理
秋田市でシティホテル(豪華な部屋、レストラン、婚礼・宴会場があるホテル)といえば、秋田キャッスルホテル(元・秋田第一ホテル)、秋田ビューホテル、ホテルメトロポリタン秋田【15日追記・元・秋田ターミナルホテル】の3つだろう。
そのうち、秋田ビューホテルの名前が変わった。

秋田ビューホテルは、浅草などにもある「日本ビューホテル」の、東北唯一の直営店(福島県のビューホテルは子会社運営)。
1984年に、秋田駅前再開発でできた「秋田中央ビルディング」に、「ほんきん西武(現・西武秋田店)」とともにオープン(西武が4月27日、ホテルが5月1日)。

オープンからほぼ37年経った、2021年4月30日から他社に譲渡され、名称変更。
4月29日付 秋田魁新報7面には「37年間のご愛顧、ありがとうございました。」の全面広告が出た。
37年で婚礼10,617組・1,109,515名、宴会5,842,610名、レストラン10,263,023名、宿泊2,328,661名(187室)とのこと。宴会にはコンベンションも含むのだろうか?(飲食していなければ数えないのかも) 自分も数十人分くらいはカウントされている。

4月からは、長野県の斑尾高原のスキー場やホテルを運営する「アビラ」という企業の運営に。岩手の安比高原の会社とも関係があるらしい。1年前に、アビラ側からビューホテルに対して、話を持ちかけたとのこと。支配人を含めて従業員はそのまま継続雇用。楽天ポイントカードは使えなくなる。

2021年4月30日からは「秋田ホテル」
名実ともに秋田を代表するホテルということか、と思った。覚えやすいのがいい。
4月下旬、ビューホテルの表示の見納めに行ってみると、
正面のひさしはすでに作業中!
あと数時間早く来ていれば… 秋田以外の他のビューホテルで引き続き見られるけれど。
「AKITA VIEW HOTEL」の跡
秋田ニューシティの「AKITA NEWCITY」とよく似ているが、やや細い書体。

正面のドアの上はまだ残っていた。
37年の風格
現在は、以前と同じような材質、書体で、雰囲気を変えずに秋田ホテルになっている。

(再掲)
上の写真、手前のてっぺんにも「AKITA VIEW HOTEL」があった。
それは4月下旬時点で撤去済みで、5月以降も空白のまま。


後回しなのかなと思っていた5月24日、2021年12月に秋田ホテルの名前が変わるとの報道が出てびっくり。
2021年12月から「ANAクラウンプラザホテル秋田」になる。
再度の身売りなどではなく、アビラがイギリス拠点の「IHG・ホテルズ&リゾーツ」と運営受託契約を結んだことによる、改称(リブランド)。秋田初の外資系ブランドホテルになるし、航空会社名のホテルも初かな。
旅行客には見知らぬ「秋田ホテル」よりもブランド力があって魅力的だろう。地元の人にはなんかカッコいい名前で、新しもの好きの県民には受けるかもしれないが、外資系なのを入りづらく感じたり、そもそも覚えられなくなるのは確実。
ちなみに、このホテルの英語表記は「ANA CROWNE PLAZA HOTEL」。クラウンはcrownでなくcrowneと最後にeが付く。意味は同じで古い英語の綴りらしい。

「秋田ホテル」は、わずか半年ちょっとの短命になってしまう。
秋田ビューホテルの引き受けと並行して、別に提携の話が進んでいたということなのか。
高い位置の表示を書き足さなかったのは、これを見越していたのか。
もうちょっとタイミングを調整して、上手く移行できなかったのか。
【2022年5月15日追記】ホテル名が再度変わっても、その運営企業名は引き続き「秋田ホテル株式会社」のままで、秋田ホテルの名が残る。

弘前駅前の「シティ弘前」は、シティ弘前ホテル(1989年)→ベストウェスタンホテルニューシティ弘前(2008年)→ホテルナクアシティ弘前(2014年)→アートホテル弘前シティ(2016年)と変遷し、ずいぶん目まぐるしいと思っていた。いちおう「シティ弘前」の名は残っている。
だけど、旧秋田ビューホテルは、ビューの名も残らないし、負けない目まぐるしさ。


そうなると、以前取り上げたように、道案内をする時に困る。
人どうしがやり取りする時もそうだけど、街なかの地図や案内板も。

2017年に、秋田駅自由通路のリニューアルに合わせて、中央改札口向かいの周辺地図が電子化された。

全国の駅によくある表示灯株式会社の広告入り「駅周辺案内図NAVITA」。液晶画面を見ると…
「秋田ホテル」になってる!
電子地図なら変更は容易なわけだが、変更されたという情報が伝わらない可能性もあり得る。1か月ちょっとでしっかり対応できているのは、さすが。
切り替えて英語でも
ただし、秋田駅西口から北方向への拡幅・対面通行化された道路は、まだ変わっていない。これは地図データ提供元の都合もあるだろう。
あと、秋田駅前郵便局はマークがあるのに、駅の中にあるトピコ郵便局は表示されないという、NAVITA特有の現象(他の都市でも事例あり)は相変わらず。

NAVITAでない、そのほかの印刷された地図はどうか?
自由通路・ぽぽろーどの西口バス乗り場エスカレーター付近の地図。
「秋田ビューホテル」のまま
イトーヨーカドーはフォンテに修正されている。しかし、秋田放送はないし、オーパはフォーラスだし、西武秋田店が2009年までの「秋田西武」になっている。

自由通路を下りて、大屋根下「秋田駅前大屋根通り」の、元からくり時計だったモニュメントのショーウインドウの中の地図。2013年の情報に更新されていることになっているが「秋田西武」などそれ以前の情報も混在。
これも同様に手つかず
このモニュメントは、秋田中央ビルディングの管轄のはず。その店子である西武やホテルの名前を変えないってのは、冷たい大家さん。

大屋根の西端にも地図がある。
左手前のピカピカの枠

上に大きい地図、下に小さい地図。小さいほうが広範囲
「秋田駅西口活性化事業協同組合・秋田市」と書いてあるが、それは歩行者安全の注意書きの名義のようにも読める。地図もそれらの管理ということでいいでしょうか。~組合にも、中央ビルディングは参加していて、所在地もビルの中のはず。
下の小さい地図から。

「秋田ホテル」になってる! けれど、周りは「秋田西武(ほんきん西武に上貼り)」はじめことごとく古い名称ばかり。
ホテルハワイ、フォーラス、ニューたけや、イトーヨーカドー、なかよし、鎌田会館。

写真に写っていない範囲では、旅館榮太楼、ホテルはくと、ワシントンホテル、AD、スカイホテル、JTB、升屋、農林中金、秋田警察署、秋田和洋女子高、県民会館・県立美術館周辺、脳研・成人病医療センター等々、懐かしい名称が並ぶ。秋田ニューシティなどごく一部は、白いテープで隠されている。
タイムスリップしたようなというか古地図だ。
逆にどうして「秋田ホテル」だけ直したのか。直すならば周りをいっしょになんとかしようと思わないのか。

大きい地図。

こっちはイトーヨーカドーが「フォンテAKITA」になっている。でも、ニューたけやがそのまま。
ニューたけやは2009年末閉店・2010年7月にNEW金座街ビルに改装。フォンテは2010年末改称。フォンテのほうが後なのに、どうしてそれを直す時にニューたけやのほうもいっしょに(以下同文)。

下の地図では表記がある「緑屋」は、上ではグレーで無関係かのよう。
そしてその下、他のビルと同じ色と文字で「金萬ビル建設予定地」、下の地図では「金萬ビル」。
※「金萬ビル」とは、今解体されている、中央通り角の金萬ボウルだったビルとはまた別。緑屋とフォンテの間、今は駐車場になっている場所。どちらもお菓子の「金萬(きんまん)」が由来。
だいぶ前にそういう計画があったそうだが、計画倒れになっているのでしょう。いつまでもできないんだもの。いつまでも堂々と「建設予定地」なのは未練があるのかな。

あと現在地付近、大屋根下の通路の形が、くねくねし、アゴラ広場とバスプール(買物広場バス停のこと)の間に3色の円が描かれているが、そういうものは存在しない。昔はあったんだっけ??


バス停名称と同じで、施設の名前が変わったのは、地図設置者に責任はなく、変更は手間なだけ。
宣伝を兼ねてホテル側が費用負担してもいいかもしれない。でも、地図を置いた者として、いつまでも適切に案内するという責任は果たしてほしいし、ニュースになった名称変更なのだから知らないはずはない(そもそも紹介した一部は大家が設置しているわけだし)。
新型コロナウイルス感染症で、旅行客も少ないだろうし、12月の再改名まで待って「ビューホテル」を更新してもいいでしょうけれど、それもやらないでしょうね。案内地図の意義、価値が薄れてしまう。

最後に問題。秋田ビューホテル→秋田ホテルが、2021年12月から変わる名称は何でしょう?
えーっと、航空会社、JALだったか…その後は王様っぽいカタカナで…(答えは上をご覧ください)
地図だけじゃなく、我々地元の人の頭も今から書き換えておきましょう。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする