「健康診断」。
病気の早期発見、早期治療に役立っていることは確かですね。
そこで、こんな記事(知っておきたい健康診断「ホントの基準値」)をご紹介します。
病気の早期発見、早期治療に役立っていることは確かですね。
そこで、こんな記事(知っておきたい健康診断「ホントの基準値」)をご紹介します。
記事(2017年3月29日 gooニュース)によると
『「健康診断が病気の早期発見、早期治療に役立っていることは確かなことです。ところが、その診断基準に大きな問題があるのです」
こう語るのは、70万人の健診結果のデータから導き出した『健康診断「本当の基準値」完全版ハンドブック』を出版した大櫛陽一・東海大学名誉教授。医療統計学が専門の大櫛先生は、現在の判定基準値の問題点をこう指摘する、
「まず男女別や年齢別の判定基準になっていない項目が多いこと。ほとんどが中年男性の体格や筋肉量に合わせて出された基準値で、女性においては、早期異常の見逃しが起こる恐れもあるのです。また健康診断の判定基準は、各臨床学会が設定した数値を、厚生労働省が科学的な検証をすることなく使用しているものが多い。その基準値は欧米と比べても、あまりに厳しいため、健康でも“病気”とされてしまうケースがあるのです。そのため、本来なら飲む必要のない薬を服用させられる“過剰診療”につながってしまうことも……」
そこで、更年期世代の45歳以上の女性がとくにチェックしておきたい項目の、大櫛先生が導き出した判定基準値を紹介。
■血圧(すべて女性の場合)
【最高血圧(mmHg)】45〜49歳・82〜142/50〜54歳・82〜151/55〜59歳・78〜159/60〜64歳・88〜159/65〜69歳・91〜164
【最低血圧(mmHg)】45〜49歳・49〜90/50〜54歳・49〜94/55〜59歳・50〜97/60〜64歳・52〜97/65〜69歳・54〜97
【最高血圧(mmHg)】45〜49歳・82〜142/50〜54歳・82〜151/55〜59歳・78〜159/60〜64歳・88〜159/65〜69歳・91〜164
【最低血圧(mmHg)】45〜49歳・49〜90/50〜54歳・49〜94/55〜59歳・50〜97/60〜64歳・52〜97/65〜69歳・54〜97
厚生労働省によると、1,000万人以上が治療を受けている高血圧。現在の判定基準では、最高血圧が130以上で、保健師の保健指導(『保健指導測定値』)がなされ、140以上になると医療機関の受診(『受診勧奨測定値』)を勧められる。大櫛先生が導き出した“基準値”によると、45歳以上の女性の場合、140をかなり上回っているようだが……。
「現在の血圧の判定基準は年齢がまったく考慮されていません。加齢によって血管が硬くなることから、年を重ねるごとに男女とも血圧は上がっていきます。脳に酸素と栄養を届けるには、ある程度の血圧の上昇が不可欠だからです。つまり30歳と45歳の女性で、基準値が大きく異なるのは自然なことなのです」(大櫛先生・以下同)
■メタボ(すべて女性の場合)
【BMI(体格指数)】45〜49歳・16.8〜25.6/50〜54歳・16.6〜26.7/55〜59歳・16.9〜26.9/60〜64歳・16.9〜27.2/65〜69歳・17.3〜27.7
【腹囲(cm)】45〜49歳・65〜96/50〜54歳・66〜97/55〜59歳・66〜97/60〜64歳・67〜98/65〜69歳・67〜100
【BMI(体格指数)】45〜49歳・16.8〜25.6/50〜54歳・16.6〜26.7/55〜59歳・16.9〜26.9/60〜64歳・16.9〜27.2/65〜69歳・17.3〜27.7
【腹囲(cm)】45〜49歳・65〜96/50〜54歳・66〜97/55〜59歳・66〜97/60〜64歳・67〜98/65〜69歳・67〜100
糖尿病、脳血管障害、心臓疾患、大腸がん、乳がんなどのリスクとなる肥満。とりわけ、もっとも深刻なのがメタボ(メタボリックシンドローム)といわれる内臓脂肪型肥満だ。このメタボの目安になるのが体格指数の「BMI」〈=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)〉と、おへその位置で測る「腹囲」。現在の診断基準ではBMIが25以上、腹囲90センチ以上が“内臓脂肪蓄積リスク”に相当。“メタボ度”のステップ1と判定されるが……。
「国際的な肥満の基準は、BMI30以上。日本の診断基準が厳しすぎるのです。また“やせ”の基準がないことも問題。無理なダイエットや、逆にやせすぎによる免疫力低下は、がん、肺炎、脳卒中などによる死亡リスクを高めてしまうこともあります」
■血糖(すべて女性の場合)
【空腹時血糖〈Glu〉(mg/dl)】45〜49歳・78〜106/50〜54歳・78〜109/55〜59歳・78〜109/60〜64歳・79〜110/65〜69歳・79〜111
【ヘモグロビンA1c〈HbA1c〉(%)】45〜49歳・4.6〜5.9/50〜54歳・4.8〜6.0/55〜59歳・4.9〜6.1/60〜64歳・4.9〜6.2/65〜69歳・4.9〜6.1
【空腹時血糖〈Glu〉(mg/dl)】45〜49歳・78〜106/50〜54歳・78〜109/55〜59歳・78〜109/60〜64歳・79〜110/65〜69歳・79〜111
【ヘモグロビンA1c〈HbA1c〉(%)】45〜49歳・4.6〜5.9/50〜54歳・4.8〜6.0/55〜59歳・4.9〜6.1/60〜64歳・4.9〜6.2/65〜69歳・4.9〜6.1
健康診断の検査項目で、血糖異常かどうかを示すのは「空腹時血糖」。これは血液中のブドウ糖の濃度のことで、高血糖になると、糖尿病のリスクが高まり、低血糖では低栄養状態の可能性がある。また赤血球中のヘモグロビンがブドウ糖と結合した「糖化ヘモグロビン」の濃度を示す「ヘモグロビンA1c」も、糖尿病の診断基準になる検査項目のひとつ。現在の診断基準では「空腹時血糖値」が126以上、「ヘモグロビンA1c」は6.5以上になると、糖尿病の疑いありとされ、医師による受診が推奨されているが…。
「『空腹時血糖値』と『ヘモグロビンA1c』の現在の判定基準は、男女差がまったく考慮されていないことが問題。実はどちらも筋肉量の違いによって大きく異なります。現行の基準値は、中年男性には適切ですが、45歳以上の女性にとっては、診断基準値が甘すぎます。そのため、血糖異常を見逃してしまい、気がついたら糖尿病になってしまっていた、ということもあるのです」』