雪渓を渡って対岸の草付きに行きました。少しへつるようにして草をつかみながら岩の斜面を登っているときに小さな白い花が目に付きました。さらに行くとかなり大きめな株になって花を咲かせています。コアにチドリです。こんなに大株になって開花しているのを見るのは初めてでしたから思わず「おおっ!」と声をあげてしまいました。ヌマガヤなどの株元にしがみついていいる株やスラブに張り付いている株などこの斜面にはかなりの個体が生育しているように感じられました。
そもそもコアにチドリが生育している場所は容易にはいけないような場所で、ましてや花が付いていないとその存在に気づくことも難しい種のためにあまり話題にならないようです。また、栽培が難しいのか園芸店でも見かけません。貴重な種ですからむしろそういう取り扱われ方をされていることがうれしい気分です。ここは会いに来たいときは夏場30分ほど山道を歩けば出会える場所です。