広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

市役所の彼岸花

2010-09-30 23:25:21 | 動物・植物
先日、NHK秋田放送局のローカルニュースで、ある場所にある花が咲いているという映像が流れていたので、その場所に行ってみた。
秋田市役所前
秋田市役所の前庭の芝生には、花時計がある。冬期間は積雪対策で針が撤去されるものの、四季を通じて花が植えられている。
現在は鐘や秋田蘭画のオブジェなども前庭にあるが、花時計は噴水と並んで古くからあるものらしく、秋田市役所のシンボル的存在と言えそうだ。
秋田市の広報番組(秋田市広報課が取材・編集し、民放各局が放送する)のうち、秋田テレビでの放送分が、かつては「花時計からのたより」という番組名だった。

今はマリーゴールドが植えられているが、“文字盤”部分には
青いパンジーが
春に植えられていたパンジーのこぼれ種が咲いたのだろう。


さて、花時計の外側、右に注目。
赤い花が咲いている

花時計の裏側にも

この植物は…
花時計の周囲の、低い柵で囲まれた立ち入れない部分に、なんとヒガンバナが咲いている!

ヒガンバナは、どちらかといえば湿り気のある場所を好むので、芝生に咲いているのも珍しいと思うが、秋田ではヒガンバナの花自体、とても珍しい。
小学校で習う、「ごんぎつね」や童謡「まっかな秋」にも登場し、さも知っているかのような気がしているヒガンバナだが、僕は生まれてこの方5回くらいしか実際の植物を見たことはない。

なぜなら、ヒガンバナは、秋田県辺りが生育できる北限だとも言われており、秋田ではなかなか見る機会がない。
青森では、弘前市のお寺の住職が、10年以上試行錯誤してやっと咲かせたというニュースがあったし、秋田市内でも民家のお庭にごくたまに数本咲いている程度(昨年見たもの)。田んぼの畦や川原などに一面に咲いているようなシーンは見たことがない。
まさか市役所前に堂々と、ある程度まとまって咲いていたとは。
花と葉が同時に出ないのが特徴
僕が思っているヒガンバナより若干小ぶり(背がやや低く、花がやや小さい)な印象がするし、一般的には緑色の茎(花茎)がこれは赤い。
そういう品種なのかもしれないし、環境で変異してしまったのかもしれない。

日本のヒガンバナは、遺伝的に種ができず、球根で殖えることしかできない。そのため、中国から持ち込まれたものが、人為的に広まったと考えられている。
当然、秋田市役所のヒガンバナも誰かが持ち込んだか、土と一緒に運び込まれたのだろう。

咲き終わった株あったが、まだつぼみも少しあった。
ヒガンバナとマリーゴールド
ヒガンバナが咲くには場違いな場所にも思えたが、やっぱりヒガンバナは独特な雰囲気を持つ花だと思った。

【2015年9月26日追記】その後、秋田市役所新庁舎建設に伴い、花時計が撤去されて駐車場となり、ヒガンバナはなくなってしまった。花時計は新庁舎にも設置されるとのことだが、ヒガンバナはもう見られないだろう。
また、旭川の新中島橋付近の堤防で、ヒガンバナが咲いていた。ほぼ野生に近い(=人家など人手が加わらない)状態のヒガンバナを秋田で初めて見た。
【2018年9月27日追記】その後、旭川のほか草生津川でも、ちょっとした群落を見かけた。一面というより点在という感じ。旭北の鱗勝院前の植え込みや、民家の庭でも以前より見かけるようになった気もする。単に今まで気が付かなかったのか、以前より増えているのかは不明。
コメント (7)
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