田神六兎の明るい日記帳

田神六兎の過去、現在、そして起こるであろう出来事を楽しく明るくお伝えします。

おとし紙

2014年11月06日 | 日記
 昨日が非常持ち出し、数日前にトイレットペーパーを書きました。思い出したついでに落とし紙の話を書きます。話が昭和の中頃ですので、ほとんどの人は分からないと思います。おとし紙とは、ロール状のトイレットペーパーではなく、切り落とした紙片のことを言います。

 
 昔のトイレは汲み取り式、いわゆるボットン便所でした。ですから貧しい田舎の生活では、古新聞紙がトイレットペーパーの代用品でもありました。もっぱら学校のトイレにはこの新聞紙が置いてありました。

 
 小学校の修学旅行で始めて水洗トイレを見る子がほとんどでした。ちなみに私は、大学を卒業した兄が働き始め、しばしば母に連れられて、アパートを訪れていました。共同トイレは水洗でした。用足しを終えるまで、私のウンチがお尻の下約15センチに居座っています。ボットン式ですと即座にお別れですので、短い時間とはいえ、バッチク感じたものです。

 
 修学旅行をひかえ、先生がトイレの使い方を説明してくれました。先生は白いおとし紙を一抱え持って来ました。おとし紙が珍しい子もいました。先生は「旅行の前に、欲しい人にはあげるからネ」と言い終わらないうちに、ほとんどの子が手を上げました。

 
 『トイレで鎖を引っ張ると、ザァ~ッと水が流れる』なんて想像もできなかった子がたくさんいました。皆、目が輝いていました。奈良の大仏さんより、若草山より、水の流れるトイレが見たいと思ったに違いありません。

 
 先生がチョークで便器の形を床に書き、「いいですか、最初にこの紙を一枚だけ敷くのですよ。その上にウンチをするのよ。水で流せばスルット流れるからね」田舎の僕達はそうするのが正しい水洗トイレの使い方だと思ってしまいました。

 
 修学旅行も無事終わり、そろそろ寒くなった頃、泊まった旅館から、絵葉書が入った手紙がきました。手紙には「○○小学校のみなさんへ、皆さんは便所をとっても綺麗に使ってくれました。お掃除がとっても楽でした。ありがとうございました」と書いてありましたが、僕達は、いったいなんのことか分かりませんでした。今でも一枚紙を敷くって教えているのかなぁ・・・・どんな便器でも有効な汚れ防止なのですがネェ~。おしまい。